銀杏

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穀類

秋の恵み、ギンナンの魅力を探る

銀杏は、中国を故郷とする銀杏の木になる実です。銀杏の木は、氷河期という厳しい時代を生き抜いた、まさに生きている化石と呼ぶにふさわしい植物です。数多くの植物が絶滅していく中で、温暖な中国の地で生き続け、その後、朝鮮半島を通り、日本へと伝わってきたと言われています。悠久の時を生き抜いてきた銀杏の歴史に触れると、銀杏を味わうことにも特別な気持ちが湧いてきます。 銀杏の木は、非常に寿命が長く、千年以上生きるものもあると言われています。その力強い生命力は、古代の人々にも畏敬の念を抱かせ、神社仏閣の境内などにもよく植えられてきました。また、銀杏の葉は、扇のような独特の形をしており、秋には美しく黄色く色づきます。この鮮やかな黄葉も、銀杏の木が長い時を経て培ってきた美しさと言えるでしょう。 銀杏の実は、硬い殻に包まれており、その中には翡翠色の実が入っています。この実は独特の風味と食感を持っており、茶碗蒸しやおこわなどの料理に使われます。銀杏独特の香ばしさは食欲をそそり、秋の訪れを感じさせてくれます。しかし、銀杏には毒性があるため、一度にたくさん食べ過ぎないように注意が必要です。特に、小さな子供は食べ過ぎると中毒を起こす可能性があるので、少量にとどめることが大切です。 古くから人々に愛され、食されてきた銀杏。厳しい時代を生き抜いてきたその生命力に触れ、味わう際には、自然の恵みに感謝し、大切に味わいたいものです。現代の私たちも、銀杏を食すことで、古代の人々と時を超えた繋がりを感じることができるのではないでしょうか。銀杏の実は、秋の恵みとしてだけでなく、悠久の歴史を伝える貴重な存在と言えるでしょう。
下ごしらえ

秋の味覚、鬼皮を剥く

秋の味覚を代表する栗は、独特の風味とほくほくとした食感が魅力です。しかし、そのおいしさに至るまでには、鬼皮と呼ばれる硬い外皮を剥くという難関が待ち構えています。名前の通り、鬼の肌のようにごつごつとしたこの鬼皮は、うかつに手で触れると怪我をしてしまうほどです。そこで、栗の下ごしらえに欠かせない道具となるのが包丁です。 栗の鬼皮剥き専用の包丁も販売されていますが、家庭にある普通の包丁でも十分に対応できます。まず、まな板の上に濡らした布巾を敷き、その上に栗を置きます。布巾を敷くことで栗が安定し、作業中に転がるのを防ぎます。栗の底面は平らになっているので、そこを下にして置くとより安定感が増します。次に、包丁の先端を鬼皮に当て、一定の力で包丁を動かしていきます。この時、栗が動かないようにしっかりと押さえながら、指を切らないように細心の注意を払いましょう。包丁の刃は常に自分の方に向けないように意識し、慎重に作業を進めることが大切です。 鬼皮を剥きやすくする工夫として、栗を熱湯に数分間浸しておく方法があります。こうすることで、鬼皮が柔らかくなり、包丁が入りやすくなります。熱湯に浸す時間は、栗の大きさによって調整しましょう。また、栗の表面に浅く切り込みを入れてから熱湯に浸すと、より効果的です。切り込みを入れる際も、手を切らないように注意が必要です。鬼皮を剥いた栗は、渋皮煮や栗ご飯など、様々な料理に活用できます。ひと手間かけて鬼皮を剥くことで、栗本来のおいしさを存分に楽しむことができます。