伊達巻き

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料理ジャンル

祝い膳を彩る口取りの魅力

口取りとは、お祝い事や儀式といった特別な席で出される料理のことです。華やかな盛り付けが特徴で、お膳に彩りを添えます。小さな器に少しずつ盛られた料理を、箸休めに少しずついただくことができます。 口取りを構成する料理は、きんとん、伊達巻き、かまぼこ、寄せものなど、多種多様です。これらは保存のきく料理であり、日持ちする点も祝いの席にふさわしいとされています。また、紅白や黄色といった鮮やかな色彩の食材が選ばれ、見た目にも華やかさを演出します。特に、甘く味付けされた料理が中心となることが多く、祝いの席に華やぎを添えます。 口取りの名前の由来は、「小口」から来ています。これは、大きな料理を小さく切り分けて、それぞれを少しずつ取って食べることに由来します。切り分けることで、多くの人が平等に同じ料理を味わうことができ、日本の食文化における「分け合う」という精神が反映されています。また、少しずつ多様な料理を楽しむことで、飽きることなく食事を楽しむことができます。 口取りは、見た目だけでなく、味覚、香り、食感も楽しむことができます。それぞれの料理は、素材の味を活かしつつ、丁寧に調理されています。例えば、きんとんは栗の甘みと、さつまいもの優しい味わいが調和した上品な一品です。伊達巻きは、魚のすり身と卵を合わせて焼き上げた、ふっくらとした食感が特徴です。かまぼこは、白身魚を主原料とした、もちもちとした食感が楽しめます。寄せものは、様々な食材を煮合わせて、それぞれの旨味が凝縮された料理です。 このように、口取りは、日本の伝統的な食文化の粋を集めた料理と言えるでしょう。祝いの席に欠かせない存在であり、日本の食文化を象徴する存在として、今後も大切に受け継がれていくことでしょう。
調理器具

鬼簾:和食に欠かせない道具

鬼簾とは、巻き簾の仲間で、料理に筋模様をつけるために使われる調理道具です。普通の巻き簾は細い竹ひごを糸で編んで作りますが、鬼簾の場合は、竹を三角形の棒状に削って糸で編みます。この三角形の竹ひごが、鬼の角のように見えることから「鬼簾」と呼ばれるようになったと言われています。 鬼簾の特徴は、竹ひごが太く、隙間が大きいことです。このため、食材に押し当てると、独特の美しい筋模様がつきます。特に、伊達巻きを作る際には欠かせない道具です。伊達巻きの生地を焼きながら鬼簾で巻くことで、表面にきれいな模様がつき、見た目も豪華になります。また、卵焼きを作る際にも、鬼簾を使うことで、ふっくらと均一な厚さに巻くことができます。 鬼簾の使い方は、巻き簾とほぼ同じです。伊達巻きや卵焼き以外にも、押し寿司を作る際にも使われます。ご飯や具材を海苔の上に広げ、鬼簾を使ってしっかりと巻くことで、形が崩れず、美しい断面に仕上がります。また、簀巻きのように、野菜や魚などを巻いて形を整える時にも役立ちます。 鬼簾は、竹で作られているため、使用後は丁寧に洗って乾燥させることが大切です。水につけっぱなしにすると、カビが生えたり、竹が割れたりする原因になります。また、食材の色や匂いが移りやすいので、使用後はすぐに洗うようにしましょう。適切に手入れすることで、長く愛用することができます。