
果実の蒸留酒、オー・ド・ヴィの魅力
「命の水」。この美しい響きを持つ言葉は、フランス語で「オー・ド・ヴィ」と言い、果実や穀物を原料とした蒸留酒のことを指します。お酒の中でもブランデーの一種ですが、ウイスキーやコニャックとはまた違った、独特の魅力を秘めています。
オー・ド・ヴィの最大の特徴は、原料となる果実の種類によって味が大きく変化することです。洋梨を原料としたウィリアムは、みずみずしく甘い香りが広がり、まるで熟した洋梨をそのまま食べているかのような錯覚に陥ります。プラムから作られるミラベルは、プラム特有の甘酸っぱさが凝縮されており、上品な味わいが口の中に広がります。サクランボを使ったキルシュは、華やかで軽やかな香りが特徴で、甘酸っぱい味わいが春の訪れを思わせるかのようです。
このように、それぞれの果実が持つ個性的な香りと味わいが、蒸留によってぎゅっと凝縮されているのです。まるで果実のエッセンスをそのまま味わっているかのような感覚と言えるでしょう。また、オー・ド・ヴィは熟成期間を経ないため、フレッシュでフルーティーな香りが長く続きます。
食後のゆったりとした時間に、この豊かな果実の香りは優雅なひとときを演出してくれます。まるで果樹園を散歩しているかのように、爽やかな香りが鼻をくすぐり、心も体も満たされることでしょう。
様々な果実から作られるオー・ド・ヴィ。それは、まさに果実の宝庫であり、自然の恵みそのものと言えるでしょう。それぞれの果実が持つ個性を、この「命の水」を通してぜひ味わってみてください。きっと新しい発見があるはずです。