幻の高級魚、マトウダイの魅力
料理を知りたい
先生、「サン・ピエール」って料理の用語で出てきました。どういう意味ですか?
料理研究家
「サン・ピエール」は、魚の名前だよ。フランス語で「聖ペテロ」という意味で、マトウダイという魚のことだね。
料理を知りたい
マトウダイですか。どんな魚なのでしょうか?
料理研究家
タイの仲間だけど、体の形が平べったくて、背びれに黒い斑点があるのが特徴だよ。フランス料理ではよく使われる高級魚なんだ。
saint-pierreサン・ピエールとは。
「料理」や「台所」に関する言葉、「聖ペテロ」と呼ばれる魚(マトウダイ)について
マトウダイとは
マトウダイは、名前には「タイ」と付いていますが、実際はタイの仲間ではありません。マトウダイ目マトウダイ科に分類される海水魚で、世界中の温帯から熱帯にかけての海に広く分布しています。日本では北海道南部から九州にかけての沿岸で見られます。
体つきは楕円形で、少し平べったく、灰色や薄い茶色をしています。体の側面に大きな黒い丸い模様があるのが特徴です。この模様は、聖ペテロが魚から銀貨を取り出したという言い伝えに由来すると言われ、フランス語で聖ペテロを意味するSaint-Pierreという名前の由来にもなっています。
マトウダイは水深100メートルから700メートル程度のやや深い場所に暮らしています。海底付近を泳ぎ回り、エビ、カニ、イカといった小さな生き物を食べています。
日本では高級魚として扱われています。白身で癖がなく、上品な味わいが魅力です。煮付け、塩焼き、ムニエル、唐揚げなど、様々な調理法で楽しむことができます。煮付けにすると、身がふっくらと柔らかく仕上がり、上品な旨味が口の中に広がります。また、塩焼きにすると、皮がパリッと香ばしく、身の味がより一層引き立ちます。ムニエルは、バターの香りと風味が白身魚とよく合い、西洋料理としても人気です。唐揚げは、外はカリッと、中はふわっとした食感が楽しめます。
マトウダイは、見た目も美しく、味も抜群の魚です。様々な調理法で味わいの変化を楽しめるため、料理好きにとっては嬉しい食材と言えるでしょう。旬は冬から春にかけてなので、この時期にぜひ味わってみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
分類 | マトウダイ目マトウダイ科 |
分布 | 世界中の温帯から熱帯にかけての海、日本では北海道南部から九州にかけての沿岸 |
特徴 | 楕円形で平べったい体、灰色や薄い茶色、体の側面に大きな黒い丸い模様 |
生息地 | 水深100~700メートル程度の海底付近 |
食性 | エビ、カニ、イカなどの小さな生き物 |
旬 | 冬から春 |
調理法 | 煮付け、塩焼き、ムニエル、唐揚げなど |
その味わいと調理法
マトウダイは、白身魚ならではの柔らかな舌触りと、きめ細やかさが魅力です。水っぽさを感じさせない、ほどよい身の締まり具合も特徴と言えるでしょう。淡泊でありながら、噛むほどに上品な甘みと奥深い旨みが広がり、魚本来の味を存分に楽しむことができます。
加熱調理しても身が固くなりすぎず、ふっくらとした食感が保たれるため、様々な料理に活用できます。西洋の調理法では、ムニエルやポワレなどがおすすめです。バターを使うことで、マトウダイの旨みが引き立ち、豊かな香りが食欲をそそります。また、オリーブ油で焼けば、皮はパリッと、身はふっくらと仕上がります。和食では、煮付けや焼き魚が定番です。醤油とみりん、酒、砂糖で作った煮汁でじっくり煮れば、ご飯が進む一皿になります。また、塩焼きにすれば、マトウダイ本来の旨みをシンプルに味わうことができます。その他、天ぷらにしても美味しく、衣のサクッとした食感と、身のふわふわとした食感の組み合わせが楽しめます。
