
エビの尾、知られざる魅力
海老の尾、尻尾、しっぽ。様々な呼び名があるこの小さな部分は、食卓ではつい残してしまう人もいるかもしれませんが、実は海老の旨みが凝縮された、隠れた主役級の食材なのです。 海老の身の部分はあっさりとした風味を楽しめますが、尾の部分は殻に守られてぎゅっと旨みが詰まっており、濃厚な味わいが特徴です。
フランス料理では、海老の尾は「クー」と呼ばれ、その価値が広く知られています。 海老料理はもちろん、ソースや出汁、スープなどにクーを使うことで、料理全体に深いコクと風味を加えることができます。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、「クー」こそが海老の旨味の真髄と言えるでしょう。
クーの楽しみ方は様々です。 一つ目は、殻ごと揚げて、香ばしさとともに濃厚な旨みを味わう方法です。殻の香ばしさが海老の旨みを引き立て、お酒のおつまみにも最適です。二つ目は、殻から身を取り出して、様々な料理に活用する方法です。チャーハンやパスタ、アヒージョなどに加えることで、海老の風味を存分に楽しむことができます。また、クーから出汁を取れば、ラーメンや味噌汁、雑炊などのスープに深みとコクをプラスすることができます。
殻をそのまま食べることに抵抗がある方は、クーをじっくりと煮込んで出汁を取るのがおすすめです。 海老の殻には旨み成分が豊富に含まれており、煮込むことでそのエキスが溶け出し、香り高い出汁を作ることができます。この出汁を様々な料理に活用することで、海老の風味を余すことなく楽しむことができます。
一見すると小さな部位ですが、クーには海老の旨みが凝縮されており、様々な料理で活躍できる可能性を秘めています。ぜひ一度、クーの魅力を再発見し、海老料理をより深く楽しんでみてはいかがでしょうか。