すね肉

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肉類

骨髄の旨味!オッソブーコを味わう

オッソブーコとは、イタリアを代表する煮込み料理の一つで、子牛のすね肉を厚切りにして、骨髄と共にじっくりと煮込んだものです。その名前はイタリア語で、「オッソ」が骨、「ブーコ」が穴を意味し、骨の断面に髄がある様子から名付けられました。 この料理の主役は、子牛のすね肉です。すね肉は、運動量が多く筋繊維が発達しているため、しっかりとした歯ごたえがあります。しかし、長時間煮込むことで、固い筋繊維が柔らかくなり、ゼラチン質が溶け出して、とろけるような食感と豊かな風味を生み出します。骨髄もまた、オッソブーコの魅力の一つです。骨の髄は、濃厚なうま味とクリーミーな舌触りを持ち、煮込まれた肉と共に味わうことで、より一層深いコクと満足感を与えてくれます。 オッソブーコは、香味野菜と白ワインと共に煮込むのが基本です。香味野菜は、玉ねぎ、にんじん、セロリなどが使われ、これらの野菜が肉のうま味を引き出し、奥行きのある味わいを作り上げます。白ワインは、肉の臭みを消し、風味を豊かにするだけでなく、煮込み料理全体に上品な香りを添えます。トマトを加えて煮込む場合もあり、トマトの酸味と甘みが加わることで、より複雑で奥深い味わいになります。 伝統的な付け合わせとしては、ミラノ風リゾットであるリゾット・アッラ・ミラネーゼがよく合います。サフランで黄色く色付けられたリゾットは、オッソブーコの煮汁と共に味わうことで、互いのうま味が引き立ち、絶妙なハーモニーを生み出します。また、マッシュポテトや polenta と呼ばれるとうもろこし粉の粥も、オッソブーコとの相性が良く、付け合わせとして人気があります。 オッソブーコは、イタリアの家庭で古くから親しまれている伝統料理であり、特別な日にも振る舞われます。じっくりと時間をかけて煮込むことで生まれる、深い味わいととろけるような食感は、まさに家庭料理の温かさを感じさせます。また、見た目も華やかで、おもてなし料理としても最適です。