懐石に欠かせない折敷の魅力

懐石に欠かせない折敷の魅力

料理を知りたい

先生、『折敷』ってよく聞くんですけど、何のことですか?懐石料理で使うものですよね?

料理研究家

はい、そうです。『折敷』は、懐石料理で使われるお膳の一種です。平たいお盆のようなもので、料理を乗せて提供されます。 元々は、一枚の板で作られた足のない膳のことを指していました。

料理を知りたい

一枚の板で作られているんですね!じゃあ、お盆とはどう違うんですか?

料理研究家

お盆は持ち運びに特化しているのに対し、折敷は料理を美しく見せることに重きを置いています。食事の際の作法や、料理の配置にも決まりがあるんですよ。格式高い席で使われることが多いですね。

折敷とは。

お料理や台所で使われる言葉、『おしき』について説明します。『おしき』は懐石料理の道具としてよく使われます。平膳やべた膳とも呼ばれ、元々は薄い板を一枚使って作った、足のないお膳のことです。

折敷とは

折敷とは

折敷とは、日本の伝統的な配膳道具です。懐石料理などでよく見かける、脚のない平たい膳のことを指します。平膳やべた膳といった別名でも知られています。その歴史は古く、元々は一枚の板から作られていました。現在では、様々な材料や形のものがあり、使う場面や好みに合わせて選ぶことができます。

素材としては、艶やかな漆塗りの高級品から、日常使いできる木や樹脂製の物まで幅広くあります。大きさも様々で、一人分を載せる小さな物から、大勢で囲む大きな物まであります。用途に合わせて選ぶことで、食卓に彩りを添えることができます。

折敷は、懐石料理だけでなく、茶道や仏事など、様々な場面で用いられています。日本の食文化を支える大切な道具の一つと言えるでしょう。料理を美しく引き立て、上品な雰囲気を醸し出す、その簡素な形には日本独自の美意識が込められています。

また、折敷は積み重ねて収納できるため、場所を取らないという利点もあります。限られた空間でも効率よく収納できるため、現代の生活様式にも適しています。

このように、折敷は、素材、形、大きさなど、様々な種類があります。それぞれの場面や好みに合わせて最適な物を選ぶことで、日本の食文化をより深く楽しむことができるでしょう。普段使いはもちろん、特別な日にも、折敷のある食卓で、日本の伝統と美に触れてみてはいかがでしょうか。

項目 説明
名称 折敷(おしき)、平膳、べた膳
形状 脚のない平たい膳
素材 漆塗り、木、樹脂など
大きさ 一人用から大人数用まで
用途 懐石料理、茶道、仏事など
特徴 上品な雰囲気、簡素な形、積み重ねて収納可能

折敷の歴史

折敷の歴史

折敷とは、食事や儀式で用いられる、食べ物を盛るための台のことです。その歴史は古く、平安時代にまで遡ります。当時は、貴族などの身分の高い人々が、食事の際に料理を乗せる台として使っていました。この頃の折敷は「片木板」と呼ばれる、一枚の板でできていました。簡素な作りのものから、蒔絵や螺鈿細工など豪華な装飾が施されたものまで、様々な種類がありました。

時代が進むにつれて、折敷の素材や形も多様化していきました。木で作られたものだけでなく、竹や漆器、陶磁器など、様々な素材が用いられるようになりました。形も、四角形だけでなく、丸形八角形など、様々なものが作られるようになりました。

室町時代には、茶道が盛んになるにつれて、折敷は茶道具としても使われるようになりました。茶碗や茶筅などの道具を乗せる台として、茶席には欠かせないものとなっています。現在でも、茶道の世界では、様々な種類と大きさの折敷が用いられています。

折敷は、茶道だけでなく、仏事神事冠婚葬祭など、様々な儀式や行事でも使われています。神饌を供える際や、仏前に供物を置く際に用いられるなど、日本の伝統文化と深く結びついています。

このように、長い歴史の中で、折敷の形や用途は変化してきました。しかし、料理や供物を美しく見せるという、折敷本来の役割は、現代まで変わらず受け継がれています。現在では、日々の食事に取り入れることで、食卓に彩りを添える道具としても注目されています。

時代 素材 形状 用途
平安時代 木(片木板) 一枚の板 貴族の食事用
時代が進むにつれて 木、竹、漆器、陶磁器 四角形、丸形、八角形 多様化
室町時代 様々 様々 茶道(茶道具)、茶碗や茶筅を乗せる
現代 様々 様々 茶道、仏事、神事、冠婚葬祭、神饌を供える、仏前に供物を置く、日々の食事

