
食卓を彩る鰈の魅力
鰈(カレイ)は、海底に暮らす平たい魚で、カレイ科に属します。その仲間は非常に種類が多く、姿形や味も様々です。私たちがよく食卓で目にする鰈には、ツノガレイ、アカガレイ、マツカワ、オヒョウなどがあり、それぞれ異なる属に分類されます。これらの鰈は、冷水から暖水まで幅広い水温に適応しており、北海道から九州までの日本の近海でなんと40種類以上も漁獲されています。
地域によって親しまれている呼び名も異なり、同じ種類でも地域によって別の名前で呼ばれることがあります。反対に、別の種類なのに同じ名前で呼ばれていることもあり、その複雑さは私たちを驚かせます。例えば、ある地域では「アカガレイ」と呼ばれる魚が、別の地域では全く別の種類の鰈を指している、といった具合です。このように、鰈の呼び名は地域によって様々で、魚屋さんや市場で尋ねてみると、その土地ならではの呼び方を教えてもらえるかもしれません。
さらに、ヒラメ科に属する魚の中にも、「アラメガレイ」や「メガレイ」のように、名前に「カレイ」と付くものがいます。ヒラメと鰈はどちらも平たい魚で、一見するとよく似ています。しかし、ヒラメは体の左側に目がついているのに対し、鰈は右側に目がついているという大きな違いがあります。他にも、口の形やひれの形状など、細かい違いで見分けることができます。アラメガレイやメガレイは、名前こそ「カレイ」と付いていますが、実際にはヒラメの仲間なのです。このように、ヒラメと鰈は見た目こそ似ていますが、それぞれ異なる特徴を持つ別の魚です。
このように、鰈の世界は非常に奥深く、多種多様な魚たちがそれぞれの個性を持ち、日本の食卓を豊かに彩っています。スーパーなどで鰈を見かけた際には、その種類や産地、そしてどんな味なのか想像を膨らませてみるのも楽しいでしょう。