鬼簾:和食に欠かせない道具
料理を知りたい
先生、「鬼簾」って巻き簾の一種だってことはわかるんですけど、普通の巻き簾と何が違うんですか?
料理研究家
良い質問だね。普通の巻き簾は細い竹を丸いまま使って編んでいるのに対し、鬼簾は太い竹を三角に削って使っているんだよ。だから、鬼簾の方が目が粗くて丈夫なんだ。
料理を知りたい
三角に削ることで何かメリットがあるんですか?
料理研究家
そうなんだ。三角にすることで、伊達巻きなどに巻いた時に、きれいな筋模様がつくんだよ。普通の巻き簾だと、こうはっきりとした模様はつかないんだね。
鬼簾とは。
巻き簾の中でも、特に太い竹ひごを三角に削って糸で編んだ「鬼簾」について説明します。鬼簾は、伊達巻のような料理を巻く際に用いられ、表面に筋をつける役割を果たします。
鬼簾とは
鬼簾とは、巻き簾の仲間で、料理に筋模様をつけるために使われる調理道具です。普通の巻き簾は細い竹ひごを糸で編んで作りますが、鬼簾の場合は、竹を三角形の棒状に削って糸で編みます。この三角形の竹ひごが、鬼の角のように見えることから「鬼簾」と呼ばれるようになったと言われています。
鬼簾の特徴は、竹ひごが太く、隙間が大きいことです。このため、食材に押し当てると、独特の美しい筋模様がつきます。特に、伊達巻きを作る際には欠かせない道具です。伊達巻きの生地を焼きながら鬼簾で巻くことで、表面にきれいな模様がつき、見た目も豪華になります。また、卵焼きを作る際にも、鬼簾を使うことで、ふっくらと均一な厚さに巻くことができます。
鬼簾の使い方は、巻き簾とほぼ同じです。伊達巻きや卵焼き以外にも、押し寿司を作る際にも使われます。ご飯や具材を海苔の上に広げ、鬼簾を使ってしっかりと巻くことで、形が崩れず、美しい断面に仕上がります。また、簀巻きのように、野菜や魚などを巻いて形を整える時にも役立ちます。
鬼簾は、竹で作られているため、使用後は丁寧に洗って乾燥させることが大切です。水につけっぱなしにすると、カビが生えたり、竹が割れたりする原因になります。また、食材の色や匂いが移りやすいので、使用後はすぐに洗うようにしましょう。適切に手入れすることで、長く愛用することができます。
項目 | 説明 |
---|---|
名称 | 鬼簾 |
種類 | 巻き簾の仲間 |
材質 | 竹(三角形の棒状) |
形状 | 太い竹ひご、隙間が大きい |
用途 | 料理に筋模様をつける、伊達巻き、卵焼き、押し寿司、簀巻きなど |
特徴 | 独特の美しい筋模様がつく、ふっくらと均一な厚さに巻ける、形が崩れず美しい断面になる |
お手入れ | 使用後は丁寧に洗って乾燥させる |
鬼簾の使い方
巻き簀(まきす)、別名鬼簾(おにすだれ)は、料理に欠かせない調理道具の一つです。その名の通り、竹や葦を簾状に編んだもので、様々な料理に活用できます。特に、巻き寿司や伊達巻、押し寿司を作る際には無くてはならない存在と言えるでしょう。
まず、鬼簾を使う前には、表面を濡らしておきましょう。こうすることで、食材がくっつくのを防ぎ、調理後の洗浄も楽になります。伊達巻を作る際は、卵焼き液を流し込む前に、薄く油をひいておくと、より綺麗に仕上がります。卵焼き液を流し込んだら、手前から奥へ、空気が入らないように丁寧に巻き上げていきます。力を均等に加えることが、美しい伊達巻を作るコツです。巻き終わったら、形が崩れないよう、しばらく鬼簾で巻いたまま置いておきます。
押し寿司を作る際にも、鬼簾は活躍します。型にネタと酢飯を詰めて、上から鬼簾を被せて押します。均一に力が加わるため、形が整った美しい押し寿司が出来上がります。また、巻き寿司を作る場合も、海苔の上に酢飯と具材を乗せ、鬼簾を使って手前から巻き上げます。巻き終わりは軽く押さえて止め、形を整えましょう。
その他、簀巻き(すまき)と呼ばれる料理にも鬼簾は欠かせません。魚介類や野菜などを、鬼簾の上に置いて巻き込み、両端をねじって閉じます。鬼簾を使うことで、食材に美しい格子状の模様が付き、見た目も食欲をそそります。また、鬼簾を使うことで、余分な水分や油分を取り除く効果もあります。そのため、食材本来の旨味が凝縮され、より一層美味しく仕上がります。
このように、鬼簾は様々な料理に活用できる万能な調理道具です。一つ持っておくと、料理の幅が広がること間違いなしです。
料理名 | 巻き簀の用途 | ポイント |
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巻き寿司 | 海苔の上に酢飯と具材を乗せ、巻き簀を使って巻く | 巻き終わりを軽く押さえて止め、形を整える |
伊達巻 | 卵焼き液を流し込み、巻き上げる |
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押し寿司 | 型にネタと酢飯を詰め、上から巻き簀を被せて押す | 形が整った美しい押し寿司ができる |
簀巻き | 魚介類や野菜などを巻き込み、両端をねじって閉じる |