折敷の種類

折敷の種類

お供え物を乗せたり、配膳に用いたりする折敷。様々な種類があり、用途や好みに合わせて選ぶことができます。まず、材質を見てみましょう。古くから広く使われているのは木製のものです。中でも檜(ひのき)は、清々しい香りと美しい木目が特徴で、高級な折敷の材料として人気です。また、杉(すぎ)は軽くて扱いやすく、欅(けやき)は重厚で風格があります。さらに、木地にを塗ったものは、艶やかで美しく、お祝いの席など特別な場面にふさわしい華やかさを添えてくれます。近年では、プラスチック製の折敷も普及しています。軽くて丈夫な上、価格も手頃なため、普段使いに便利です。

次ににも注目してみましょう。長方形正方形といった角のある形だけでなく、円形楕円形といった柔らかな曲線を持つ形のものもあります。一人分の料理を乗せる小さなものから、大勢で囲む膳に使う大きなものまで、大きさも様々です。家族の人数や、使う場面に合わせて選ぶと良いでしょう。

さらに、装飾にも様々な種類があります。縁に彫刻が施されたものや、表面に蒔絵(まきえ)などの絵柄が描かれたものなど、見ているだけでも楽しい美しい細工が施されたものもあります。シンプルなものから華やかなものまで、デザインも豊富なので、きっとお気に入りの一品が見つかるはずです。このように、折敷は素材、形、大きさ、装飾など、実に様々な種類があります。それぞれの特性を理解し、自分の好みに合わせて、最適な折敷を選んでみて下さい。

項目 種類 説明
材質 木製 古くから広く使われている
檜(ひのき) 清々しい香りと美しい木目、高級
杉(すぎ) 軽くて扱いやすい
欅(けやき) 重厚で風格がある
漆塗り 艶やかで美しく、お祝いの席などに最適
プラスチック製 軽くて丈夫、価格も手頃で普段使いに便利
長方形
正方形
円形
楕円形
大きさ 様々 一人用から大勢用まで
装飾 彫刻 縁に施される
蒔絵(まきえ) 絵柄が描かれている
その他絵柄

折敷の使い方

折敷の使い方

折敷は、日本の伝統的な配膳用具であり、主に懐石料理や茶道といった場面で用いられます。その歴史は古く、平安時代には既に使用されていたという記録が残っています。素材は木で作られることが多く、塗りのものや白木のものが一般的です。形は長方形や正方形が多く、大きさも様々です。

懐石料理では、一品ずつ料理を乗せて提供する際に折敷が使われます。一品ごとに異なる器や盛り付けで提供される懐石料理において、折敷は料理を引き立て、上品な雰囲気を演出する上で重要な役割を果たします。例えば、先付や八寸といった小皿料理を折敷に美しく並べることで、料理全体の調和がとれ、見た目にも華やかになります。また、汁物やご飯など、温かい料理と冷たい料理を別々の折敷で提供することで、それぞれの料理の温度を保ち、美味しさを最大限に引き出すことができます。

茶道においても、折敷は重要な役割を担っています。茶碗や菓子、茶筅といった道具を折敷に乗せて客人に差し出すことで、丁寧なおもてなしの心を表現することができます。茶室の静寂な空間の中で、折敷の上の道具はより一層美しく映え、茶道の雰囲気を高めます。

家庭でも、折敷は様々な場面で活用できます。一人分の食事を乗せる膳として使えば、いつもの食事が少し贅沢な気分になります。また、来客時にお茶菓子を折敷に乗せて出すと、おもてなしの気持ちが伝わり、より一層喜んでいただけます。さらに、季節の草花や小物を添えることで、食卓に彩りを加えることもできます。

折敷の上に懐紙や和紙を敷いたり、季節感のあるランチョンマットを組み合わせたりすることで、清潔感を保ちつつ、より華やかな演出をすることができます。普段使いはもちろん、特別な日にも活躍する折敷は、一つ持っておくと大変便利です。

用途 役割・効果 具体例
懐石料理 料理を引き立て、上品な雰囲気を演出、料理全体の調和、見た目の華やかさ、料理の温度保持 先付や八寸などの小皿料理、汁物やご飯
茶道 丁寧なおもてなしの心を表現、茶道の雰囲気を高める 茶碗、菓子、茶筅などの道具
家庭 贅沢な食事、おもてなし、食卓の彩り、清潔感の保持、華やかな演出 一人分の食事、来客時のお茶菓子、季節の草花や小物

