
Ⅱ型キッチン:空間を活かす効率的なレイアウト
Ⅱ型キッチンは、調理を行う場所を二列に分け、作業動線を効率化したキッチンの形です。流し台と加熱調理器といった主要設備をそれぞれ独立した場所に配置することで、細長い空間でもゆとりある調理場を実現できます。
一般的には、片側の壁面に流し台を設置し、反対側の壁面、もしくは空間の中央付近にコンロやオーブンなどの加熱調理器を設置します。この配置の大きな利点は、調理作業における動線を最小限に抑えられることです。例えば、食材を洗って切るといった下準備は流し台のある側で行い、加熱調理は反対側のコンロで行います。このため、行ったり来たりする無駄な動きが減り、スムーズに調理を進めることができます。
また、二列に作業スペースが分かれていることで、複数人で同時に調理しやすく、作業分担もしやすいというメリットもあります。一方が下ごしらえをし、もう一方が加熱調理を行うといったように、それぞれの場所で集中して作業を進めることができます。さらに、作業スペースが広くなるため、調理器具や食材をゆったりと配置できます。
一方、Ⅱ型キッチンは通路の幅を十分に確保する必要があるという点に注意が必要です。両側から人が作業を行うことを想定し、人が楽にすれ違えるだけのスペースを確保しなければ、窮屈に感じたり、作業の邪魔になったりしてしまいます。一般的には、120センチメートル程度の通路幅が推奨されています。
このように、Ⅱ型キッチンは細長い空間を有効活用できるだけでなく、作業効率にも優れたキッチンです。複数人での調理や、作業スペースを広く取りたいと考えている方に適したキッチンの形と言えるでしょう。