レモン

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果実類

爽やかレモネードの魅力

暑い夏の日に、キンキンに冷えた飲み物として私たちの喉を潤してくれるレモネード。太陽の光を浴びて輝く氷と、鮮やかな黄色の液体、そして一口飲めば口いっぱいに広がるレモンの爽やかな酸味は、夏の暑さを忘れさせてくれるかのようです。 この誰もが知る飲み物、レモネードの歴史は実は古く、古代エジプト時代にまで遡ると言われています。当時の人々は、現代のように気軽に砂糖や氷を手に入れることはできませんでした。しかし、彼らはレモンの持つ健康効果に注目し、飲み物や薬として利用していたのです。はちみつやナツメヤシの実といった自然の甘味料で味を調え、井戸水で冷やしたレモネードは、どんな味がしたのでしょうか。想像するだけで、遠い昔の暮らしに思いを馳せ、どこかロマンチックな気持ちになります。 中世ヨーロッパでは、レモネードは商人たちによって広く伝えられました。十字軍の遠征や交易路の開拓などを通して、レモンを始めとする柑橘類がヨーロッパに持ち込まれ、人々はレモネードの爽やかな味に魅了されました。砂糖の普及も、レモネードの味わいをさらに豊かにすることに貢献しました。 そして時代は下り、大航海時代。船乗りたちは壊血病予防のためにビタミンCを多く含むレモンを船に積み込み、長い航海の途中でレモネードを作って飲んでいました。大海原を航海する船の上で飲むレモネードは、船乗りたちの疲れを癒し、活力源となったことでしょう。 このように、レモネードは長い歴史の中で、人々の工夫と知恵によって様々な形で愛され、世界中に広まりました。現代の私たちが手軽にその爽やかな味を楽しめるのは、先人たちの知恵と努力の賜物と言えるでしょう。色々な作り方で、自分好みのレモネードを作ってみるのも楽しいかもしれません。
切る

櫛形切り:料理の彩りを添える万能技

櫛形切りは、まるい食材を扇形に切る技法です。レモンやオレンジ、ゆで卵などに用いられ、切った形が髪をとく櫛に似ていることから、この名前がつきました。一見むずかしそうですが、いくつかの点に気をつければ、だれでもきれいに切ることができます。 まず、食材を安定させることが大切です。まるい食材は切りにくいので、切り口を平らにすることで、ぐらつきを防ぎます。たとえば、レモンであれば、両端を切り落として平らな面をつくります。このひと手間で、作業がしやすくなり、安全面も向上します。 次に、食材を縦半分に切ります。平らな面を下にして置き、中心からまっすぐ包丁を入れて、同じ大きさの二つに分けます。このとき、断面が平らになるように注意します。 そして、切った半分を断面を下にしてまな板に置きます。中心から外側に向かって、放射状に包丁を入れていきます。包丁を持つ手は食材に添え、刃先を滑らかに動かしながら、等間隔に切っていきます。厚さは均一にすることが美しく仕上げるこつです。あまり薄すぎると、盛り付けるときに形がくずれてしまうので、3ミリメートルから5ミリメートル程度の厚さがおすすめです。 食材の大きさや種類によって、切り方を変えることもできます。たとえば、小さい食材の場合は、四等分してから櫛形に切ると切りやすいでしょう。また、火を通した食材は、生の食材に比べてやわらかいので、包丁の角度を浅くして、ゆっくりと切るときれいに仕上がります。 何度か練習すれば、コツがつかめて、見た目にも美しい櫛形切りができるようになります。料理の彩りを豊かにするだけでなく、香りを引き立たせる効果もあるので、ぜひマスターしてみてください。