
上新粉:和菓子作りに欠かせない万能選手
上新粉とは、うるち米を原料とした、きめ細かい白い粉のことです。もち米から作られる白玉粉とは原料が異なり、見た目や用途も違います。うるち米を精米して、丁寧に洗い、水に浸して十分に吸水させた後、細かく砕いて乾燥させることで作られます。精米したうるち米をそのまま粉にしたものとは異なり、水洗いと吸水という工程を加えることで、独特の滑らかさと粘りが生まれます。この特徴が、和菓子作りにおいて上新粉を特別な存在にしています。
白玉粉のような強い粘りや伸びはありませんが、あっさりとした口当たりと独特の歯切れの良さが魅力です。もち米由来の白玉粉は強い粘りと伸びがあり、柔らかく滑らかな食感が特徴ですが、上新粉はそれと比べると粘りは控えめで、さらりとした舌触りです。噛むとほろりと崩れるような、独特の歯切れの良さが楽しめます。
この特性を生かして、柏餅、草餅、ういろう、すあま、だんごなど、様々な和菓子に用いられています。白玉粉を使うと粘りが強すぎる場合や、よりあっさりとした風味を求める場合に、上新粉が選ばれます。また、白玉粉よりも扱いやすく、初心者でも手軽に和菓子作りに挑戦できる点もメリットです。
さらに、上新粉は和菓子だけでなく、料理にも活用できます。例えば、揚げ物の衣に混ぜると、カラッと軽く揚がり、独特の食感が生まれます。また、汁物にとろみをつけたり、餅を作ったりするのにも使えます。このように、上新粉は様々な場面で活躍する、万能な食材と言えるでしょう。