しょっつる

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料理ジャンル

秋田の滋味、しょっつる鍋の魅力

しょっつる鍋は、秋田県の郷土料理を代表する鍋料理の一つです。秋田の冬の食卓には欠かせない料理で、その独特の風味は多くの人々を魅了しています。「しょっつる」とは、ハタハタなどの魚を塩漬けにして発酵させた魚醤のことです。魚から滲み出た旨味が凝縮されたしょっつるは、独特の香りと深い味わいを持ち、秋田の食文化を支える大切な調味料となっています。このしょっつるをベースにしただし汁で、様々な具材を煮込むのがしょっつる鍋です。 鍋の具材として代表的なものは、やはりハタハタです。しょっつるを作る際にも使われるハタハタは、しょっつるとの相性が抜群です。その他にも、鱈や鮭などの魚介類、鶏肉、豆腐、ネギ、セリ、白菜、きのこ類など、様々な食材が使われます。そして忘れてはならないのが、秋田名物のきりたんぽです。炊きたてのご飯を杉の棒に巻き付けて焼き、食べやすい大きさに切ったきりたんぽは、しょっつるの風味をしっかりと吸い込み、もちもちとした食感と香ばしい風味が楽しめます。 しょっつる鍋は、本来ハタハタの旬である冬に食べられる料理でした。雪深い秋田の厳しい冬を乗り越えるために、保存食であるしょっつるを活用し、地元で採れる食材を組み合わせて生まれた料理と言えるでしょう。温かいしょっつる鍋を囲んで家族や友人と過ごす時間は、秋田の人々にとって大切な冬の風物詩となっています。近年では、旬の時期に限らず、一年を通して様々な場所で食べられるようになりました。家庭で手軽に作れる鍋つゆなども販売されており、秋田の味を気軽に楽しむことができます。一度食べたら忘れられない、深い滋味をぜひ味わってみてください。
調味料

ナンプラー:タイ料理の隠れた主役

独特の風味を持つ調味料、ナンプラーは、東南アジアの食卓には欠かせない存在です。特にタイ料理においては、ナンプラーなしに本場の味を再現することは難しいと言えるでしょう。 見た目は、蜂蜜のような琥珀色をした液体です。そして、初めて嗅ぐ人は驚くかもしれません。なぜなら、非常に個性的で強い香りがするからです。この香りは、好き嫌いがはっきり分かれる特徴の一つです。しかし、この独特の香りが、タイ料理特有の奥深い味わいを生み出しているのです。 ナンプラーの原料は、カタクチイワシなどの小魚です。新鮮なうちに塩漬けにし、壺や樽などの容器に入れて、じっくりと時間をかけて熟成・発酵させます。この発酵期間は、通常1年ほどかかります。中には数年間熟成させるものもあり、熟成期間が長いほど、コクと深みが増し、より複雑な風味へと変化していきます。 タイでは、ナンプラーは炒め物、スープ、煮物など、様々な料理の味付けに使われています。特に「パッタイ」や「トムヤムクン」といった代表的なタイ料理には欠かせない調味料です。また、つけダレの材料としても使うことができ、唐辛子やライム、ニンニクなどを加えて自分好みの味に仕上げる楽しみもあります。 ナンプラーは、タイだけでなく、ベトナムやラオスなど、東南アジアの様々な国で広く使われています。それぞれの国や地域によって、原料となる魚の種類や塩分濃度、熟成期間などが異なり、香りや風味にも微妙な違いがあります。その多様性を味わうことも、ナンプラーの魅力の一つと言えるでしょう。