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調理器具

万能鍋、行平鍋を使いこなそう!

行平鍋とは、日本の台所で長年親しまれてきた、使い勝手の良い調理道具です。その歴史は古く、江戸時代から使われていたという記録も残っています。名前の由来は諸説ありますが、一説には、関西地方で「行平」と呼ばれていた行商人が使っていたことから、その名がついたと言われています。 行平鍋の最大の特徴は、ハンマーで叩いて成形する打ち出し加工によって生まれる、独特の凹凸模様です。この模様は単に見た目の特徴であるだけでなく、強度を高める効果もあります。また、表面積を広げることで熱伝導率を向上させ、食材に熱が均一に伝わるため、美味しく仕上がります。さらに、この凹凸のおかげで食材が鍋底にこびりつきにくくなるという利点もあります。 行平鍋のもう一つの特徴は、鍋の縁に一つ、あるいは両側に付いている注ぎ口です。この注ぎ口は、汁物や煮物を器に移す際に、液だれを防ぎ、スムーズに注げるように工夫されています。汁切れが良いため、料理を美しく盛り付けることができます。 行平鍋の素材は、主に金属が使われています。家庭でよく使われているのは、軽くて扱いやすいアルミ製です。熱伝導率が良いので、短時間で調理することができます。プロの料理人が使うような銅製の行平鍋は、熱伝導率がさらに高く、繊細な火加減の調整が求められる料理にも最適です。近年では、ステンレス製の行平鍋も人気を集めています。耐久性に優れ、錆びにくいのが特徴です。 多くの行平鍋の持ち手は木製です。木は熱が伝わりにくい素材なので、調理中に持ち手が熱くなりすぎるのを防ぎ、安全に調理することができます。 行平鍋は、煮物、汁物、揚げ物など、様々な料理に使える万能鍋です。味噌汁や煮魚などの和食はもちろん、カレーやシチューなどの洋食にも使うことができます。一つ台所に置いておけば、料理のレパートリーが広がること間違いなしです。