
ややこしい魚、アコウの正体
アコウという名前は、関西を中心とした地域で使われる呼び名です。一般的にはキジハタという魚を指します。しかし、地域によっては同じハタ科の他の魚をアコウと呼ぶ場合もあり、魚に詳しくない人は混乱してしまうかもしれません。
キジハタは、スズキの仲間であるハタ科に属する魚です。体の表面には、まるで夜空に散らばる星のように鮮やかなだいだい色の斑点が無数にあります。この見た目が鳥のキジの羽の模様と似ていることから、「キジハタ」という名前が付けられました。
面白いことに、東京の築地市場では、このキジハタを「あずきはた」と呼ぶことがあります。小さなだいだい色の斑点が、小豆を散りばめたように見えるからでしょう。しかし、気をつけなければならないのは、標準和名で「アズキハタ」という全く別の魚が存在することです。キジハタとアズキハタは別の魚なので、混同しないように注意が必要です。
さらにややこしいことに、ホウキハタという魚を「きじはた」と呼ぶ地域もあります。このように、同じ魚でも地域によって様々な呼び名があり、混乱を招く原因となっています。魚を選ぶ際には、見た目や産地をよく確認することが大切です。
いずれにせよ、キジハタ、アズキハタ、ホウキハタなど、ハタ科の魚は、その引き締まった身と上品な味わいが高く評価されており、高級魚として扱われています。もし食卓に上る機会があれば、じっくりと味わって、その美味しさをご堪能ください。旬は夏から秋にかけてで、刺身や煮付け、焼き物など、様々な調理法で楽しむことができます。