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捨てるなんてもったいない!アバティ活用術

アバティとは、鶏や鴨などの家禽を処理した際に出る、普段はあまり食用とされない部位の総称です。具体的には、頭、足、首、手羽先、砂肝、レバー、ハツ、鶏冠(とさか)などが含まれます。一見すると、馴染みのない見た目で、食欲をそそられない方もいるかもしれません。しかし、世界各地の食文化を探ってみると、これらの部位は貴重な食材として、古くから様々な料理に活用されてきました。 西洋料理、特にフランス料理では、アバティは定番の食材です。鶏ガラや香味野菜と共にじっくりと煮込んで作るフォン・ド・ヴォライユは、アバティの持つ独特の風味とコクが、ソースやスープに深みを与えます。また、パテやテリーヌなどのシャルキュトリにも欠かせない材料であり、アバティを加えることで、複雑な味わいと奥行きが生まれます。 日本では、焼き鳥の砂肝やレバーなどは広く食されていますが、他のアバティはあまり馴染みがありません。しかし、アバティは栄養価の高い部位でもあります。例えばレバーは鉄分やビタミンAが豊富で、砂肝はタンパク質やコラーゲンを含んでいます。鶏冠はコラーゲンが豊富で、美容にも良いとされています。 近年、食品ロス削減の観点からも、アバティに注目が集まっています。捨てるにはもったいない栄養豊富な食材として、様々なレシピが開発されています。例えば、アバティを香味野菜と煮込んで作るスープや、醤油とみりんで甘辛く煮付けたもの、唐揚げなど、家庭でも簡単に調理できます。今まで敬遠していた方も、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。
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鴨肉の魅力を探る

狩猟で捕獲できる野生の鴨は、日本でなんと11種類も認められています。その中でも、食卓を彩る馴染み深い種類としては、真鴨、小鴨、かる鴨、尾長鴨などが挙げられます。 特に真鴨の雄は「青首」あるいは「本鴨」という別名で呼ばれ、市場では他の鴨よりも高値で取引されています。その名の通り、頭部と頸部は金属のような光沢を帯びた深緑色をしており、頸部の付け根には白い輪が1本入っています。この美しい模様こそが青首の証であり、流通の際にはこの特徴がはっきりと分かるよう、頭部と頸部を残したまま販売されるのが一般的です。青首は、その美しい見た目だけでなく、濃厚な風味と肉質の良さでも高く評価されています。 冬の時期にしか味わうことができない野鴨に対し、合鴨は「夏鴨」とも呼ばれ、季節を問わず一年を通して安定して入手できます。飼育管理が容易なため、野鴨よりも流通量が多く、価格も手頃です。そのため、飲食店で提供される鴨料理の多くは、この合鴨が使われています。合鴨は野鴨に比べて脂質が多い傾向があり、野趣あふれる野鴨とは異なる、まろやかでコクのある味わいが楽しめます。 また、鴨の種類によって適した調理法も異なります。例えば、肉質がしっかりとした真鴨は、ローストやソテーなどに向いています。一方で、合鴨は脂質が多いため、照り焼きや鍋物など、様々な料理でその美味しさを堪能できます。このように、様々な種類と特徴を持つ鴨を、それぞれの個性に合わせた調理法で楽しむことで、より深く鴨の魅力を味わうことができるでしょう。