
エンペラ:いかの使いこなし
烏賊を料理する時、鰭を見分ける事は、料理の腕前を上げる大切な一歩です。鰭とは、烏賊の胴体の背中に位置し、先が三角形に尖っている部分です。胴体部分は筒状で柔らかく、口当たりも良いですが、鰭はそれとは違って固く、触ると弾力があります。この歯ごたえこそが、鰭を他の部位とは違う料理方法で楽しむ秘訣です。例えば、胴体部分は刺身や炒め物に合う一方、鰭は焼き物や揚げ物にすると、独特の食感が際立ち、より美味しく食べられます。
鰭は胴体部分と繋がっていますが、簡単に外せます。料理包丁を使って胴体との境目に沿って切り離すか、手で引っ張るだけでも簡単に取れます。新鮮な烏賊であれば、鰭の色は透き通るような白に近い色をしています。時間が経つにつれて色が濁ってくるので、新鮮さを確かめる目安にもなります。新鮮な鰭は、ほんのりと磯の香りがして、食欲をそそります。
鰭の下処理も大切です。鰭には薄い膜が付いていますので、手で優しく剥がすと、より美味しく仕上がります。この膜は少し固いため、口当たりが悪くなってしまうからです。下処理をした鰭は、様々な料理に活用できます。一口大に切って、野菜と一緒に炒めたり、衣を付けて揚げたりするのも良いでしょう。また、細かく刻んでつみれに混ぜたり、さっと湯通しして酢味噌和えにするのもおすすめです。烏賊を丸ごと買う機会があれば、ぜひ鰭にも目を向けて、その持ち味を生かした料理に挑戦してみて下さい。きっと新しい烏賊の魅力を発見できるでしょう。