フランス料理用語

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切る

エフィレ:食材を美しく、そして使いやすく

エフィレとは、フランス語を語源とする調理用語で、食材を縦方向に細長く切ったり、薄く切ったり、あるいは豆の筋を取り除いたりといった、調理の下準備のことを指します。食材を美しく整えるだけでなく、火の通りを均一にする、食感を良くする、味付けをよく染み込ませるなど、料理の質を高めるための大切な技術です。家庭料理からプロの料理人の厨房まで、幅広く使われています。 具体的には、野菜であれば、人参、じゃがいも、きゅうりなどを細長く切る際にエフィレという言葉を使います。千切りよりもやや太く、拍子木切りよりも細い棒状の形を想像すると分かりやすいでしょう。火の通りが早くなり、見た目も美しくなります。また、葉物野菜を、葉脈に沿って細長く切るのもエフィレと呼ばれます。ほうれん草や小松菜などをこの方法で切ると、食べやすくなり、ドレッシングなどもよく絡みます。 豆に関しては、いんどう豆やスナップえんどうなどの筋を取り除く作業を指します。筋があると口当たりが悪くなるため、取り除くことで食感が格段に向上します。 魚や肉の骨を取り除く作業もエフィレと呼ぶ場合もありますが、これは正確には三枚おろしなどの別の専門用語を使うことが多いです。魚や肉の場合は、骨を取り除くだけでなく、皮や脂身、筋なども取り除き、食べやすい状態にすることが目的となります。 エフィレは、単に食材の形を変えるだけでなく、料理全体の仕上がりを左右する重要な技術です。例えば、肉や魚をエフィレにすることで、表面積が増え、焼き色が均一になり、調味料もよく染み込みます。野菜をエフィレにすることで、加熱時間を短縮でき、栄養素の損失を抑えることができます。また、盛り付けの際に、エフィレされた食材は美しく整えやすく、料理の見栄えを格段に向上させます。このように、エフィレは、料理の見た目、味、食感、そして栄養価までを向上させる、調理の基本と言えるでしょう。
茹でる

熱湯を操る技:ゆがきの魅力

熱湯に食材をさっとくぐらせる「ゆがき」は、素材本来の色や風味を活かす調理法です。野菜や果物、肉、魚介類など、様々な食材に用いることができ、家庭料理から高級料理まで幅広く活躍します。 ゆがきの目的は様々です。例えば、ほうれん草などの青野菜は、ゆがくことで鮮やかな緑色を保つことができます。また、たけのこやごぼうなどの野菜は、アクやえぐみを取り除くためにゆがきます。さらに、肉や魚介類は、表面を固めてうまみを閉じ込めたり、臭みを取り除くためにゆがきます。 ゆがきの際に大切なのは、食材に合わせた適切な時間を見極めることです。ゆがき時間が短すぎると、アクや臭みが残ったり、食感が固すぎたりすることがあります。反対に、ゆがき時間が長すぎると、食材が柔らかくなりすぎたり、栄養分が流れ出てしまったり、色が悪くなってしまうこともあります。それぞれの食材に適したゆがき時間をしっかりと把握することが、美味しい料理を作る秘訣です。沸騰した湯に食材を入れ、再沸騰したらすぐに冷水に取って粗熱を取り、水気を切るのが基本的な流れです。 ゆがきというシンプルな調理法は、他の調理法と組み合わせることで、さらに可能性が広がります。例えば、ゆでた野菜をいため物にしたり、ゆがいた肉を煮物に使ったりすることで、より複雑な味わいを生み出すことができます。また、ゆがいた食材をマリネ液に漬け込むことで、風味をさらに引き立てることも可能です。 ゆがきは、食材の持ち味を最大限に引き出し、様々な料理に応用できる、まさに万能な調理技術と言えるでしょう。家庭でも手軽に実践できるので、ぜひ様々な食材で試してみてください。
下ごしらえ

レモンの魔法!シトロネで料理を華やかに

「シトロネ」とは、フランス語で「レモンをかける」という意味を持つ調理用語です。レモンの果汁を料理にかけるという、一見単純な行為ですが、実は様々な効果を料理にもたらす、魔法のような技法なのです。 まず、シトロネは食材の変色を防ぐ効果があります。例えば、アボカドやリンゴ、バナナなどの果物は、切ると空気に触れて酸化し、茶色く変色してしまいます。しかし、切り口にレモン汁をかければ、この変色を防ぎ、切りたての美しい色合いを保つことができるのです。これは、レモン汁に含まれるビタミンCが酸化を防ぐ働きをしているためです。 次に、シトロネは食材の風味を豊かにする効果も持っています。魚介類にレモン汁をかけると、生臭さを抑え、さっぱりとした風味を加えることができます。魚の持つ独特の香りが苦手な方でも、レモンの爽やかな酸味のおかげで、美味しく食べることができるでしょう。また、肉料理にレモン汁をかければ、肉の脂っぽさを中和し、後味をさっぱりとさせてくれます。 さらに、シトロネは料理の見栄えを良くする効果もあります。サラダや焼き野菜にレモン汁をかければ、彩りが鮮やかになり、食欲をそそる一皿に仕上がります。レモンの黄色が料理に明るさを加え、見た目にも美味しく感じられるでしょう。また、レモンの皮をすりおろして加えれば、さらに風味と香りが増し、料理の完成度を高めることができます。 このように、シトロネは、食材の変色を防ぎ、風味を豊かにし、見た目にも鮮やかさを添える、料理に欠かせないテクニックと言えるでしょう。家庭料理からプロの料理まで、幅広く活用できるため、ぜひ覚えておきたい技法です。少しの工夫で、いつもの料理がぐっと美味しく、美しくなります。ぜひ、日々の料理に取り入れてみてください。