軍艦巻き

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軍艦巻き:食卓の主役

海苔で美しく包まれた、小山の様な姿が特徴的な軍艦巻き。その名前の由来は、軍艦に似ていることからきています。誕生したのは昭和の初め頃、銀座にある寿司屋「久兵衛」だと言われています。当時、ウニやイクラなど、とろりと滑りやすい食材を海苔で巻くのは至難の業でした。これらの繊細な海の幸を、どうすれば美しく、そして美味しく提供できるのか。そんな職人たちの試行錯誤の末に、この斬新な寿司は生まれました。 それまでの寿司とは全く異なる、斬新な見た目。ご飯を海苔で囲み、その上にネタを乗せるという、画期的なスタイルは、たちまち評判を呼びました。まるで小高い丘の様な、こんもりと盛られたネタは、見た目にも食欲をそそります。ウニの濃厚な甘さ、イクラのプチプチとした食感と海の香りを、海苔の風味が優しく包み込みます。口の中に広がる絶妙なハーモニーは、まさに至福のひとときです。 この革新的な寿司は、瞬く間に人々を虜にし、寿司の世界に新たな風を吹き込みました。それまで主流だった、握り寿司とは一線を画すその姿は、多くの寿司職人に影響を与え、様々な創作寿司を生み出すきっかけとなりました。今では回転寿司でも定番メニューとして親しまれ、子供から大人まで幅広い世代に愛されています。誕生から時を経て、今なお進化を続ける軍艦巻きは、まさに寿司の歴史に名を刻む、革新的な一品と言えるでしょう。