カエル

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肉類

フランス料理の珍味、カエルを味わう

フランス料理と聞いて、華やかな食卓に並ぶ高級な食材を思い浮かべる人は多いでしょう。エスカルゴやフォアグラといった食材は、フランス料理の代表格として広く知られています。しかし、フランスの食文化をより深く理解するためには、グルヌイユと呼ばれるカエル料理を知ることも大切です。日本ではあまり馴染みのないカエルですが、フランスでは古くから食用とされており、特にブルゴーニュ地方やフランシュ=コンテ地方では、その土地ならではの料理として親しまれています。 私が初めてフランスを訪れた時のことです。現地の小さなレストランで、おすすめ料理としてグルヌイユを勧められました。見た目は鶏肉のような白い身をしていて、骨もついていました。正直に言うと、少し抵抗を感じましたが、せっかくの機会なので思い切って口にしてみました。すると、その繊細な味わいに驚かされました。鶏肉と魚肉の中間のような、例えようのない独特の風味と食感は、今でも鮮明に覚えています。まるで上質な白身魚のような淡泊さの中に、鶏肉のようなコクが感じられました。初めて食べる食材でしたが、不思議と抵抗感はなく、むしろその美味しさにすっかり魅了されてしまいました。 それ以来、フランスを訪れる度にグルヌイユ料理を探し求めるようになりました。様々な調理法で提供されるグルヌイユは、バターでこんがりと焼かれたものや、ニンニクとパセリで風味付けされたものなど、どれも魅力的です。日本ではカエルを食べる習慣はほとんどありません。そのため、その珍しさからためらう人もいるかもしれません。しかし、フランスの食文化に触れる貴重な機会として、グルヌイユはぜひ一度試してみる価値があると言えるでしょう。もしかしたら、あなたもその意外な美味しさに驚くかもしれません。想像とは違う、新しい食体験が待っているはずです。