
万能な調理油、ラードの魅力を探る
ラードとは、豚の脂肪を溶かし出して精製した動物性の油のことです。豚の背中部分の脂や内臓の周りの脂など、様々な部位の脂肪が使われます。脂肪を熱して溶かし出すことで、純度の高いラードを作ることができます。ラードの色は、精製の方法によって異なりますが、一般的には白っぽい色をしています。常温では柔らかい固体ですが、冷蔵庫に入れると固くなり、温めると液体になります。ラードは独特の香りがしますが、精製方法によっては香りが少ないものもあります。
昔から、ラードは牛の乳から作る油や植物から採れる油よりも値段が安く、手に入りやすかったため、世界中で様々な料理に使われてきました。近年は健康への意識が高まり、植物油を使う人が増えましたが、ラード独特の風味や料理に適した性質から、今でも多くの人に愛用されています。特に、中華料理や東南アジアの料理、そして古くから伝わる西洋料理には欠かせない材料です。
ラードは熱に強く、空気に触れても品質が変わりにくいという特徴があります。そのため、揚げ物や炒め物に最適です。食材をこんがりと焼き上げ、サクサクとした食感に仕上げることができます。また、ラードを使って作る焼き菓子は、サクサクと軽く仕上がり、独特の風味とコクが加わります。パイやタルト、スコーンなど、様々な焼き菓子に利用できます。ラードを使うことで、家庭でも本格的な味わいの焼き菓子を作ることができます。