筒切り

記事数:(1)

切る

魚の筒切り:うま味を閉じ込める技

筒切りとは、魚を輪切りまたは円柱状に切る技法のことです。ちょうど木の幹を輪切りにするように、魚を骨ごと輪切りにするのが特徴です。この切り方は、魚の種類や大きさ、そして料理に合わせて厚みや長さを調整することで、様々な料理に活用できます。 特に、胴体の丸い魚に適した切り方です。ふっくらとした鯛やひらめ、ぶりなどを筒切りにすることで、煮崩れを防ぎ、美しい形を保つことができます。また、骨ごと切ることで、骨の周りのうまみが煮汁に溶け出し、より深い味わいの煮魚に仕上がります。骨付きの身は食べ応えもあり、見た目も豪華な印象を与えます。 魚の大きさによって、切り方も変わってきます。さばや鮭のように、比較的体の大きい魚は、胴体の幅よりも薄く切るのが一般的です。こうすることで、火が通りやすく、食べやすい大きさになります。また、煮魚にした際に味が染み込みやすくなるという利点もあります。一方、いわし、さんま、うなぎ、あなごのような細長い魚は、ある程度の長さを持たせて切るのが良いでしょう。短く切りすぎると、焼いた際に身が縮んで硬くなってしまうことがあります。ある程度の長さを保つことで、ふっくらと焼き上げることができます。 イカも輪切りにしますが、これは筒切りとは区別されます。イカの輪切りは、胴体だけでなく、足の部分も含めて輪切りにするのに対し、魚の筒切りは主に胴体の部分を輪切りにすることを指します。 このように、筒切りは魚の形状や調理法に合わせて変化し、料理の可能性を広げる技法と言えるでしょう。煮魚だけでなく、焼き魚や揚げ物、鍋料理などにも応用できます。色々な魚で筒切りを試してみて、それぞれの魚のうまみと食感を味わってみてください。