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調理器具

穴杓子:なくてはならない万能選手

穴杓子とは、調理場で欠かせない道具の一つです。お玉杓子と似た形をしていますが、底にたくさんの穴が開いているのが特徴です。この穴が、汁気を切るという大切な役割を担っています。 穴杓子を使う一番の利点は、ゆでた野菜や麺類などを鍋から取り出す際に、余計な汁気を切りながらすくい取ることができる点です。汁気を切ることで、水っぽく仕上がるのを防ぎ、素材本来の味をしっかりと楽しむことができます。例えば、茹で上がった蕎麦や素麺を、熱いお湯から引き上げる際に、穴杓子を使うと、麺についた熱湯が穴から落ちていきます。そのため、麺が伸びてしまうのを防ぎ、歯ごたえの良い仕上がりになります。また、茹でたほうれん草や小松菜などの青菜を、鮮やかな緑色に仕上げるためにも、穴杓子は役立ちます。さっと茹であがった青菜をすぐに冷水に浸けることで、色止めができますが、その際に穴杓子を使うと、お湯を素早く切ることができるので、鮮やかな緑色を保つことができます。 揚げ物にも、穴杓子は力を発揮します。揚げたての天ぷらや唐揚げなどを油から引き上げる際に、穴杓子を使うことで、余分な油を落とすことができます。そのため、油っぽく仕上がるのを防ぎ、カラッと揚がった食感を味わうことができます。 穴杓子には、穴の大きさや数、柄の長さなど、様々な種類があります。例えば、穴の小さなものは、細かい食材や、崩れやすい食材をすくい上げるのに適しています。一方、穴の大きなものは、汁気を素早く切る必要がある際に便利です。また、柄の長いものは、深い鍋で調理する際に役立ちます。このように、用途に合わせて使い分けることで、より効率的に調理を進めることができます。 家庭料理からプロの厨房まで、幅広く使われている、まさに万能な調理道具と言えるでしょう。