
目に見えない危険!ホルムアルデヒド対策
ホルムアルデヒドとは、無色で刺激臭のある気体です。常温では気体として存在し、水に非常によく溶けます。この水溶液はホルマリンと呼ばれ、消毒や防腐のために広く使われてきました。
私たちの身の回りには、ホルムアルデヒドを含むものがたくさんあります。特に、建築材料や家具、日用品などに多く含まれています。例えば、合板やパーティクルボード、MDFといった木材を加工した建材を作る際の接着剤に含まれています。また、壁を塗る塗料や壁紙、家の保温のための断熱材、窓を覆うカーテンや床に敷くカーペットなどにも含まれていることがあります。
ホルムアルデヒドは、家の中だけでなく、家の外にも存在します。タバコの煙や自動車の排気ガスにも含まれているため、屋外でも吸い込んでしまう可能性があります。家の中の空気が汚染され、健康に悪影響を及ぼす「シックハウス症候群」の原因の一つとしても、ホルムアルデヒドは知られています。
ホルムアルデヒドは人体に様々な影響を与えます。少量でも、鼻や口、目などの粘膜を刺激し、炎症を起こすことがあります。高濃度になると、息苦しさや肺に水が溜まる肺水腫などを引き起こす危険性があります。さらに、国際がん研究機関(IARC)は、ホルムアルデヒドをヒトに対する発がん性物質に分類しています。つまり、がんを引き起こす可能性がある物質です。
そのため、ホルムアルデヒドへの接触をできるだけ少なくすることが大切です。換気をしっかり行い、家具などはホルムアルデヒドの放出量が少ないものを選ぶようにしましょう。また、タバコを吸わない、吸わせない環境を作ることも重要です。