香草コリアンダー:風味と活用法

香草コリアンダー:風味と活用法

料理を知りたい

先生、「コリヤンドル」ってよく聞くんですけど、どんなものかよくわからないんです。教えてください。

料理研究家

いい質問だね。「コリヤンドル」は、料理によく使われる香りの強い葉っぱだよ。中華料理では「シャンツァイ」、タイ料理では「パクチー」など、色々な名前で呼ばれているんだ。

料理を知りたい

へえ、色々な名前があるんですね。パクチーは聞いたことがあります。ということは、パクチーもコリヤンドルも同じものなんですか?

料理研究家

そうだよ。呼び方は違っても、全部同じ植物を指しているんだ。独特な香りがあるので、好き嫌いが分かれるけれど、色々な国の料理で使われているので、覚えておくと良いよ。

coriandreコリヤンドルとは。

「料理」や「台所」に関する言葉である「コリアンダー」(パクチー)について

コリアンダーとは

コリアンダーとは

コリアンダーは、セリの仲間で、一年で育つ草です。独特の風味を持つ香草として知られ、生まれ故郷は地中海東部と言われています。遠い昔、古代エジプトの時代から、薬として使われたり、食べ物の風味付けとして利用されたりしてきました。日本では「香菜(シャンツァイ)」という中国語の名前で呼ばれることもあります。この香草は、葉っぱ、茎、根っこ、種と、植物全体を捨てることなく食べることができるのが特徴です。しかも、それぞれ異なる風味を持っています。

葉っぱは、爽やかな柑橘類のような香りと、コリアンダー特有の風味が特徴です。タイやベトナム、メキシコなど、様々な国の料理に欠かせない材料となっています。生のままサラダや汁物に添えたり、火を通して炒め物に使ったりすることで、料理に独特の風味と彩りを加えます。

茎は、葉よりも香りが穏やかで、食感に歯ごたえがあります。刻んで炒め物に混ぜ込んだり、煮込み料理に加えたりすることで、風味と食感を同時に楽しむことができます。根は、より強い土のような香りとスパイシーさを持っています。すりおろしたり、刻んだりして、カレーや煮込み料理の風味付けに利用されます。特に、タイカレーには欠かせない材料です。

種は「コリアンダーシード」と呼ばれ、葉とは全く異なるカメムシに似た香りを持っています。そのため、好きな人と苦手な人がはっきり分かれる香草でもあります。カレー粉やピクルスの風味付け、お菓子作りにも使われます。挽きたての種は香りが特に強く、風味も豊かです。もしコリアンダーが苦手という方は、まずは少量から試してみるのが良いでしょう。独特の風味に慣れてくると、料理の幅が広がり、新しい味覚の世界を発見できるはずです。様々な料理に取り入れて、コリアンダーの奥深い魅力を楽しんでみてください。

部位 風味 使い方
爽やかな柑橘類のような香りと、コリアンダー特有の風味 生のままサラダや汁物に添える、火を通して炒め物に使う
葉よりも香りが穏やか、歯ごたえがある 刻んで炒め物に混ぜ込む、煮込み料理に加える
強い土のような香りとスパイシーさ すりおろしたり刻んだりして、カレーや煮込み料理の風味付けに利用する (特にタイカレー)
種 (コリアンダーシード) 葉とは全く異なるカメムシに似た香り カレー粉やピクルスの風味付け、お菓子作りに使う。挽きたては香りが特に強い

コリアンダーの栄養価

コリアンダーの栄養価

パクチー、別名コリアンダーは、独特の香りで好き嫌いが分かれる野菜ですが、実は驚くほどの栄養を秘めています。小さな葉一枚一枚に、健康を支える様々な成分がぎゅっと詰まっているのです。

まず注目すべきは、ビタミンの豊富さです。ビタミンAは、目の健康を保ち、皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあります。風邪予防に欠かせないビタミンCもたっぷり。強い抗酸化作用で、体の錆びつきを防ぎ、免疫力を高めてくれます。骨の健康維持に役立つビタミンKも含まれています。

