オガイ

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魚介類

高級食材、鮑を味わう

海に棲む貝類、鮑。平たい殻の姿から二枚貝の仲間だと勘違いされることもありますが、実は巻き貝の仲間です。耳に似た殻の形から「海の耳」という意味を持つ「ミミガイ」という別名でも呼ばれています。世界にはおよそ百種類もの鮑が生息していますが、日本で一般的に食べられているのは、クロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、マダカアワビの四種類です。クロアワビとエゾアワビはアオガイ、メガイアワビとマダカアワビはアカガイと呼ばれ、見た目や味の特徴から区別されています。 アオガイと呼ばれるクロアワビとエゾアワビは、黒っぽい殻の色と、緑がかった身の色の組み合わせが特徴です。磯の香りと共に、コリコリとした歯ごたえの強い食感が楽しめます。生命力が強く、身が引き締まっているため、刺身や水貝などの生食で味わうのがおすすめです。新鮮なアオガイを薄く切り、わさび醤油や柑橘果汁でいただくことで、磯の風味と身の甘みを存分に堪能できます。 一方、アカガイと呼ばれるメガイアワビとマダカアワビは、赤みがかった殻の色と、淡いピンク色の身をしています。アオガイに比べると柔らかな食感で、加熱することで旨味が増すため、蒸し物や煮物、ステーキなどに向いています。酒蒸しやバター焼きにすれば、磯の香りと共に、ふっくらとした食感と濃厚な旨味を味わうことができます。 また、鮑によく似た貝にトコブシがありますが、これは殻に穴の数が多く、鮑とは別の種類に分類されます。鮑と比べると小型で、価格も手頃なため、手軽に味わえる貝として人気です。このように、鮑は種類によって見た目や味、調理方法も様々です。それぞれの鮑の特徴を知り、最適な調理法で味わうことで、より一層その美味しさを楽しむことができるでしょう。