菊菜:秋の香りを楽しむ

菊菜:秋の香りを楽しむ

料理を知りたい

先生、「菊菜」って春菊のことですよね?でも、春菊なのにどうして「菊菜」って呼ぶんですか?

料理研究家

いい質問だね。確かに春菊は春が旬の野菜だけど、秋にも収穫できるんだ。そして、秋に収穫した春菊を料理に使う場合、献立名では「菊菜」と書くことが多いんだよ。

料理を知りたい

へえ、そうなんですね。旬じゃない時期の春菊を区別するために「菊菜」と呼ぶってことですか?

料理研究家

そういうこと。特に、お祝いの席などで使われる懐石料理などでは、季節感を大切にするため、秋に使う春菊を「菊菜」と呼ぶことで、秋の食材として扱うんだよ。また、香りや味わいが春のものとは少し異なるため、区別しているという側面もあるね。

菊菜とは。

料理や台所で使われる言葉「菊菜」について。菊菜は、春菊のことで、特に秋に春菊を使うときに、料理名に「菊菜」と書くことがあります。

菊菜とは

菊菜とは

菊菜とは、春の野菜として知られる春菊を秋に収穫した場合の呼び名です。春菊は春に出回るものが一般的で、独特の強い香りが特徴です。この香りは、春のものと比べて秋に収穫される菊菜の方が優しく、葉も柔らかく、食べやすいと感じる方も少なくありません。

菊菜は、秋から冬にかけて旬を迎える野菜です。地域によって時期は多少前後しますが、スーパーマーケットなどでよく見かけるようになります。鍋物やおひたしなど、様々な料理に活用することで、秋の訪れを食卓で感じることができます。

菊菜の名前の由来は、その花が菊の花に似ていることに由来します。古くから日本人に親しまれてきた野菜であり、独特の風味と豊富な栄養価から、現代でも多くの人々に愛されています。家庭菜園でも比較的容易に育てることができるため、興味のある方は自宅で育ててみるのも良いでしょう。

菊菜には、β-カロテンやビタミンC、カリウムなど、様々な栄養素が豊富に含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、免疫力の向上や粘膜の健康維持に役立ちます。ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力を高める効果が期待できます。また、カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあり、高血圧の予防に効果的です。さらに、食物繊維も豊富に含まれているため、腸内環境を整え、便秘の予防にも効果があります。

このように、菊菜は健康維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。日々の食生活に積極的に取り入れることで、健康的な生活を送るための助けとなるでしょう。旬の時期には、ぜひ菊菜を味わってみてください。

項目 内容
別名 春菊(秋に収穫した場合)
秋から冬
特徴 独特の香り(春菊より優しい)、柔らかい葉
名前の由来 花が菊の花に似ている
栄養素 β-カロテン、ビタミンC、カリウム、食物繊維
効能 免疫力向上、粘膜の健康維持、抗酸化作用、高血圧予防、便秘予防

菊菜の選び方

菊菜の選び方

美味しい菊菜を選ぶには、まず葉の色に注目しましょう。鮮やかな濃い緑色で、ツヤとハリがあるものが新鮮です。葉が黄ばんでいたり、黒ずんでいるものは避けましょう。特に、葉の先端がしおれていたり、変色しているものは鮮度が落ちている証拠です。

次に、葉の形状も重要なポイントです。葉が縮れていたり、虫に食われた跡があるものは避け、一枚一枚がピンとしていて、形が整っているものを選びましょう。また、葉の大きさが揃っているかも確認しましょう。大きさがバラバラだと、生育状態にムラがあり、味が均一でない可能性があります。

茎の状態もよく観察しましょう。茎はしっかりとしていて、みずみずしいものが良いです。茎が細すぎたり、ひょろひょろとしているものは栄養が不足している可能性があります。また、茎の切り口が乾燥していたり、変色しているものは避けましょう。茎の太さが均一で、切り口がみずみずしいものが新鮮な証拠です。

菊菜は香りが強い野菜なので、香りを確認することも重要です。新鮮な菊菜は、春菊独特の爽やかな香りがします。香りが弱かったり、変な臭いがするものは鮮度が落ちている可能性が高いので、購入は控えましょう。

購入後は、できるだけ早く調理するのがおすすめです。すぐに使わない場合は、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。保存期間は2~3日以内が目安です。鮮度が落ちると香りが弱くなり、苦味が増して食味が落ちてしまうので、早めに使い切りましょう。新鮮な菊菜を選び、その独特の香りと風味を楽しみましょう。