新鮮なマトウダイが手に入った場合は、ぜひ刺身に挑戦してみてください。とろけるような舌触りと、上品な甘みが口いっぱいに広がり、忘れられない美味しさです。少し寝かせて熟成させることで、旨みがさらに増し、より深い味わいを楽しむこともできます。わさび醤油はもちろん、柑橘類を絞ってさっぱりといただくのもおすすめです。
このように、マトウダイはどんな調理法にも合う万能な魚です。手に入りやすい価格帯であることも魅力の一つ。ぜひ、色々な調理法を試して、お好みの食べ方を見つけてみてください。
調理法 | 特徴 | その他 |
---|---|---|
ムニエル/ポワレ | バターでマトウダイの旨みを引き出し、豊かな香りが食欲をそそる。 オリーブオイルで焼けば、皮はパリッと、身はふっくらと仕上がる。 |
西洋の調理法 |
煮付け | 醤油とみりん、酒、砂糖で作った煮汁でじっくり煮る。ご飯が進む一皿。 | 和食 |
塩焼き | マトウダイ本来の旨みをシンプルに味わうことができる。 | 和食 |
天ぷら | 衣のサクッとした食感と、身のふわふわとした食感の組み合わせが楽しめる。 | |
刺身 | とろけるような舌触りと上品な甘み。わさび醤油はもちろん、柑橘類を絞ってさっぱりといただくのもおすすめ。 | 新鮮なマトウダイの場合 |
入手方法と選び方
高級魚として知られるマトウダイは、残念ながら普通の食料品店で見かけることは稀です。手に入れるには、鮮魚専門店や高級志向の食料品店、デパートなどを訪れるのが良いでしょう。産地に近い漁港や市場であれば、直接買い付ける機会もあるかもしれません。
マトウダイを選ぶ際には、鮮度が最優先事項です。新鮮なマトウダイは、目が澄んでいて生き生きとしています。体色は鮮やかで、全体に艶があります。また、身に弾力があり、触ると硬く締まっているものが新鮮な証拠です。さらに、えらは鮮やかな紅色をしています。これらの点を確認することで、質の高いマトウダイを見分けることができます。
マトウダイは、冬から春にかけてが旬です。この時期のマトウダイは、特に脂がのり、濃厚な旨味を堪能できます。旬のマトウダイは、刺身でその美味しさを存分に味わえます。また、焼き物や煮物にしても美味しくいただけます。旬以外の時期でも、鮮度の良いマトウダイを見つけたら、ぜひ味わってみてください。少し値は張りますが、その味わいは価格に見合うだけの価値があります。調理方法によって様々な表情を見せるマトウダイは、食卓に彩りを添えてくれるでしょう。
保存する際は、冷蔵保存が基本です。キッチンペーパーで包み、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。出来るだけ早く食べきるのが理想的ですが、数日保存する場合は、冷凍保存も可能です。ただし、冷凍すると風味が落ちることがあるので、注意が必要です。解凍する際は、冷蔵庫でゆっくりと解凍するのがおすすめです。急激に解凍すると、身がパサパサになってしまうことがあります。
項目 | 詳細 |
---|---|
入手方法 | 鮮魚専門店、高級志向の食料品店、デパート、漁港、市場 |
選び方 | 目が澄んで生き生き、体色が鮮やかで艶がある、身に弾力があり硬い、えらが鮮やかな紅色 |
旬 | 冬から春 |
旬の調理法 | 刺身、焼き物、煮物 |
保存方法 | 冷蔵保存(キッチンペーパーで包み、密閉容器)、冷凍保存(風味落ちに注意) |
解凍方法 | 冷蔵庫でゆっくり解凍 |
保存方法
鮮度の良い魚介類は、美味しくいただくためには出来るだけ早く調理するのが一番です。 買ってきたマトウダイも、すぐに調理できるのであれば、その日のうちに食べてしまいましょう。しかし、様々な事情ですぐに食べられないこともあるでしょう。そんな時は、適切な方法で保存することで、鮮度を保ち、美味しく食べられます。
