
インバーターで快適なキッチンを実現
電気を無駄なく使うための技術の一つに、電圧や周波数を調整する装置があります。この装置は回転する機械や蛍光灯の明るさを細かく調整する働きがあり、電気の量を必要に応じて変えることができます。このような技術は「インバーター」と呼ばれ、従来の方法に比べて省エネルギー効果を高めることができます。
例えば、冷蔵庫を考えてみましょう。従来の冷蔵庫では、庫内の温度が設定温度より高くなると、常に一定の力でモーターを回転させて冷やし、設定温度に達するとモーターを停止させていました。この方法では、モーターを動かすたびに多くの電気が使われてしまい、無駄が生じていました。しかし、インバーター式の冷蔵庫では、庫内の温度変化に合わせてモーターの回転速度を細かく調整することができます。設定温度に近い状態ではゆっくりと回転させ、設定温度から大きく離れている場合は速く回転させることで、常に一定の温度を保ちながら消費電力を抑えることができます。
エアコンにも同じような技術が使われています。従来のエアコンは、設定温度に達するまで全力で冷暖房を行い、設定温度に達すると運転を停止していました。この方法では、部屋の温度が設定温度付近で大きく変動し、快適性に欠けるだけでなく、電力の無駄遣いにもつながっていました。しかし、インバーター式のエアコンでは、室温に応じて風量や冷暖房の強さを細かく調整することができます。設定温度に近づくと風量を弱めたり、冷暖房の強さを抑えたりすることで、快適な温度を保ちながらエネルギーの無駄遣いを防ぐことができます。
このように、インバーターは冷蔵庫やエアコンだけでなく、様々な家電製品に使われています。洗濯機では洗濯物の量に合わせて水の量や回転数を調整し、炊飯器では米の種類や量に合わせて加熱方法を調整することで、省エネルギーを実現しています。インバーターは私たちの生活の中で様々な場面で活躍し、省エネルギーに大きく貢献していると言えるでしょう。