紫蘇

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調味料

紫蘇酢:爽やかな夏の味方

紫蘇酢とは、青紫蘇の葉を使った風味豊かな合わせ酢のことです。基本となるのは、二杯酢もしくは三杯酢。お酢と醤油、砂糖を合わせた二杯酢、もしくはそこにみりんを加えた三杯酢に、鮮やかな緑色の青紫蘇の葉を漬け込むことで作られます。 最大の特徴は、なんといってもその爽やかな香りです。口に含んだ瞬間に、紫蘇特有の清涼感が広がり、夏の暑さで疲れた体も元気にしてくれます。食欲をそそる香りなので、夏バテ気味の時にもおすすめです。 紫蘇の風味を損なわないよう、加熱せずに使うのが一般的です。生の葉を使うことで、より一層香りが引き立ちます。また、鮮やかな緑色は料理の彩りを豊かにしてくれます。 紫蘇酢は、様々な料理によく合います。こってりとした揚げ物や焼き物には、さっぱりとした後味が口の中をすっきりさせてくれます。また、淡白な豆腐や蒸し物などには、風味と彩りを加えて、より美味しく食べることができます。 家庭でも簡単に作ることができます。青紫蘇の葉と合わせ酢の材料があれば、すぐに作ることができます。保存容器に材料を入れて冷蔵庫で寝かせれば、数日で風味豊かな紫蘇酢が完成します。常備しておけば、色々な料理に活用できるのでとても便利です。例えば、サラダのドレッシングにしたり、酢の物にしたり、焼き魚や冷奴にかけたりと、使い方は様々です。 紫蘇の持つ爽やかな香りと鮮やかな緑色は、料理に彩りと風味を添えてくれるだけでなく、食欲を増進させる効果もあります。ぜひ、ご家庭でも紫蘇酢を作ってみてください。
魚介類

房総の海の幸、さんが焼きの魅力

さんが焼きは、千葉県の房総半島、特に太平洋に面した海岸沿いの地域で古くから伝わる郷土料理です。新鮮なアジやイワシ、トビウオ、サンマなどの青魚を丸ごと使った豪快な料理で、独特の調理法で仕上げるのが特徴です。 まず、魚の頭と内臓を取り除き、三枚におろします。ここで大切なのは、身を細かくすり潰すのではなく、包丁で丁寧に叩いて身をほぐすことです。この叩き加減が、さんが焼き独特のプリプリとした食感を生み出し、美味しさを左右する重要なポイントと言えるでしょう。あまり叩きすぎると滑らかになりすぎて食感が損なわれ、逆に叩きが足りないと骨が残り食べにくくなってしまいます。 ほぐした身に、味噌、ネギ、ショウガなどの香味野菜、醤油、砂糖などを加えてよく混ぜ合わせます。この味噌や香味野菜の配合が、各家庭や地域によって異なり、それぞれの味が楽しめます。中には、日本酒やみりんを加えて風味を豊かにしたり、唐辛子でピリッとした辛さを加える家庭もあるようです。 混ぜ合わせたタネを、熱い油で焼いたり、フライパンで焼いたり、グリルで焼いたりと、調理法も様々です。こんがりとした焼き色が付き、香ばしい香りが漂ってきたら出来上がりです。青魚の新鮮な風味と、味噌や香味野菜の香りが絶妙に合わさり、ご飯が進む一品です。また、お酒との相性も抜群です。 漁師町で生まれた料理だけあって、素材の持ち味を最大限に活かした、素朴ながらも奥深い味わいが魅力です。かつては漁師たちの貴重なタンパク源として、また家庭料理として親しまれてきました。今では、千葉県を代表する郷土料理として、地元の人々はもちろん、観光客にも愛されています。房総半島を訪れた際には、ぜひ味わってみてください。