ミネラルも豊富です。中でも、カリウムは体内の水分バランスを整え、むくみを抑えたり、血圧を正常に保つのに役立ちます。また、カルシウムは骨や歯を丈夫にする大切な栄養素です。不足すると骨粗鬆症のリスクが高まるため、積極的に摂りたい栄養素です。さらに、鉄分は血液中の赤血球を作るのに欠かせない栄養素で、貧血予防に効果的です。

食物繊維もコリアンダーの重要な成分です。食物繊維は、腸内環境を整え、便秘を解消するだけでなく、血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。

このように、コリアンダーは様々な栄養素をバランス良く含む、まさに栄養の宝庫です。いつもの料理に少し加えるだけで、手軽に栄養を補うことができます。刻んでサラダに散らしたり、スープに浮かべたり、炒め物にさっと加えたり、様々な方法で楽しんでみてください。毎日の食事に取り入れることで、不足しがちな栄養素を補い、健康な体づくりをサポートしてくれるでしょう。独特の香りは、好き嫌いが分かれるところですが、少量から試してみて、徐々に慣れていくのも良いでしょう。

栄養素 効能
ビタミンA 目の健康維持、皮膚・粘膜の強化
ビタミンC 風邪予防、抗酸化作用、免疫力向上
ビタミンK 骨の健康維持
カリウム 水分バランス調整、むくみ抑制、血圧正常化
カルシウム 骨や歯の強化
鉄分 赤血球生成、貧血予防
食物繊維 腸内環境調整、便秘解消、血糖値上昇抑制

コリアンダーの使い方

コリアンダーの使い方

コリアンダーは、葉、種、根と全ての部分を使うことができる香味野菜です。それぞれの部分で異なる香りや風味を持ち、様々な料理に活用できます。

まず、コリアンダーの葉は、生のまま使うのが一般的です。独特の爽やかな香りは、料理に清涼感を与えます。細かく刻んでサラダに散らしたり、スープの仕上げに添えるだけで、風味と彩りを加えることができます。また、肉料理や魚料理の付け合わせとしても相性抜群です。パクチー独特の香りが、料理の味を引き立てます。ただし、加熱すると香りが飛んでしまうため、炒め物など火を通す料理に使う場合は、最後に加えるのがポイントです。

次に、コリアンダーの種は、カレー粉やスパイスミックスの材料として広く使われています。独特の風味は、料理に深みとコクを与えます。種をそのまま使う場合は、軽く炒るか砕いてから使うことで、より香りが引き立ちます。また、粉末状にしたものは、肉や魚の臭み消しにも効果的です。下味に加えることで、臭みを抑えつつ、風味豊かな料理に仕上がります。

最後に、コリアンダーの根は、タイ料理でよく使われます。根は、葉や種とはまた違った、土のような独特の香りを持っています。すりおろしたり、ペースト状にしてカレーに加えたり、スープの隠し味として使ったりすることで、料理に深みとコクを与えます。特に、グリーンカレーやトムヤムクンなどのタイ料理には欠かせない材料です。

このように、コリアンダーは様々な形で料理に取り入れることができます。それぞれの部分の特徴を理解し、上手に使い分けることで、料理の幅を広げ、より奥深い味わいを楽しむことができるでしょう。

部位 香り 使い方 料理例 注意点
爽やか 生で使う
刻んでサラダ、スープの仕上げ
肉・魚料理の付け合わせ
サラダ、スープ、肉・魚料理 加熱すると香りが飛ぶ
カレー粉のような独特の風味 炒るか砕いて使う
粉末にして臭み消し
カレー粉、スパイスミックス
カレー、肉・魚料理
土のような独特の香り すりおろす
ペースト状にしてカレーに加える
スープの隠し味
グリーンカレー、トムヤムクン

コリアンダーの保存方法

コリアンダーの保存方法

香りのよいコリアンダーは、鮮度がすぐに落ちてしまうため、買ってきたらなるべく早く使い切るのが一番です。しかし、たくさん買ってしまったり、すぐに使い切れない場合は、適切な方法で保存することで鮮度を保ち、風味を長持ちさせることができます。

冷蔵保存する場合は、まずコリアンダーをよく洗い、水気を拭き取ります。次に、湿らせた調理用の紙でコリアンダーを優しく包みます。こうすることで、乾燥を防ぎ、みずみずしさを保つことができます。さらに、包んだコリアンダーを袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。冷蔵庫に入れる際は、立てて保存すると茎が折れにくく、より長持ちします。この方法で、数日間は鮮度を保つことができます。

