
エスカルゴ:フランス料理の奥深さ
エスカルゴとは、フランス料理でよく使われる食用カタツムリのことで、主にブルゴーニュ種という種類が食べられています。日本ではあまり馴染みがありませんが、フランスでは高級食材として珍重されており、その独特の風味と食感が多くの人を魅了しています。
雨の時期に紫陽花の葉の上で見かけるカタツムリとは異なり、食用カタツムリは殻の大きさが3センチメートルから4センチメートルほどあります。これらは野生のカタツムリではなく、専用の養殖場で大切に育てられたものが流通しています。生の状態では食べられないため、加熱調理が必須です。
エスカルゴの調理法で最も一般的なのは、殻から取り出した身を丁寧に下処理し、パセリとニンニクを練り込んだバターソースで焼き上げる方法です。下処理では、カタツムリ特有のぬめりを丁寧に取り除き、臭み消しのための作業を行います。この一手間が、エスカルゴを美味しくいただくための秘訣です。焼きあがったエスカルゴは、香ばしいバターとニンニクの香りが食欲をそそり、独特の風味とコクのある味わいが口いっぱいに広がります。バターソースとの相性は抜群で、一度食べたら忘れられない美味しさです。
フランスでは、エスカルゴ専用の道具を使って殻から身を取り出して食べます。専用のやっとこで殻を固定し、二股に分かれたフォークで身を突き刺して取り出します。この所作もエスカルゴを楽しむ醍醐味の一つです。日本では、すでに殻から取り出され、調理済みの状態で提供されることも多く、手軽にエスカルゴを味わうことができます。レストランだけでなく、冷凍食品としても販売されているため、家庭でも気軽にフランスの食文化に触れることができます。