
塩揉みで野菜をおいしく!
野菜の持ち味を最大限に引き出す調理法、塩揉み。 一見単純なこの作業ですが、野菜の余分な水分を取り除き、味を引き締め、食感も良くしてくれる、大変効果的な下ごしらえです。
塩揉みの仕組みは、浸透圧という現象を利用しています。野菜に塩をまぶすと、野菜の細胞の中の水分よりも、細胞の外の塩分濃度が高くなります。すると、水分は濃度の低い方から高い方へと移動しようとします。このため、野菜の中の水分が外に出てくるのです。
こうして水分が抜けることで、いくつかの嬉しい効果が生まれます。まず、野菜の旨味が凝縮されます。水分が減る分、相対的に旨味成分の割合が増えるため、味が濃く感じられます。次に、食感がシャキッとします。水分で満たされていた細胞が縮むことで、歯応えが良くなります。
さらに、水分と一緒に青臭さやえぐみなどの unwanted な成分も一緒に流れ出ていきます。これにより、野菜本来の味が際立ち、より美味しく食べられます。例えば、キュウリやナスなどの夏野菜は、塩揉みすることでえぐみが抑えられ、風味が格段に向上します。
塩揉みした野菜は、水で洗い流したり、軽く絞ったりしてから調理に使います。サラダや和え物にすれば、シャキシャキとした食感が楽しめますし、炒め物にすれば、味がぼやけることなく、しっかりと野菜の風味を感じられます。
塩の量や揉む時間、置く時間は野菜の種類によって調整が必要です。葉物野菜は軽く塩を振って優しく揉む程度で十分ですが、水分量の多いキュウリやナスなどは多めの塩でしっかりと揉み、少し長めに置いておく必要があります。
このように、塩揉みは様々な野菜に応用できる万能な調理法です。少しの手間をかけるだけで、野菜の美味しさを何倍にも引き出せるので、ぜひ毎日の料理に取り入れてみてください。