すぐに使わない場合は、冷凍保存もおすすめです。コリアンダーを細かく刻み、製氷皿に入れます。そこに水を注ぎ、凍らせれば、使いたいときに必要な分だけ取り出して使えます。冷凍したコリアンダーは、凍ったまま汁物や炒め物など、様々な料理に加えることができます。風味は多少落ちますが、彩りを添えたり、ほんのり香りを加えたいときに便利です。

コリアンダーの種は、しっかりと蓋が閉まる容器に入れて、日の当たらない涼しい場所に保管します。湿気が少なく、乾燥した場所が適しています。適切に保存すれば、種は長期保存が可能です。

コリアンダーを保存する際は、保存方法によって保存期間が変わることを覚えておきましょう。冷蔵保存は数日間、冷凍保存は数週間、種は乾燥した冷暗所であれば数ヶ月保存可能です。それぞれの保存方法の特徴を理解し、用途に合わせて使い分けることで、コリアンダーの風味を最大限に楽しむことができます。

保存方法 手順 保存期間 備考
冷蔵 1. コリアンダーを洗って水気を切る
2. 湿らせたキッチンペーパーで包む
3. 袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存
数日 茎が折れにくく、より長持ち
冷凍 1. コリアンダーを刻む
2. 製氷皿に入れて水を注ぐ
3. 冷凍庫で凍らせる
数週間 風味は多少落ちるが、彩りや香りづけに便利
種(乾燥) 密閉容器に入れて、日の当たらない涼しい場所に保管 数ヶ月 湿気が少なく、乾燥した場所が適している

まとめ

まとめ

独特の香りを持つパクチーは、実は様々な料理に使える万能な香味野菜です。葉はもちろんのこと、茎や根、種までもがそれぞれの風味と持ち味を活かして料理に使われます。

葉は、よく知られているように、タイ料理やベトナム料理、中華料理などのエスニック料理によく合います。刻んで salads に散らしたり、スープに浮かべたり、付け合わせとして添えたりすることで、料理に爽やかさを加え、風味を豊かにします。パクチーの独特の香りは好き嫌いが分かれますが、エスニック料理には欠かせない香味野菜と言えるでしょう。

茎は、葉よりも香りが穏やかなので、炒め物や煮込み料理に適しています。細かく刻んで肉や野菜と一緒に炒めたり、スープの出汁として煮込んだりすることで、独特の風味とコクが加わります。また、茎の歯ごたえも楽しめるので、食感のアクセントにもなります。

根は、土臭さと共に強い香りが特徴です。カレーペーストや炒め物の下味として使われることが多く、すりおろしたり、みじん切りにして使うことで、料理に深みのある風味を与えます。特に、タイカレーには欠かせない材料の一つです。

種は、コリアンダーシードと呼ばれ、スパイスとして広く使われています。カレー粉の材料の一つとしても知られており、独特の柑橘系の香りとほのかな甘みが特徴です。砕いたり、粉末状にして使うことで、料理に香ばしい風味と複雑な味わいを加えます。また、漬物やピクルス作りにも使われます。

パクチーを保存する際は、乾燥を防ぐことが大切です。湿らせたキッチンペーパーで包んで冷蔵庫で保存するか、水を入れたコップに挿して冷蔵庫で保存することで、鮮度を保つことができます。また、冷凍保存も可能です。

パクチーは、様々な部位を様々な方法で楽しむことができる、奥深い香味野菜です。まだ試したことがない方は、ぜひ一度、その独特の風味を体験してみてください。新しい味の発見があるかもしれません。

部位 香り 用途 調理方法
独特の香り タイ料理、ベトナム料理、中華料理などのエスニック料理 刻んでsaladsに散らす、スープに浮かべる、付け合わせ
葉より穏やか 炒め物、煮込み料理 細かく刻んで肉や野菜と一緒に炒める、スープの出汁として煮込む
強い香り、土臭さ カレーペースト、炒め物の下味、タイカレー すりおろす、みじん切り
種(コリアンダーシード) 柑橘系の香り、ほのかな甘み スパイス、カレー粉、漬物、ピクルス 砕く、粉末状にする