たて塩

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下ごしらえ

たて塩:料理の基本と活用法

たて塩とは、海水とほぼ同じ、約3%の濃度の食塩水のことです。料理の様々な場面で活躍する、まるで縁の下の力持ちのような存在です。特に、魚や野菜などの下準備に用いられることが多く、素材本来の美味しさを最大限に引き出す重要な役割を担っています。 薄い身の魚に直接塩を振ると、どうしても塩味が均一にならず、場所によって味が濃くなってしまうことがあります。たて塩を使うことで、魚全体にむらなく塩味が行き渡り、繊細な風味を保つことができるのです。例えば、身が薄くデリケートな鯛やヒラメなどの刺身を作る際に、たて塩に短時間浸けることで、余分な水分を取り除き、身の締まりを良くする効果も期待できます。こうすることで、魚の旨味が凝縮され、より一層美味しく味わうことができます。 また、野菜の下準備にもたて塩は役立ちます。きゅうりの酢の物を作る際、薄切りにしたきゅうりをたて塩に浸けておくことで、しんなりとさせ、余分な水分を抜くことができます。これにより、味が染み込みやすくなり、食感も良くなります。さらに、塩もみした野菜を水で洗い流すことで、野菜のアクや苦味を取り除き、素材本来の甘味や風味を際立たせる効果も期待できます。他にも、ほうれん草などの青菜を茹でる前にたて塩に浸けておくと、鮮やかな緑色を保つことができます。 このように、たて塩は素材の風味を損なうことなく、旨味を引き出すための万能な調味料と言えるでしょう。家庭料理で手軽に使えるだけでなく、プロの料理人にも愛用されていることからも、その効果のほどが伺えます。ぜひ、色々な料理で試してみて、たて塩の万能さを実感してみてください。