焼き縮み防止

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下ごしらえ

焼き縮みを防ぐ!すじ切りの効果と方法

すじ切りとは、料理を美味しく仕上げるための大切な下ごしらえです。焼き物にするお肉に、包丁の先を使って浅く切れ目を入れる作業のことを指します。一見すると単純な作業に見えますが、実は奥が深く、適切なすじ切りを行うことで、仕上がりの見た目、味、食感全てが格段に向上します。 すじ切りには、主に三つの目的があります。一つ目は、焼き上がりの形を整えることです。加熱すると、お肉は縮んでしまい、見た目が悪くなることがあります。すじ切りを入れることで、この縮みを抑え、美しい形に焼き上げることができます。特にステーキなどの厚切り肉を焼く場合、この効果は顕著です。二つ目は、火の通りを均一にすることです。厚みのあるお肉は、中心まで火を通そうとすると、表面が焼き過ぎてしまうことがあります。すじ切りを入れることで、熱が均一に伝わり、中心までじっくりと火を通しつつ、表面は香ばしく焼き上げることができます。三つ目は、お肉が縮んで硬くなるのを防ぐことです。お肉に含まれるタンパク質は、加熱されると収縮する性質があります。すじ切りによって、この収縮を緩和し、柔らかくジューシーな食感に仕上げることができます。 すじ切りのやり方は、お肉の部位や繊維の向きによって異なります。繊維に沿って包丁を入れると、お肉がほぐれやすくなり、より柔らかな食感になります。反対に、繊維を断つように格子状に切れ目を入れると、形が崩れにくくなります。鶏肉などの皮のあるお肉は、皮目にだけ格子状に切れ目を入れることで、皮の縮みを抑え、パリッと焼き上げることができます。また、切れ込みの深さも重要です。深すぎると肉汁が流れ出てしまい、パサパサとした食感になってしまうため、包丁の先端を数ミリ程度差し込むように浅く切れ目を入れるのが基本です。 家庭でも、少しの工夫でプロ顔負けのすじ切りができます。お肉の繊維の向きをよく観察し、適切な方向に切れ目を入れてみてください。切れ込みの深さにも注意し、浅く、均一に切れ目を入れるように心がけてください。すじ切りをマスターすれば、いつもの焼き物がワンランク上の味に仕上がります。