項目 チェックポイント
葉の色 鮮やかな濃い緑色、ツヤとハリがある。黄ばみ、黒ずみ、先端のしおれ、変色は避ける。
葉の形状 縮れ、虫食い跡は避ける。一枚一枚がピンとしていて、形が整っている。大きさが揃っている。
茎の状態 しっかりとしていて、みずみずしい。細すぎ、ひょろひょろは避ける。切り口の乾燥、変色は避ける。太さが均一で、切り口がみずみずしい。
香り 春菊独特の爽やかな香り。香りが弱い、変な臭いは避ける。
購入後 できるだけ早く調理。保存は湿らせた新聞紙/キッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。保存期間は2~3日。

菊菜の下ごしらえ

菊菜の下ごしらえ

春の香りが食卓を彩る菊菜。独特の香りとほんのりとした苦味が魅力ですが、この苦味は少し苦手という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、適切な下ごしらえをすることで、苦味を抑え、風味と食感をより一層引き立てることができます。美味しくいただくための菊菜の下ごしらえを、詳しくご紹介します。

まずは流水で丁寧に洗いましょう。葉の間に土や虫が入り込んでいることもあるので、一枚一枚を広げるようにして、流水で丁寧に洗い流すことが大切です。特に根元付近は汚れが溜まりやすいので念入りに洗いましょう。ボウルに水を張り、数回すすぐのも効果的です。

次に根元を切り落とします。茶色く変色している部分や固い部分は切り捨て、白い部分から3~5ミリメートル上のあたりで切り落とすのがおすすめです。根元を切り落としたら、料理に合わせて切り方を調整します。鍋物に使う場合は、箸でつかみやすい5~6センチメートルの長さに切りましょう。おひたしや和え物、炒め物に使う場合は、3~4センチメートルの長さが食べやすいでしょう。

菊菜はアクが強い野菜なので、下茹ですることでアク抜きをし、鮮やかな緑色を保ちます。鍋にたっぷりの湯を沸かし、ひとつまみの塩を加えます。塩を加えることで、色鮮やかに仕上がります。沸騰したら菊菜を入れ、30秒から1分程度さっと茹でます。茹で時間は短時間で十分です。長く茹で過ぎると、せっかくの香りが飛んでしまい、食感も損なわれてしまいます。

茹で上がったらすぐに冷水に取ります。流水にさらすことで、余熱で火が通り過ぎるのを防ぎ、鮮やかな緑色を保つことができます。冷水にさらしたら、手で優しく水気を絞り、下ごしらえは完了です。

適切な下ごしらえで、菊菜の美味しさを最大限に引き出し、春の味覚を存分にお楽しみください。

手順 詳細 ポイント
洗う 流水で一枚一枚を広げるように丁寧に洗い流す。根元付近は念入りに。ボウルに水を張り、数回すすぐのも効果的。 土や虫を取り除く
根元を切る 茶色く変色している部分や固い部分は切り捨て、白い部分から3〜5mm上のあたりで切り落とす。
切る 料理に合わせて切る。鍋物:5〜6cm、おひたし・和え物・炒め物:3〜4cm 食べやすい大きさに
下茹でする たっぷりの湯にひとつまみの塩を加え、沸騰したら菊菜を入れ30秒〜1分茹でる。 アク抜き、色鮮やかに仕上げる、香りを保つ
冷水に取る 流水にさらし、手で優しく水気を絞る。 余熱で火が通り過ぎるのを防ぐ、鮮やかな緑色を保つ

菊菜を使った料理

菊菜を使った料理

春の終わりから冬の初めにかけて旬を迎える菊菜は、独特の香りとほんのりとした苦みが特徴の緑黄色野菜です。その鮮やかな緑色は、食卓に彩りを添え、春の訪れや冬の訪れを感じさせてくれます。

鍋物に菊菜を加えると、他の具材との相乗効果で香りが引き立ち、食欲をそそります。鶏肉や豚肉、魚介類など、どんなだし汁にもよく合い、体の芯から温まる一品となります。また、豆腐やきのこ類と一緒に煮込むと、それぞれの風味と香りが複雑に絡み合い、より奥深い味わいが楽しめます。

さっと茹でて水にさらした菊菜は、おひたしにするのがおすすめです。醤油やポン酢、だし醤油などでシンプルに味付けすることで、菊菜本来の風味を存分に堪能できます。すりおろした生姜やごまを加えれば、さらに風味豊かに仕上がります。

