水切り

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キッチン設備

二槽式シンク:快適なキッチンへの近道

二槽式シンクとは、その名の通り、二つの水槽が並んだシンクのことです。調理場において、洗い物をする際に使用する流し台に、大小ふたつの水槽が備え付けられています。この二槽式シンクは、作業効率と衛生面の両方を向上させる優れた設計です。 まず、作業効率の向上についてですが、二槽式シンクは、同時進行で様々な作業を行うことを可能にします。例えば、片方の水槽で食器をすすぎ、もう片方の水槽で洗剤を使って洗うといった使い方です。油汚れのひどい鍋やフライパンを洗う際も、油汚れを落としてから洗剤で洗うというように、それぞれの槽を使い分けることで、スムーズに作業を進めることができます。また、野菜や果物を洗う作業と、食器を洗う作業を同時に行うことも可能です。さらに、片方の水槽を浸け置き用として使用すれば、こびり付いた汚れも簡単に落とすことができます。このように、二槽式シンクは、調理時間を短縮し、より効率的に調理場を使うことを可能にします。 次に、衛生面についてですが、すすぎと洗いを別々の水槽で行うことで、洗剤の残留を最小限に抑え、より清潔な食器を実現できます。洗剤が残っていると、食器の臭いや味に影響を与えるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。二槽式シンクは、この問題を解決するのに役立ちます。すすぎ用の水槽でしっかりと洗剤を洗い流すことで、食器を清潔に保つことができます。また、生ものと食器を別々の水槽で洗うことで、交差汚染を防ぐこともできます。これは食中毒予防の観点からも非常に重要です。 このように、二槽式シンクは、作業効率と衛生面の両方を向上させる、調理場にとって大変便利な設備と言えるでしょう。
下ごしらえ

料理をおいしく仕上げる:陸上げの技

陸上げとは、料理において、ゆでたり煮たりした食材を、お湯や煮汁から引き上げる作業のことです。字の通り、海や川から魚介類を陸に引き上げるように、鍋や釜から食材を取り出す工程を指します。ただ単に食材を取り出すだけでなく、同時にうちわやざるを使って風を送ることが重要です。 熱いお湯や煮汁から引き上げた食材は、内部に熱がこもっているため、取り出した後も余熱で火が通り続けてしまいます。これを防ぐために、風を当てて食材の温度を素早く下げ、余熱での加熱を止めるのです。この作業により、野菜ならば鮮やかな緑色を保ち、麺類ならば歯ごたえの良い状態を維持することができます。また、煮崩れを防ぎ、風味を逃がさない効果もあります。 例えば、ほうれん草をゆでる場合を考えてみましょう。ゆで上がったほうれん草をすぐに冷水に取らずに放置すると、くすんだ緑色になり、見た目も味も悪くなってしまいます。しかし、陸上げを適切に行うことで、鮮やかな緑色を保ち、シャキッとした食感に仕上げることができます。そばやうどんなどの麺類の場合も同様で、陸上げによって、のびを防ぎ、つるつるとした喉ごしの良い食感を楽しむことができます。 このように、陸上げは、一見すると簡単な作業ですが、料理の仕上がりを左右する重要な技法です。家庭料理からプロの料理人の世界まで、幅広く活用されており、素材の持ち味を最大限に引き出すために欠かせない工程と言えるでしょう。
下ごしらえ

塩揉みで野菜をおいしく!

野菜の持ち味を最大限に引き出す調理法、塩揉み。 一見単純なこの作業ですが、野菜の余分な水分を取り除き、味を引き締め、食感も良くしてくれる、大変効果的な下ごしらえです。 塩揉みの仕組みは、浸透圧という現象を利用しています。野菜に塩をまぶすと、野菜の細胞の中の水分よりも、細胞の外の塩分濃度が高くなります。すると、水分は濃度の低い方から高い方へと移動しようとします。このため、野菜の中の水分が外に出てくるのです。 こうして水分が抜けることで、いくつかの嬉しい効果が生まれます。まず、野菜の旨味が凝縮されます。水分が減る分、相対的に旨味成分の割合が増えるため、味が濃く感じられます。次に、食感がシャキッとします。水分で満たされていた細胞が縮むことで、歯応えが良くなります。 さらに、水分と一緒に青臭さやえぐみなどの unwanted な成分も一緒に流れ出ていきます。これにより、野菜本来の味が際立ち、より美味しく食べられます。例えば、キュウリやナスなどの夏野菜は、塩揉みすることでえぐみが抑えられ、風味が格段に向上します。 塩揉みした野菜は、水で洗い流したり、軽く絞ったりしてから調理に使います。サラダや和え物にすれば、シャキシャキとした食感が楽しめますし、炒め物にすれば、味がぼやけることなく、しっかりと野菜の風味を感じられます。 塩の量や揉む時間、置く時間は野菜の種類によって調整が必要です。葉物野菜は軽く塩を振って優しく揉む程度で十分ですが、水分量の多いキュウリやナスなどは多めの塩でしっかりと揉み、少し長めに置いておく必要があります。 このように、塩揉みは様々な野菜に応用できる万能な調理法です。少しの手間をかけるだけで、野菜の美味しさを何倍にも引き出せるので、ぜひ毎日の料理に取り入れてみてください。
キッチン設備