折敷の手入れ

折敷の手入れ

折敷は、日本の食文化において大切な役割を果たす道具であり、丁寧な手入れをすることで、その美しさを長く保つことができます。日常の手入れとしては、使用後は柔らかい布巾で乾拭きするのが基本です。食事の際に付着した食べかすや水分を速やかに拭き取ることで、汚れの沈着や変色を防ぎます。もし、汚れが落ちにくい場合は、ぬるま湯に浸して固く絞った布巾で優しく拭き取りましょう。洗剤を使う場合は、必ず中性洗剤を水で薄めて使用し、洗剤が残らないよう丁寧にすすぎ洗いを行い、その後、乾いた布巾で水分を完全に拭き取って下さい。 水に長時間浸け置きすることは厳禁です。木材が水分を吸収し、変形やひび割れの原因となります。また、食器乾燥機も高温となるため使用を控えましょう。

木製の場合、乾燥による変形やひび割れを防ぐために、直射日光や高温多湿の場所を避けて保管することが重要です。風通しの良い場所で保管することで、木材の呼吸を妨げず、良い状態を保てます。漆塗りの折敷は、その美しい光沢が魅力ですが、研磨剤入りの洗剤やたわしなどの硬いものは使用しないで下さい。表面に傷がつき、光沢を失う原因となります。柔らかいスポンジや布巾を用いて優しく洗いましょう。また、定期的に専用の磨き粉や椿油などを用いて丁寧に磨くことで、漆本来の艶を維持し、より長く美しい状態を保つことができます。これらの方法を参考に、適切な手入れを施すことで、折敷を末永く愛用し、日本の食文化の美しさを楽しんで頂けます。

種類 日常の手入れ 汚れがひどい場合 注意点 保管方法
木製 使用後は柔らかい布巾で乾拭き ぬるま湯に浸して固く絞った布巾で優しく拭き取り 水に長時間浸け置きしない、食器乾燥機使用不可、研磨剤入りの洗剤やたわしなどの硬いものは使用しない 直射日光や高温多湿の場所を避け、風通しの良い場所で保管
漆塗り 使用後は柔らかい布巾で乾拭き ぬるま湯に浸して固く絞った布巾で優しく拭き取り 水に長時間浸け置きしない、食器乾燥機使用不可、研磨剤入りの洗剤やたわしなどの硬いものは使用しない 直射日光や高温多湿の場所を避け、風通しの良い場所で保管。定期的に専用の磨き粉や椿油などを用いて磨く

まとめ

まとめ

膳とよく似た、平たいお盆のようなものが折敷です。古くは、平安時代の宮中行事など公式の場で用いられてきました。神様へのお供え物を載せる神聖な道具として、あるいは食事の際に料理を運ぶための道具として使われていた記録が残っています。時代が下ると武家や庶民にも広まり、茶道や懐石料理、冠婚葬祭など、様々な場面で見られるようになりました。

折敷の魅力は、その多様性にあります。素材は、木、竹、漆塗りなど様々です。木製のものは温かみがあり、竹製のものは涼しげな印象を与えます。漆塗りのものは、艶やかで高級感があります。形も様々で、四角形、長方形、円形などがあります。大きさも大小様々で、用途に合わせて選ぶことができます。

家庭でも、折敷は大変便利です。例えば、一人分の食事を載せるお盆として使ったり、来客時のお茶菓子を載せるお皿として使ったりすることができます。また、花瓶や置物を飾る台としても使えます。普段使いはもちろん、お祝いの席やおもてなしの際にも活躍します。食事を運ぶだけでなく、膳の上で一人分のお膳としても使え、食卓に彩りを添えてくれます。

折敷は、正しく手入れをすることで、長く使うことができます。使用後は、柔らかい布で乾拭きしましょう。水洗いは避け、汚れがひどい場合は、固く絞った布巾で拭き取ります。直射日光や高温多湿の場所を避け、風通しの良い場所で保管することで、美しい状態を長く保つことができます。

折敷を使うことで、いつもの食事がより一層美味しく、そして格調高く感じられます。日本の伝統と美意識が凝縮された折敷を、ぜひ日々の暮らしに取り入れて、豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

特徴 詳細
形状 平たいお盆のようなもの
歴史 平安時代の宮中行事など公式の場で使用
神様へのお供え物、食事の際に料理を運ぶ道具
武家や庶民にも広まり、茶道、懐石料理、冠婚葬祭など様々な場面で使用
素材 木、竹、漆塗りなど
形状 四角形、長方形、円形など、大小様々
家庭での用途 一人分の食事用お盆、来客時のお茶菓子用、花瓶や置物の台、お祝いの席、おもてなし
お手入れ方法 使用後は柔らかい布で乾拭き、水洗いは避ける、汚れがひどい場合は固く絞った布巾で拭き取る、直射日光や高温多湿を避け、風通しの良い場所で保管