よび塩

記事数:(2)

下ごしらえ

塩抜きの極意:素材の味を引き出す調理の基本

塩抜きとは、塩辛すぎる食材から余分な塩分を取り除く大切な調理方法です。塩漬けにした魚や肉、梅干し、漬物など、保存するために濃い塩水に漬けて作られた食べ物は、そのままでは塩辛すぎて食べにくいことがあります。そこで、塩抜きという作業が必要になります。 塩抜きをする大きな目的は、食材の塩加減をちょうどよく整え、美味しく食べられるようにすることです。濃い塩味に隠れていた、食材本来のうま味や甘味、香りなどを引き出すことができます。例えば、塩鮭を塩抜きすることで、ご飯によく合う、ほどよい塩加減の焼き魚になります。梅干しを塩抜きすれば、まろやかな酸味が際立ち、ご飯のお供だけでなく、和え物など色々な料理に使いやすくなります。 健康面でも塩抜きは重要です。塩分の摂りすぎは、高血圧やむくみなどの原因となることがあります。塩抜きをすることで、これらの健康への悪影響を抑えることができます。特に、健康に気を遣う方や、小さなお子さん、高齢の方には、塩抜きの作業は欠かせません。 塩抜きの方法は、食材の種類や塩分の濃さによって異なります。流水にさらしたり、水に浸けたり、お湯を使ったりと様々な方法があります。それぞれの食材に合った適切な方法を選ぶことで、効率よく塩分を取り除き、美味しい料理を作ることができます。例えば、塩鮭は流水にさらすことで、短時間で余分な塩分を取り除くことができます。一方、梅干しは、水に長時間漬けることで、ゆっくりと塩抜きするのが一般的です。 適切な塩抜きは、料理の味を左右するだけでなく、健康にも配慮した調理方法と言えるでしょう。少しの手間をかけることで、より美味しく、健康的な食事を楽しむことができます。
下ごしらえ

よび塩の役割と使い方

昔から伝わる調理方法である「よび塩」は、塩漬けにした魚や野菜などの食べものから、濃い塩味をほどよく抜くための技です。塩鮭や塩だら、梅干しなどは、長持ちさせるためにたくさんの塩が使われています。そのままでは塩辛くて食べられないため、塩抜きが必要です。そこで「よび塩」が登場します。薄い塩水に食べものを浸けることで、ゆっくりと時間をかけて、食べものの中にある濃い塩を、薄い塩水が引き出すように、余分な塩分を取り除きます。濃い塩分に囲まれた食べものから、薄い塩水がまるで塩分を「呼び寄せる」ように働くことから、「よび塩」という名前がつきました。「迎え塩」と呼ばれることもあります。 真水に浸けるよりも「よび塩」を使う方が、食べものへの負担が少なく、うま味を逃さずに塩抜きができます。例えば、塩鮭を真水に浸けると、急激に水分が入り込み身が崩れやすくなります。また、せっかくのうま味も水に流れ出てしまいます。「よび塩」では、薄い塩水を使うことで、浸透圧の差を小さくし、ゆっくりと塩分を抜くため、身が崩れたり、うま味が流れ出たりするのを防ぎます。 どのくらいの濃さの塩水を使うかは、食材の種類や塩漬けの期間、大きさなどによって調整が必要です。一般的には、1~5%程度の塩水が用いられます。塩抜きの時間も食材によって異なり、短いもので30分ほど、長いものでは一晩ほどかけることもあります。塩抜きが完了したら、流水で塩水を洗い流し、調理に用います。 このように、「よび塩」は、素材の持ち味を最大限に引き出すための、先人の知恵が詰まった調理技法と言えるでしょう。日本の食文化を支える大切な技として、これからも受け継がれていくことでしょう。