ズッキーニ

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料理ジャンル

ラタトゥイユ:夏の野菜の恵み

ラタトゥイユとは、フランス南部のプロヴァンス地方で生まれた、野菜をたっぷり煮込んだ料理です。夏の太陽をいっぱいに浴びて育った旬の野菜を使い、それぞれの持ち味を最大限に引き出した、やさしい味わいが特徴です。 トマトのほどよい酸味となすの豊かなうまみが溶け出した煮汁は、他の野菜たちの甘みも引き立て、食欲をそそります。この名前は、フランス語の「混ぜ合わせる」という意味を持つ「ratatouiller」という言葉から来ていると言われています。その名の通り、様々な野菜を組み合わせてじっくりと煮込むことで、奥深い味わいが生まれます。 ラタトゥイユは、フランスの家庭料理として広く愛されており、それぞれの家庭で代々受け継がれてきた独自の作り方があることも、この料理の魅力です。同じラタトゥイユという名前でも、使う野菜の種類や切り方、味付け、香辛料の使い方などが異なり、それぞれの家庭の味を楽しむことができます。 例えば、トマト、なす、ズッキーニ、たまねぎ、ピーマンといった定番の野菜に加え、セロリやニンニク、きのこなどを加える家庭もあります。また、野菜を大きめに切って煮込むことで、それぞれの野菜の食感を残す作り方や、反対に細かく刻んでじっくりと煮込み、野菜全体をなめらかに仕上げる作り方もあります。味付けも、塩こしょうでシンプルに仕上げる場合もあれば、ハーブや香辛料をたくさん使って風味豊かに仕上げる場合もあります。 このように、ラタトゥイユは家庭の数だけ様々なバリエーションが存在する、奥深い料理と言えるでしょう。シンプルな材料と作り方でありながら、野菜の組み合わせや調理方法によって無限の可能性を秘めているところが、ラタトゥイユが長く愛され続けている理由の一つと言えるでしょう。
野菜類

万能食材クールジェットの魅力

クールジェットとは、ズッキーニのフランス語での呼び名です。日本ではズッキーニという名前が広く使われていますが、フランス料理の作り方などを紹介する本などではクールジェットと書かれていることもあります。 見た目はキュウリによく似ていて、濃い緑色をしています。実はまだ熟していない若い状態のうちに収穫するため、ウリ科の仲間でありながら水分が多く、柔らかい食感が特徴です。ほのかな甘みがありますが、味にクセがないので、色々な料理に使える万能な食材と言えます。 調理方法も選びません。いためる、煮る、揚げる、焼くなど、どんな方法で調理しても美味しく食べられます。例えば、薄切りにして油でいためて塩こしょうでシンプルに味付けしたり、煮物に加えてとろけるような食感を味わったり、輪切りにして衣をつけて揚げてサクッとした食感を楽しんだり、オーブンで焼いて野菜本来の甘みを引き出したりと、様々な調理法で楽しめます。 栄養価が高いのもクールジェットの魅力です。体に大切な栄養素がたくさん含まれています。例えば、肌や血管の健康維持を助けるビタミンC、骨の健康維持に関わるビタミンK、血圧を正常に保つのに役立つカリウムなどが豊富に含まれています。夏バテ防止にも役立つ食材です。 クールジェットは夏野菜として知られていますが、一番美味しい時期(旬)は6月から9月頃です。この時期には、特に水分をたっぷり含んだみずみずしいクールジェットが手に入ります。最近は、一年中いつでもお店で見かけるようになりましたが、旬の時期にはぜひその美味しさを味わっていただきたいと思います。旬のクールジェットは、味も香りも格別です。シンプルな調理法で素材本来の味を楽しむのがおすすめです。