まず、マトウダイを保存する前に、下処理を行いましょう。流水でマトウダイを丁寧に洗い、表面のぬめりや汚れを取り除きます。その後、清潔な布巾や調理用の紙で水気をしっかりと拭き取ってください。余分な水分は、鮮度を落とす原因となるので、この工程は重要です。
冷蔵保存する場合は、下処理をしたマトウダイを、ぴったりと食品用ラップで包みます。空気に触れる面積を少なくすることで、酸化を防ぎ、鮮度を保つ効果があります。ラップで包んだマトウダイは、冷蔵庫で保存します。冷蔵保存の場合は、2~3日以内を目安に食べきりましょう。保存期間が長くなると、風味が落ちてしまうので注意が必要です。
冷凍保存する場合は、冷蔵保存と同じように下処理を行い、食品用ラップでしっかりと包みます。さらに、冷凍保存用の袋に入れて、空気を抜いてから冷凍庫で保存しましょう。冷凍保存用の袋を使うことで、冷凍焼けを防ぎ、より長期間、マトウダイの美味しさを保つことができます。冷凍保存の場合は、1ヶ月以内を目安に食べきりましょう。
冷凍したマトウダイを解凍する際は、冷蔵庫に移して、ゆっくりと解凍するのがおすすめです。急激な温度変化は、マトウダイの身質を劣化させる原因となります。時間をかけて解凍することで、旨味を逃がさず、美味しく食べられます。解凍後は、再冷凍せず、出来るだけ早く調理しましょう。
マトウダイの魅力を再発見
マトウダイは、その姿の美しさから「魚の王様」とも呼ばれ、古くから祝いの席などで珍重されてきた高級魚です。鮮やかな赤い体色に、大きな黒い斑点。そして、まるで扇を広げたような大きな鰭。その堂々とした姿は、まさに海の王者の風格を漂わせています。
近年では漁獲量が減少し、「幻の魚」とも呼ばれるほど希少価値が高まっています。そのため、市場に出回る機会は少なく、高値で取引されています。もし、魚屋さんで見かけることがあれば、それはまさに幸運と言えるでしょう。
マトウダイの美味しさは、その白身の上品な味わいと、ふっくらとした食感にあります。 刺身はもちろん、焼いたり煮たりしても美味しくいただけます。特に、皮と身の間に旨みが凝縮されているため、皮付きのまま調理するのがおすすめです。皮はパリッと香ばしく、身はふっくらと仕上がります。
また、マトウダイは栄養価も高く、健康にも良い魚です。良質なタンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルなど、様々な栄養素を豊富に含んでいます。特に、タウリンは肝機能の強化やコレステロール値の低下に効果があると言われています。
特別な日のお祝いや、大切な人へのおもてなしに、マトウダイは最適な食材です。その美しい姿と繊細な味わいは、食卓に華を添え、忘れられない思い出となるでしょう。ぜひ、この機会にマトウダイの魅力を再発見し、その美味しさを堪能してみてはいかがでしょうか。上品な味わいと、ふっくらとした食感、そして、希少価値。マトウダイは、まさに「特別な日」のための魚と言えるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
別名 | 魚の王様、幻の魚 |
見た目 | 鮮やかな赤い体色、大きな黒い斑点、扇のような大きな鰭 |
希少性 | 近年漁獲量が減少し、希少価値が高い |
味 | 白身の上品な味わい、ふっくらとした食感、皮と身の間に旨みが凝縮 |
調理法 | 刺身、焼き、煮 |
栄養 | 良質なタンパク質、ビタミン、ミネラル、タウリン(肝機能強化、コレステロール値低下) |
その他 | 祝いの席、特別な日、おもてなしに最適 |