血抜き

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下ごしらえ

活け締め:魚の鮮度を保つ技術

魚をより美味しくいただくための技、それが活け締めです。魚は息絶えた後も、体の中では様々な変化が起きており、時間の経過とともに鮮度が落ちていきます。この鮮度の低下を少しでも抑え、美味しさを保つための工夫こそが活け締めなのです。 魚が死ぬと、筋肉は硬直を始めます。これを死後硬直と言いますが、活け締めはこの死後硬直の進行を遅らせる効果があります。硬直が始まると肉は硬くなり、食感が悪くなってしまうため、活け締めによって、より長く美味しく食べられる期間を保つことができるのです。 また、魚には、旨味のもととなる様々なアミノ酸が含まれています。しかし、魚が死ぬと、これらのアミノ酸は徐々に分解されてしまいます。活け締めを行うことで、このアミノ酸の減少を抑え、魚の旨味を保つことができるのです。 さらに、魚は死後、時間の経過とともに、肉の色が変わり、生臭さが増してきます。これは、細菌の繁殖などによる腐敗が原因です。活け締めは、この腐敗の進行も抑制する効果があります。 活け締めは、単に魚を殺す行為ではありません。魚の鮮度と美味しさを最大限に引き出すための、高度な技術なのです。活け締めによって適切に処理された魚は、その本来の風味を保ち、私たちの食卓を豊かにしてくれるのです。
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レバーの下ごしらえ:血抜きのコツ

血抜きとは、主にレバーなどの内臓に含まれる血液を取り除く下準備のことです。新鮮なレバーは見た目はきれいな赤色をしていますが、中には少なからず血液が残っています。この血液は独特の臭みや苦味、えぐ味のもととなるため、下ごしらえをせずにそのまま調理してしまうと、せっかくの料理の風味を損ねてしまうことがあります。 血抜きを行うことで、これらの不快な臭みや苦味、えぐ味を抑え、レバー本来の旨味や甘味をより一層引き出すことができます。レバーを使った様々な料理、例えばレバニラ炒めや焼き鳥、煮込み料理など、どんな料理を作る際にも、この血抜きは美味しさを左右する重要な工程と言えるでしょう。 血抜きの方法はいくつかありますが、流水にさらす方法が一般的です。ボウルにレバーを入れ、流水を静かに流し続けながら、30分ほどかけて血液を洗い流します。途中で水を入れ替えるのも効果的です。また、牛乳や塩水に浸ける方法もよく用いられます。牛乳に浸けることで、さらに臭みが軽減されます。塩水に浸ける場合は、水1リットルに対して大さじ1杯程度の塩を溶かし、20~30分浸けておきましょう。 どの方法を用いる場合でも、レバーの大きさや厚さに合わせて時間を調整することが大切です。小さめに切ったり、薄切りにしたりすることで、血抜きにかかる時間を短縮できます。また、流水にさらす際は、水温が低すぎると血が固まってしまうため、常温の水を使用するようにしましょう。 適切な血抜きを行うことで、レバーの臭みや苦味が抑えられ、より美味しく食べることができます。レバーが苦手な方も、ぜひ一度適切な血抜きを試してみてはいかがでしょうか。