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鬼簾の手入れ方法
鬼簾は、竹という自然の恵みから作られた、日本の夏の風物詩とも言える調理道具です。その独特の風合いと機能性から、そうめんや蕎麦などの涼味を味わう料理に欠かせない存在となっています。しかし、天然素材であるがゆえに、適切なお手入れをしなければ、すぐに傷んでしまい、長く使うことができません。そこで、鬼簾を末永く愛用するための、お手入れ方法を詳しくご紹介します。
まず、使用後は速やかに、流水で丁寧にすすぎ洗いを行いましょう。食品のカスや汚れをそのままにしておくと、雑菌の繁殖やカビの原因になります。特に、そうめんや蕎麦などの麺類は、でんぷん質が多いため、簾の目に詰まりやすく、そのままにしておくと、こびり付いて落としにくくなってしまいます。調理後すぐに水で洗い流すことで、汚れを簡単に落とすことができます。もし、汚れが落ちにくい場合は、中性の食器用洗剤を薄めて使用しましょう。ただし、強いアルカリ性の洗剤や研磨剤入りの洗剤は、竹の繊維を傷めるため、使用は避けましょう。また、たわしなどの硬いものでこすると、簾の表面に傷がつくことがありますので、柔らかいスポンジや布で優しく洗うようにしてください。
洗い終えた鬼簾は、風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させましょう。直射日光に当てると、竹が変色したり、変形したりする原因になります。また、湿気の多い場所に保管すると、カビが発生しやすくなります。乾燥した場所で保管することで、カビの発生を防ぎ、長く清潔な状態を保つことができます。鬼簾を立てかけて乾燥させる場合は、簾が変形しないように、重ならないように注意しましょう。
このように、少しの手間をかけることで、鬼簾を長く使い続けることができます。天然素材の温もりと、使い込むほどに味わいが増す鬼簾を、ぜひ大切にお手入れし、長く愛用してください。
お手入れ手順 | 詳細 | 注意点 |
---|---|---|
すすぎ洗い | 使用後は速やかに、流水で丁寧にすすぎ洗いを行う。麺類のでんぷん質は詰まりやすいので、調理後すぐに洗い流す。 | 食品カスや汚れを残すと雑菌繁殖やカビの原因になる。 |
洗浄 | 汚れが落ちにくい場合は、中性の食器用洗剤を薄めて使用し、柔らかいスポンジや布で優しく洗う。 | 強いアルカリ性や研磨剤入りの洗剤、たわしなどの硬いものは使用不可。竹の繊維を傷める原因となる。 |
乾燥 | 風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させる。立てかけて乾燥させる場合は、重ならないように注意する。 | 直射日光は竹の変色や変形の原因となる。湿気の多い場所はカビが発生しやすいため避ける。 |
鬼簾の種類
調理器具の一つである巻き簾は、海苔巻きや伊達巻き、押し寿司などを作る際に食材を巻いたり、形を整えたりするために使われます。中でも鬼簾は、その名の通り表面に鬼の顔のような節があるのが特徴で、竹ひごの太さや簾の幅など、様々な種類があります。
巻き簾の大きさは、作る料理の種類や量によって選ぶと良いでしょう。例えば、伊達巻きのような比較的小さな料理を作る場合は、20cm程度の短い巻き簾が扱いやすいです。一方、押し寿司のように大きな料理を作る場合は、30cm以上の長い巻き簾の方が便利です。海苔巻きを作る際も、太巻きを作るなら幅の広い巻き簾を、細巻きを作るなら幅の狭い巻き簾を使うのが良いでしょう。巻き簾の幅が広すぎると巻きづらく、狭すぎると具材がはみ出てしまう可能性があります。
巻き簾の素材も重要な要素です。最も一般的なのは竹製で、適度なしなりがあり、食材に美しい筋模様をつけることができます。竹の香りが料理に移ることもあり、風味がより豊かになると感じる人もいます。しかし、竹製はカビが生えやすいため、使用後は丁寧に洗い、しっかりと乾燥させる必要があります。一方、プラスチック製の巻き簾は、お手入れが簡単です。水洗いして拭くだけで清潔に保てるため、衛生面を重視する人に向いています。また、耐久性にも優れているため、長く使い続けることができます。ただし、竹製に比べると食材への筋付けは弱く、巻き心地も固めです。
このように、鬼簾には様々な種類があります。料理の種類や量、お手入れのしやすさ、そして求める仕上がりなどを考慮し、自分に合った巻き簾を選ぶことが、美味しい料理を作る第一歩と言えるでしょう。
項目 | 詳細 |
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用途 | 海苔巻き、伊達巻き、押し寿司などの食材を巻く、形を整える |
種類 | 鬼簾など、竹ひごの太さや簾の幅など様々な種類がある |
大きさ |
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幅 |
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素材 |
