伝統野菜

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夏の恵み、雷干しの魅力

雷干しとは、夏の強い日差しを利用して作られる、昔ながらの保存食です。主な材料は、みずみずしい瓜科の野菜、シロウリです。その青々としたシロウリを、ピーラーを使ってらせん状に長く薄くむいていきます。この長くむかれたシロウリの形が、空に走る雷光や、雷鳴を轟かせる雷神の太鼓を連想させることから、「雷干し」と呼ばれるようになったと言われています。 夏の太陽の熱でじっくりと水分を飛ばすことで、シロウリはしなびて縮み、独特の風味と食感が生まれます。生のシロウリとは全く異なる、凝縮された旨味が特徴です。その昔、冷蔵庫のない時代、夏の暑さの中でも保存できる貴重な食材として、大切に扱われてきました。まさに、先人の知恵と工夫が詰まった、日本の食文化を代表する一品と言えるでしょう。 作り方は、まずよく洗い泥を落としたシロウリを、ピーラーでらせん状にむきます。この時、むく厚さが均一になるように注意すると、乾燥具合にムラが出にくく、仕上がりが美しくなります。長くむいたシロウリは、ざるや簾などに広げ、数日間天日干しにします。乾燥が進むにつれて、シロウリは白く半透明になり、独特の歯ごたえが生まれます。干し加減はお好みで調整できますが、しっかり乾燥させることで、長期保存が可能になります。 乾燥した雷干しは、水で戻して様々な料理に利用できます。和え物、酢の物、炒め物、汁物の具材など、幅広い料理に活用できるのも魅力です。戻した雷干しは、生のシロウリにはない、独特の風味とコリコリとした食感が楽しめます。また、乾燥させたまま保存しておけば、必要な時に必要な分だけ水で戻して使えるので、とても便利です。現代の食卓にも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
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食卓を彩る青菜の魅力

「青菜」と聞いて何を思い浮かべますか?ほうれん草、小松菜、春菊など、緑色の葉物野菜を総称して青菜と呼びますが、実はその種類は非常に豊富です。大きく分けると、漬物に加工されるものと、そのまま調理して食べるものに分類できます。 漬物に加工される青菜の代表格は、小松菜の仲間です。野菜作りにおいては、これらの仲間は「漬け菜」と呼ばれ、結球しないアブラナ科アブラナ属の野菜を指します。具体的には、畑菜(はたけな)、小松菜、水菜、ターサイ、菜種などが挙げられます。これらの青菜は、葉の形や歯ざわり、味にそれぞれ個性があります。 例えば、小松菜はシャキシャキとした歯ごたえが特徴で、おひたしや炒め物にすると美味しくいただけます。また、水菜は柔らかな歯ごたえとみずみずしい味わいが特徴で、サラダや鍋料理にぴったりです。ターサイは、独特の苦みと香りが特徴で、炒め物や漬物に利用されます。 漬け菜以外にも、ほうれん草、春菊、チンゲン菜など、様々な種類の青菜があります。ほうれん草は、栄養価が高く、クセが少ないため、様々な料理に活用できます。おひたしや胡麻和えはもちろん、炒め物やスープの具材としても重宝します。春菊は、独特の香りが特徴で、鍋料理やおひたし、和え物によく用いられます。チンゲン菜は、シャキシャキとした歯ごたえと、ほんのりとした甘みが特徴で、炒め物やスープに最適です。 このように、様々な種類がある青菜は、それぞれ異なる風味や食感、栄養を持っています。旬の青菜を積極的に取り入れることで、私たちの食卓はより豊かで健康的になるでしょう。