広々シンクで快適な調理を

台所の流しは、調理器具や食器を洗うだけでなく、食材を洗ったり切ったりといった様々な作業に欠かせない場所です。そのため、流し台の大きさは、台所での作業効率に大きく影響します。最近では、幅が80センチメートル以上の「ワイド流し台」を備えたシステムキッチンが増えてきており、従来のものよりも広い作業スペースを確保できるようになっています。 まず、ワイド流し台では、中華鍋のような大きな調理器具でも無理なく洗うことができます。従来の狭い流し台では、大きな鍋を洗う際に、水が飛び散ったり、鍋が他の食器に当たってしまったりするなど、不便な場面もありました。ワイド流し台であれば、ゆとりをもって洗うことができるため、水はねの心配も少なく、他の食器を傷つける心配もありません。また、複数の食器を一度に洗うことも可能です。家族の人数が多い家庭や、来客の際など、多くの食器を洗わなければならない時に、一度に多くの食器を洗えるワイド流し台は大変便利です。 さらに、食材の下ごしらえにも、ワイド流し台は大きな力を発揮します。例えば、大きな野菜を洗ったり切ったりする際にも、十分なスペースを確保できるため、まな板を安定して置くことができ、作業がはかどります。また、複数の食材を同時に下ごしらえする場合にも、それぞれの食材に十分なスペースを確保できるため、作業が効率的に進みます。従来の流し台では、作業スペースが狭いため、食材が重なったり、まな板が不安定になったりすることがありましたが、ワイド流し台であれば、このような問題も解消され、スムーズに作業を進めることができます。 このように、ワイド流し台は、調理器具や食器を洗うだけでなく、食材の下ごしらえなど、様々な作業を快適に行うために必要なゆとりある空間を提供してくれます。システムキッチンを選ぶ際には、流し台の大きさにも十分に注意を払い、ゆとりあるワイド流し台を選ぶことで、より快適で効率的な台所を実現できるでしょう。
調理器具

万能選手!キッチンペーパー活用術

調理場で欠かせない物の一つ、調理用紙。 皆様はどのように使われていますか?食材の水分を取る、油汚れを落とすといった使い方をまず思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、調理用紙の使い道はそれだけではありません。今回は、皆様がまだ知らないかもしれない調理用紙の便利な使い方や、種類による違い、そして上手な選び方などをご紹介いたします。毎日の調理をもっと楽にする、万能な助っ人である調理用紙の魅力を再発見してみましょう。 まず、調理用紙の基本的な使い方のお復習いから。揚げ物の油切り、野菜の水切りは定番ですね。肉や魚の臭みを抑えるために、下ごしらえで使うのも良いでしょう。また、電子レンジで食品を加熱する際に、ラップの代わりに調理用紙を使うのもおすすめです。食品の乾燥を防ぎつつ、余分な油や水分を吸収してくれるので、美味しく仕上がります。 次に、応用的な使い方をご紹介しましょう。例えば、冷蔵庫の中に調理用紙を敷くと、こぼれた液体を吸収してくれるので掃除の手間が省けます。また、まな板と食材の間に調理用紙を挟むと、まな板の汚れを防ぐだけでなく、食材の匂い移りも防ぎます。さらに、野菜を保存する際に調理用紙で包むと、鮮度を保つ効果があります。 調理用紙には様々な種類があります。厚手で丈夫なタイプ、薄くて吸水性に優れたタイプ、電子レンジに特化したタイプなど、それぞれ特徴が異なります。用途に合わせて使い分けることで、より効果的に調理用紙を活用できます。厚手のタイプは油切りや落としぶたとして、薄手のタイプは食材の水切りに適しています。電子レンジに特化したタイプは、加熱ムラを抑え、食品をふっくらと仕上げてくれるでしょう。 調理用紙を選ぶ際には、用途や好みに合わせて、厚さ、吸水性、強度などを考慮しましょう。価格も重要な要素ですが、安価な物の中には破れやすい物もありますので、注意が必要です。 このように、調理用紙は様々な場面で活躍する便利な道具です。今回ご紹介した以外にも、工夫次第で様々な使い方ができます。ぜひ、ご自身の調理スタイルに合わせて、調理用紙をもっと活用してみて下さい。
下ごしらえ

