
奥深いポタージュの世界
とろりとした滑らかな舌触りで、体を温めてくれるポタージュ。皆さんはポタージュと聞いてどんな料理を思い浮かべるでしょうか。恐らく多くの人が、カボチャやジャガイモ、コーンなどを使った温かいスープを想像するのではないでしょうか。日本では、ポタージュといえば、具材をすり潰したり、裏ごししたりして作られる、濃度のある滑らかなスープのことを指します。しかし、実は「ポタージュ」という言葉はフランス語で「スープ」全般を意味する言葉なのです。
フランスでは、私たちが普段ポタージュと呼んでいる、とろみのあるスープだけでなく、コンソメスープのように澄んだスープも「ポタージュ」と呼ばれています。日本で一般的にポタージュと呼ばれる、野菜などをピューレ状にした濃厚なスープは、フランスでは「スープ・ピュレ」や「クレーム」と呼ばれることが多いようです。例えば、カボチャのポタージュは「スープ・ピュレ・ドゥ・ポティロン」、ジャガイモのポタージュは「スープ・ピュレ・ドゥ・ポム・ド・テール」といった具合です。
このように、同じ「ポタージュ」という言葉でも、国によってその意味や解釈が異なる場合があります。日本でポタージュというと濃厚なスープを思い浮かべますが、フランスではスープ全般を指す言葉であり、日本でポタージュと呼ばれるものは「スープ・ピュレ」や「クレーム」に分類されます。この点を理解しておくと、料理の世界の奥深さをより一層感じることができるでしょう。様々な国の食文化に触れ、言葉の持つ意味合いの違いを知ることで、料理に対する理解がより深まるはずです。また、海外のレシピを参考にする際にも、こうした言葉のニュアンスの違いを意識することはとても大切です。