
裏ごしの極意:料理をワンランクアップ
裏ごしとは、食材を滑らかにする調理技法です。専用の道具である裏ごし器を用いて、食材を濾すことで、繊維や皮、種などを取り除き、舌触りの良い状態に仕上げます。この一手間を加えるだけで、料理の味わいは格段に向上します。
裏ごしは様々な料理に活用できます。例えば、野菜スープ。野菜をじっくり煮込んだ後、裏ごし器を通すことで、野菜の旨味はそのままに、なめらかで飲みやすいスープが出来上がります。舌触りが滑らかなポタージュスープや、とろみのあるソース作りにも最適です。また、離乳食作りには欠かせない工程と言えるでしょう。赤ちゃんがまだ固形物をうまく飲み込めない時期には、野菜や魚、豆腐などを裏ごしして、ペースト状にすることで、消化の負担を軽減し、栄養をしっかりと摂れるようにします。
裏ごし器には様々な種類があります。目の粗さが異なり、目の細かいものほど、より滑らかな仕上がりになります。目の粗いものは、果物のピューレなど、ある程度の果肉感を楽しみたい時に使い、目の細かいものは、ポタージュや離乳食など、極めて滑らかに仕上げたい時に最適です。また、木製、金属製、プラスチック製など、材質も様々です。それぞれに特徴があるので、用途に合わせて選ぶことが大切です。
裏ごしする際のポイントとして、食材によっては、あらかじめ加熱しておくと良いでしょう。例えば、じゃがいもやカボチャ、里芋などは、加熱することで柔らかくなり、裏ごししやすくなります。また、裏ごし器の網目に食材が詰まりやすい場合は、木べらやゴムベラで優しく押し付けるようにすると、スムーズに進みます。力を入れすぎると、網目が破損する恐れがあるので注意が必要です。裏ごし器は使用後、丁寧に洗浄し、清潔に保つことも大切です。
少しの手間と工夫で、料理の味わいは格段に豊かになります。裏ごしという技法をぜひ、日々の料理に取り入れてみてください。