余分な水分を取り除く技:エグテ

水気を切る、油を切る。この一見簡単な作業に、フランス語で「エグテ」という奥深い調理用語が当てられています。料理の世界では、このエグテこそが食感や風味を左右する重要な技術とされています。 例えば、揚げ物。衣の表面はカリッと黄金色、中はふっくらとジューシーに仕上げたいものですが、衣に余分な油が残っていると、べちゃっとしてしまい、せっかくの美味しさが半減してしまいます。そこでエグテの出番です。揚げ網やキッチンペーパーを用いて丁寧に油を切ることで、理想的な食感を生み出せるのです。 また、野菜炒めを作る際にも、エグテは欠かせません。野菜、特に葉物野菜は、加熱すると水分が出て、水っぽくなってしまうことがあります。これを防ぐために、下ごべねとして野菜を塩もみし、しっかりと水気を絞っておくことが大切です。こうすることで、シャキッとした歯ごたえを保ちつつ、野菜本来の旨味を凝縮することができます。 ソース作りにおいても、エグテは重要な役割を果たします。例えば、煮詰めて作るソースの場合、水分量を調整することで、とろみ具合や風味の濃さを調節できます。焦げ付かないように注意深く煮詰め、丁度良い濃度に仕上げることで、料理全体の味を引き立てる、奥深い味わいのソースが完成します。 家庭料理からプロの厨房まで、エグテはあらゆる場面で活用される、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。一見単純な作業ですが、丁寧に行うことで、素材本来の味を引き出し、料理の完成度を格段に向上させることができます。毎日の献立に、ぜひエグテの技術を取り入れて、より一層美味しい料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
調理器具

穴杓子:なくてはならない万能選手

穴杓子とは、調理場で欠かせない道具の一つです。お玉杓子と似た形をしていますが、底にたくさんの穴が開いているのが特徴です。この穴が、汁気を切るという大切な役割を担っています。 穴杓子を使う一番の利点は、ゆでた野菜や麺類などを鍋から取り出す際に、余計な汁気を切りながらすくい取ることができる点です。汁気を切ることで、水っぽく仕上がるのを防ぎ、素材本来の味をしっかりと楽しむことができます。例えば、茹で上がった蕎麦や素麺を、熱いお湯から引き上げる際に、穴杓子を使うと、麺についた熱湯が穴から落ちていきます。そのため、麺が伸びてしまうのを防ぎ、歯ごたえの良い仕上がりになります。また、茹でたほうれん草や小松菜などの青菜を、鮮やかな緑色に仕上げるためにも、穴杓子は役立ちます。さっと茹であがった青菜をすぐに冷水に浸けることで、色止めができますが、その際に穴杓子を使うと、お湯を素早く切ることができるので、鮮やかな緑色を保つことができます。 揚げ物にも、穴杓子は力を発揮します。揚げたての天ぷらや唐揚げなどを油から引き上げる際に、穴杓子を使うことで、余分な油を落とすことができます。そのため、油っぽく仕上がるのを防ぎ、カラッと揚がった食感を味わうことができます。 穴杓子には、穴の大きさや数、柄の長さなど、様々な種類があります。例えば、穴の小さなものは、細かい食材や、崩れやすい食材をすくい上げるのに適しています。一方、穴の大きなものは、汁気を素早く切る必要がある際に便利です。また、柄の長いものは、深い鍋で調理する際に役立ちます。このように、用途に合わせて使い分けることで、より効率的に調理を進めることができます。 家庭料理からプロの厨房まで、幅広く使われている、まさに万能な調理道具と言えるでしょう。
下ごしらえ

下ごしらえの達人への道!:したむを極める

料理の世界には、素材本来の美味しさを引き出すための様々な技があります。その中で、「したむ」と呼ばれる作業は、一見地味ながらも、料理の仕上がりを大きく左右する重要な工程です。「したみ取る」とも言われるこの技は、食材を優しく押さえることで余分な水分を取り除くことを指します。 例えば、青菜のおひたしを作る際、茹で上がった青菜を冷水にさらした後、手で優しく握って水気を絞るのが「したむ」です。このひと手間を加えることで、青菜のシャキシャキとした食感を保ち、さらに調味料が均一に絡みやすくなる効果があります。また、煮物を美味しく仕上げる上でも「したむ」は欠かせません。大根や里芋などの根菜は、下茹でした後にしっかりと水気を絞ることで、煮汁の味が染み込みやすくなり、味がぼやけるのを防ぎます。 「したむ」は、揚げ物にも活用されます。衣を付ける前に、食材の表面を乾いた布巾で優しく押さえて水分を拭き取ることで、衣が剥がれにくくなり、カラッと揚がるのです。さらに、余分な水分が油に飛び散るのを防ぎ、油はねによる火傷のリスクも軽減されます。 このように、「したむ」は、野菜の食感や煮物の味、揚げ物の仕上がりなど、様々な場面で料理の質を高める効果を発揮します。この一見単純な作業の中に、料理人の経験と技術が凝縮されていると言えるでしょう。適切な力加減とタイミングで「したむ」を行うことで、素材本来の美味しさを最大限に引き出し、料理をより一層美味しく仕上げることができます。家庭料理においても、この「したむ」という技を意識することで、いつもの料理がワンランク上の味に変わるでしょう。