
泡立ての極意:もったり感を極める
お菓子作りによく使う言葉の一つに「もったり」があります。特に、卵白を泡立てて作るメレンゲや、生クリームを泡立てて作るホイップクリームを作る際によく使われますが、一体どんな状態のことを指すのでしょうか。
まず、「もったり」とは、ただ単に泡がたくさんできている状態ではありません。泡立て器で材料をかき混ぜている際に、生地が重く感じ始め、泡立て器を持ち上げた時に、生地が泡立て器に粘りつくようにくっついてくる状態のことを言います。
たとえば、水のようにサラサラとした状態から泡立て始めると、はじめは泡が細かく軽い状態です。さらに泡立て続けると、次第に泡のきめが細かくなり、全体が白っぽくふんわりしてきます。この状態はまだ「もったり」ではありません。
泡立てを続け、泡立て器を持ち上げた際に、生地がリボン状に流れ落ち、落ちた生地の跡がしばらく表面に残るようになった状態を「もったり」と表現します。まるでとろみのある蜜がゆっくりと流れるように、生地が重たそうに泡立て器から落ちていきます。場合によっては、生地が泡立て器にしっかりとくっついて、なかなか落ちてこないこともあります。
この「もったり」の状態は、お菓子によって最適な状態が異なります。メレンゲの場合、角がピンと立つくらいまで泡立てるのが一般的ですが、シフォンケーキなどでは、泡立てすぎると生地が固くなりすぎてしまうため、「もったり」よりも少し手前の状態が適しています。ホイップクリームの場合も、仕上げたい状態によって「もったり」の度合いを調整する必要があります。
レシピに「もったり」と書いてあったら、実際に泡立て器を持ち上げてみて、生地の様子をよく観察してみましょう。そうすることで、お菓子作りが上達し、より美味しく仕上がります。