スライドヒンジ

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キッチン設備

キッチンの要、ヒンジの役割

台所で毎日何度も開け閉めする扉。その滑らかな動きを支えているのが、小さな金具である蝶番です。一見目立たない存在ですが、扉の開閉という基本的な役割を担う、台所には欠かせない大切な部品です。蝶番は、二枚の金属片が軸で繋がれた構造をしていて、それぞれを扉と枠に付けることで、扉がスムーズに開閉できるようになっています。この単純な構造の中に、使いやすさ、丈夫さ、見た目など、様々な工夫が詰め込まれているのです。 例えば、最近のシステムキッチンでよく使われているスライド蝶番は、扉の位置を上下左右、前後に細かく調整できるため、設置後の微調整や、時間の経過とともに起こる歪みにも対応できます。取り付けた後に扉の位置がずれても、簡単に調整できるため、常に快適な使い心地を保つことができます。また、扉の開閉角度も調整可能で、大きく開いたり、特定の角度で止めたりすることもできます。 さらに、扉がゆっくりと静かに閉まるように、減速装置が付いた蝶番もあります。これは、バタンと大きな音を立てて閉まることを防ぎ、小さなお子さんのいる家庭でも安全に使えるように配慮されています。扉が閉まる直前で速度を緩めるため、指挟みなどの事故も防ぐことができます。また、夜遅くに台所を使う際にも、音を気にせず扉を閉めることができます。 蝶番の種類は豊富で、扉の開閉方法に合わせて様々なタイプが用意されています。例えば、開き戸用の蝶番だけでなく、折りたたみ戸用の蝶番や、上開き戸用の蝶番などがあります。用途に合わせて適切な蝶番を選ぶことで、より快適で機能的な台所を実現できます。 このように、蝶番は小さくて目立たない部品ですが、台所の快適さを大きく左右する重要な要素です。日々の暮らしの中で何気なく使っている扉の滑らかな動きは、この小さな巨人の働きによって支えられているのです。
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キッチン扉の種類と選び方

調理場には様々な収納がありますが、その扉の種類も大きく分けて二種類あります。開き戸と引き出しです。それぞれに長所と短所があるので、ご自身の暮らし方や調理場の広さ、使い方に合わせて選ぶことが大切です。 開き戸は、扉が手前に開くタイプのものです。食器棚など上部の収納庫だけでなく、床に近い収納庫にも採用されています。床に近い収納庫で開き戸を採用したものを「戸棚式」と呼ぶこともあります。戸棚式収納は、構造が単純なため、製造費用が抑えられ、価格も比較的安価になります。また、扉の内側に棚板を設けることで、背の高い鍋や大きな調理器具なども収納できます。ただし、奥にしまった物を取るためには、手前の物を一度取り出す必要があるなど、少し不便な面もあります。収納庫の前に十分な空間がないと、扉が邪魔になることもあるので、調理場の広さも考慮する必要があります。 一方、引き出しは、レールに沿って前後にスライドさせることで開閉するタイプのものです。奥にしまった物でも簡単に取り出せるのが大きな利点です。調理器具や食器、食材などを整理整頓しやすく、使いたい物をすぐに見つけられます。また、引き出しを全段引き出せるタイプであれば、収納庫の奥行きを最大限に活用できます。ただし、引き出し式収納は、戸棚式収納に比べて構造が複雑なため、価格が高くなる傾向があります。また、重い物を収納すると、引き出しの開閉が重くなることもあるので注意が必要です。 どちらのタイプも一長一短です。収納したい物の種類や量、使用頻度、調理場の広さなどをよく考えて、自分に合ったタイプを選ぶようにしましょう。