
食材の「木取る」:料理の基礎を学ぶ
「木取る」とは、食材を料理に適した状態に整える作業のことです。木の枝葉を取り除くように、不要な部分を取り去り、形を整えることからこの名がつきました。主に魚や野菜に対して行われ、料理の基本となる大切な作業です。
魚を例に挙げると、「木取る」作業は三枚おろしや五枚おろしといった技術と密接に関係しています。魚を捌く際、まず包丁を使って鱗を取り除き、次に内臓やエラ、血合いなどを取り去ります。骨があれば骨抜きもします。魚の大きさや種類、料理によって下処理の方法も様々です。例えば、刺身を作る場合は皮を引いて美しく切り身を整えますし、煮付けの場合は霜降りをして臭みを取り除くこともあります。このように、不要な部分を丁寧に処理することで、見た目も美しく、味も良くなるのです。
野菜の場合も「木取る」は重要です。野菜の種類によって作業内容は異なりますが、大根や人参などの根菜類であれば、まず土を洗い落とし、皮を剥き、ヘタや根元を切り落とします。葉物野菜であれば、変色した部分や虫食いのある葉を取り除き、根元を切り落とします。トマトやきゅうりなどの果菜類であれば、ヘタを取り除き、必要に応じて種を取り除いたり、皮を剥いたりします。これらの下準備を丁寧に行うことで、野菜本来の味を引き出し、食感も良く、見た目も美しく仕上がります。
「木取る」は単に食材を切るだけでなく、食材の持ち味を最大限に活かすための大切な下準備です。丁寧に「木取る」ことで、料理全体の味が格段に向上します。素材と向き合い、丁寧に「木取る」ことで、料理の腕も上がっていくでしょう。