稜鱗

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魚介類

食卓の常連:鯵の魅力を探る

「鯵」と聞くと、日本では銀色に輝く魚を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、世界には百四十種類以上もの鯵の仲間がいます。これらはスズキ目アジ科に分類され、見た目や大きさも様々です。この多様な鯵の仲間を見分ける大きな手がかりとなるのが、「ぜんご」と呼ばれる硬いうろこの有無です。「ぜんご」とは、魚体の側面に沿って並ぶ、硬くて少し尖ったうろこのことで、漢字では「楯鱗」や「稜鱗」と書きます。魚の漢字である「魚」へんに「夾」と書く「あじ」の「夾」は、この「ぜんご」を表しています。「ぜんご」があるかないかで、まず大きく二つのグループに分けられます。「ぜんご」を持たないグループには、ぶり、ひらまさ、かんぱちなどが含まれます。 一方、「ぜんご」を持つグループは、さらに体の大きさによって二つに分けられます。一つは、私たちがよく食卓で目にする、全長五十センチメートルより小さい比較的小型のグループです。ここに分類されるのは、ま鯵、むろあじ、めあじなどで、スーパーなどでよく見かける馴染み深い魚たちです。そしてもう一つは、しま鯵のように全長五十センチメートルを超える大型のグループです。しま鯵は、大型の鯵の中でも特に人気が高く、味も良く、市場では高値で取引されています。その需要の高さから、今では年間約二千トンも養殖されているほどです。このように、鯵の仲間は「ぜんご」の有無、そして体の大きさによって、大きく三つのグループに分類することができ、それぞれの種類によって、味や用途も異なってきます。