ごま和えも人気の食べ方です。すりごま、砂糖、醤油を混ぜ合わせた和え衣で菊菜を和えると、香ばしくてご飯が進む一品です。白ごま、黒ごま、金ごまなど、ごまの種類を変えることでも違った風味が楽しめます。豆腐やきのこ類を加えても美味しくいただけます。

炒め物にも菊菜は活用できます。豚肉や牛肉、鶏肉など、様々な種類の肉と相性が良く、卵と一緒に炒め合わせるのもおすすめです。シャキシャキとした食感と香ばしい香りが食欲をそそり、ご飯が進むおかずになります。

その他にも、天ぷらにしたり、汁物の具材にしたり、様々な料理に活用できます。春菊と同じように、かき揚げにしても美味しくいただけます。また、卵焼きに混ぜ込んだり、ちらし寿司の具材にしたりと、アイディア次第で様々な楽しみ方ができます。旬の時期には、ぜひ様々な菊菜料理に挑戦してみてください。

調理法 説明 食材の組み合わせ
鍋物 他の具材との相乗効果で香りが引き立ち、食欲をそそる。体の芯から温まる一品。 鶏肉、豚肉、魚介類、豆腐、きのこ類
おひたし さっと茹でて水にさらし、醤油やポン酢、だし醤油などでシンプルに味付け。菊菜本来の風味を堪能できる。 生姜、ごま
ごま和え すりごま、砂糖、醤油を混ぜ合わせた和え衣で和える。香ばしくてご飯が進む。 白ごま、黒ごま、金ごま、豆腐、きのこ類
炒め物 様々な種類の肉と相性が良く、卵と一緒に炒め合わせるのもおすすめ。シャキシャキとした食感と香ばしい香りが食欲をそそる。 豚肉、牛肉、鶏肉、卵
天ぷら かき揚げもおすすめ。
汁物の具材
卵焼き 卵焼きに混ぜ込む。
ちらし寿司 ちらし寿司の具材にする。

菊菜の保存方法

菊菜の保存方法

春菊は、独特の香りとほろ苦さが魅力の野菜ですが、非常にデリケートで鮮度が落ちやすいのが難点です。買ってきたらなるべく早く食べきるのが一番ですが、すぐに使いきれない場合は、適切な方法で保存することで、数日程度は鮮度を保つことができます。保存のポイントは、乾燥を防ぎ、低温で保存することです。

まず、春菊を保存する際は、洗わずに余分な水分だけをキッチンペーパーなどで優しく拭き取ります。濡れたまま保存すると傷みやすくなるので注意が必要です。次に、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで春菊全体を包みます。これは、乾燥を防ぎ、適度な湿度を保つためです。春菊を包んだ新聞紙やキッチンペーパーをポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。冷蔵庫の野菜室は、温度と湿度が比較的安定しているため、春菊の保存に適しています。この方法で、2、3日程度は鮮度を保つことができます。

もっと長く保存したい場合は、冷凍保存もおすすめです。沸騰したお湯に塩を少々加え、春菊をさっと茹でます。茹で時間は、色鮮かな緑色が残る程度で十分です。茹でた春菊はすぐに冷水に浸し、色止めをします。水気をしっかりと絞り、食べやすい大きさに切り分けます。小分けにした春菊を冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存します。冷凍保存であれば、約1か月は保存可能です。使う際は、自然解凍もしくは電子レンジで解凍します。冷凍した春菊は、生のものと比べると食感は劣りますが、鍋物、炒め物、おひたし、和え物など、加熱調理には問題なく利用できます。用途に合わせて保存方法を選び、春菊を無駄なく美味しくいただきましょう。

保存方法 手順 保存期間 備考
冷蔵 1. 余分な水分をキッチンペーパーで拭き取る
2. 湿らせた新聞紙/キッチンペーパーで包む
3. ポリ袋に入れて野菜室で保存
2〜3日 冷蔵庫の野菜室は温度と湿度が比較的安定しているため適している
冷凍 1. 塩を加えた沸騰したお湯でさっと茹でる(色鮮やかな緑色が残る程度)
2. 冷水に浸して色止め
3. 水気を絞り、食べやすく切り分ける
4. 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存
約1ヶ月 生のものと比べると食感は劣るが、加熱調理には問題なく利用できる