饅頭

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ふかふか、包子の魅力を探る

包子は、中国で生まれた、小麦粉を主原料とした蒸し料理です。その歴史は古く、三国時代まで遡るとも言われています。当時、蜀漢の丞相であった諸葛孔明が南蛮征伐の際、蛮族の風習である生贄の習慣を止めさせるために考案したという伝説が残っています。 言い伝えによると、南征の帰り道、孔明の軍は大きな川に阻まれていました。荒れ狂う川の神を鎮めるためには人間の頭を捧げなければ渡れないという言い伝えがあり、部下たちは不安に怯えていました。しかし、人命を犠牲にすることに心を痛めた孔明は、小麦粉で人頭の形を作り、中に肉や野菜を詰めて蒸したものを供物として捧げることを思いつきました。これが包子の始まりとされています。 この饅頭型の供物が川の神を鎮めたのか、無事に川を渡ることができた孔明の軍は凱旋しました。そして、この手軽に作れて栄養価も高い食べ物は、次第に民衆の間にも広まっていきました。当初は人頭の形をしていた包子も、時代と共に現在の丸い形へと変化していきました。 時代と共に、包子は庶民の食べ物として広く親しまれるようになり、地域ごとに様々な種類や味付けが生まれました。例えば、上海では小籠包、広東では叉焼包、北京では肉まんといった具合に、地方独自の進化を遂げています。皮の厚さや具材、味付け、調理法など、実に多様なバリエーションが存在します。 現代では、中国だけでなく、日本や韓国、東南アジアなど、世界中で愛される料理となっています。その手軽さと、豊富なバリエーションが、長く愛され続けている理由と言えるでしょう。肉や野菜など、様々な食材を包み込み、蒸すことで素材の旨味を閉じ込めることができる包子。これからも、世界中の人々の食卓を彩り続けることでしょう。