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選び方 | 料理の種類や量、お手入れのしやすさ、仕上がりなどを考慮 |
鬼簾の代用品
鬼簾は、料理、特に和食において、食材を巻いたり、水気を切ったり、形を整えたりするために使われる調理器具です。独特の竹の編み目模様が食材に筋模様をつけることから、見た目にも美しい仕上がりになります。しかし、ご家庭によっては鬼簾を持っていない場合もあるでしょう。そんな時でも、代用品を使って鬼簾と似た効果を得ることができます。
巻き簾は、鬼簾と同じく竹で作られています。鬼簾よりも竹ひごの幅が狭いものが一般的ですが、食材を巻いて形を整える用途には十分使えます。ただし、竹ひごの間隔が狭いため、鬼簾のようなはっきりとした筋模様をつけるのは難しいでしょう。また、巻き簾は巻き寿司を作る際にも使われるので、既に持っている方もいらっしゃるかもしれません。もしお持ちであれば、ぜひ代用品として活用してみてください。
家庭にあるラップも鬼簾の代用品として使えます。食材をラップでしっかりと包み、手で形を整えることで、鬼簾のように形を固定することができます。ただし、ラップは滑らかで模様がないため、筋模様はつきません。しかし、手軽に入手でき、様々な大きさに対応できるという利点があります。また、水気を切る用途にも使えます。例えば、豆腐の水切りをしたい場合は、キッチンペーパーで包んだ豆腐をさらにラップで包むと、より早く水気を切ることができます。
その他、蒸し料理に使う蒸し布や、清潔なふきんなども代用品として使えます。蒸し布やふきんを使う場合は、食材を包み、紐などで縛って形を整えます。これらの布は通気性が良いため、蒸したり、水気を切ったりするのにも適しています。
このように、鬼簾がなくても、家にあるもので代用することができます。代用品を使う場合は、鬼簾と同じように美しい仕上がりにならない場合もありますが、工夫次第で美味しく調理することができます。それぞれの代用品の特徴を理解し、料理に合わせて使い分けることが大切です。
代用品 | 用途 | 利点 | 欠点 |
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巻き簾 | 食材を巻いて形を整える | 巻き寿司を作る際にも使えるため、既に持っている方もいる。 | 鬼簾のようなはっきりとした筋模様をつけるのは難しい。 |
ラップ | 食材を包んで形を整える、水気を切る | 手軽に入手でき、様々な大きさに対応できる。 | 筋模様はつかない。 |
蒸し布、清潔なふきん | 食材を包んで形を整える、蒸したり水気を切る | 通気性が良い。 | 鬼簾のような美しい仕上がりにならない場合もある。 |
まとめ
巻き寿司や伊達巻き、押し寿司。これら日本の食卓を彩る美しい料理には、欠かせない道具があります。それが「鬼簾」です。竹やプラスチックの細い棒を糸で編んで作られたこの調理器具は、料理に筋模様をつけたり、形を整えたりするのに役立ちます。
鬼簾を使うことで、見た目にも美しい料理を作ることができます。例えば伊達巻き。卵焼きを焼きながら、鬼簾で巻いていくことで、特徴的な縞模様をつけることができます。この模様は、見た目だけでなく、食感にも変化を与え、口にしたときの楽しさを増してくれます。また、押し寿司を作る際にも、鬼簾は重要な役割を果たします。酢飯と具材を型に詰めて、鬼簾でしっかりと押さえることで、形が崩れることなく美しい押し寿司を作ることができます。
鬼簾は様々な種類があります。素材は竹製が一般的ですが、近年ではプラスチック製のものも増えています。竹製の鬼簾は、自然な風合いが魅力で、使い込むほどに手に馴染みます。一方、プラスチック製の鬼簾は、手入れが簡単で、清潔に保ちやすいという利点があります。大きさも様々なので、作りたい料理に合わせて選ぶことができます。小さな鬼簾は、少量の料理を作る際に便利ですし、大きな鬼簾は、大人数のための料理を作る際に役立ちます。
鬼簾を長く使うためには、適切な手入れが必要です。使用後は、すぐに水で洗い流し、しっかりと乾燥させることが大切です。汚れがひどい場合は、柔らかい布やスポンジを使って丁寧に洗いましょう。また、竹製の鬼簾は、乾燥すると割れやすくなるため、時々、食用油を薄く塗って保湿すると良いでしょう。
鬼簾は、一見地味な道具ですが、日本の食文化を支える大切な存在です。鬼簾を使うことで、いつもの料理がワンランク上の仕上がりになります。是非、鬼簾を使って、本格的な和食作りに挑戦してみてください。
道具 | 役割・効果 | 種類 | 手入れ方法 |
---|---|---|---|
鬼簾 | 料理に筋模様をつける、形を整える、見た目と食感の変化 | 竹製(一般的、自然な風合い、使い込むほどに手に馴染む)、プラスチック製(手入れが簡単、清潔に保ちやすい)、様々な大きさ | 使用後は水洗いと乾燥、汚れがひどい場合は柔らかい布やスポンジで洗う、竹製は乾燥すると割れやすいため食用油を塗って保湿 |