お正月の縁起物、裏白を食卓に

お正月の縁起物、裏白を食卓に

料理を知りたい

先生、「裏白」って料理用語で時々聞きますが、どういう意味ですか?白いものを使う料理ってことですか?

料理研究家

いい質問だね。確かに白いものを使う料理と関連があるよ。具体的には、食材の裏側に、魚のすり身や山芋などを塗って白くした料理のことを指すんだ。魚のすり身や山芋は白いよね。

料理を知りたい

なるほど。食材の裏側を白くするんですね。何か具体例はありますか?

料理研究家

例えば、鶏肉の裏側にすり身を塗って焼いた「裏白焼き」とか、椎茸の裏側にすり身をつけて焼いたり揚げたりした「裏白椎茸」などがあるよ。他に、ユリ根の裏側に白味噌を塗って焼いたものも裏白と呼ぶことがあるね。

裏白とは。

シダ植物の一種で、葉の裏側が白い「うらじろ」という植物があります。これはお正月の飾りなどにも使われます。「うらじろ」という言葉は料理名にも使われ、食材の裏側に魚のすり身などの白いものを付けた料理を指します。例えば、「うらじろしいたけ」などがあります。

裏白とは

裏白とは

裏白は、シダ植物門ウラボシ科に属する常緑性の多年生植物です。名前の由来はその名の通り、葉の裏側が白っぽいことにあります。表面は濃い緑色で光沢があり、裏面の白色との対比が美しく、観賞用としても人気があります。日本では古くから神聖な植物として扱われ、その歴史は深く、神社仏閣や神棚によく供えられます。

裏白は、正月のしめ縄飾りには欠かせないものとなっています。新しい年を清らかに迎えるための縁起物として、鏡餅や門松とともに飾られることが多いです。その白い葉は、清らかさの象徴であり、邪気を払う力があると信じられてきました。また、裏白には抗菌作用があるともいわれ、食べ物を長持ちさせる効果も期待されていました。そのため、鏡餅の下に敷いたり、お供え物を盛る際に用いたりする風習が根付いています。

裏白の白い葉は、古くから清らかさの象徴とされてきました。その白さは、汚れのない純粋さを表し、神聖なものへの畏敬の念を表すものとして、人々に大切に扱われてきました。鮮やかな緑と白のコントラストは、お正月の祝祭感を一層引き立て、新しい年の始まりにふさわしい華やかさを添えてくれます。

裏白は単なる飾りではなく、新しい一年への希望や願い、そして家族の健康や繁栄を祈る、大切な意味を持つ植物です。その凛とした姿は、新たな気持ちで一年をスタートさせようという決意を新たにしてくれます。現代社会においても、その伝統的な価値は受け継がれ、人々の心に寄り添う存在であり続けています。

項目 内容
分類 シダ植物門ウラボシ科
特徴 常緑性の多年生植物。葉の裏が白い。表面は濃い緑色で光沢がある。
用途 観賞用、正月飾り(しめ縄、鏡餅、門松)
歴史・文化 日本では古くから神聖な植物として扱われ、神社仏閣や神棚に供えられてきた。正月の縁起物。清らかさの象徴。邪気を払う力があると信じられている。抗菌作用があるとされ、食べ物を長持ちさせる効果も期待されていた。鏡餅の下に敷いたり、お供え物を盛る際に用いる風習がある。
象徴 清らかさ、純粋さ、神聖なものへの畏敬の念、新しい一年への希望や願い、家族の健康や繁栄

料理における裏白

料理における裏白

料理の世界では、食材の裏側に白いものを塗ったり、挟んだりした料理を「裏白〇〇」と呼ぶことがあります。この「裏白」とは、シダ植物の一種であるウラジロの葉の裏側の、白く粉を吹いたような色合いを指しています。この特徴的な白さを料理に取り入れることで、見た目にも美しく、おめでたい席にも相応しい一品となります。「裏白」と名付けられる料理は、白い食材で覆ったり、詰めたりすることで、ウラジロの葉の裏のような白さを表現していることが共通点です。

代表的な例として挙げられるのが「裏白椎茸」です。肉厚の椎茸を選び、かさの裏側に魚のすり身や豆腐、山芋などを混ぜ合わせた白い詰め物を詰めて、焼いたり揚げたりして仕上げます。椎茸の傘の濃い茶色と、詰め物の白のコントラストが美しく、食欲をそそります。魚のすり身を使うと、椎茸のうま味と魚の風味が合わさり、豊かな味わいを楽しめます。豆腐や山芋を使う場合は、あっさりとした風味になり、椎茸本来の味をより引き立てることができます。

また、鶏肉を使った「裏白焼き」も存在します。鶏肉を薄く開き、そこに白味噌や山芋などをベースにした白い合わせ調味料を塗って焼きます。鶏肉の香ばしい匂いと、白味噌の甘辛い風味が絶妙に絡み合い、ご飯が進む一品です。このように、食材と白い詰め物、あるいは合わせ調味料の組み合わせ次第で、様々な味わいを楽しむことができます。さらに、ウラジロの葉は常緑で、その緑色が一年中変わらないことから、長寿や繁栄の象徴とされています。そのため、ウラジロの葉の白さを模した「裏白」料理は、縁起が良いとされ、お祝い事やハレの日に提供されることも多いです。「裏白」という名前が付くことで、料理に特別な意味や価値が加わり、祝いの席にふさわしい一品となるのです。

料理名 食材 白い部分 調理法 味の特徴
裏白椎茸 肉厚の椎茸 魚のすり身、豆腐、山芋など 焼く、揚げる 椎茸の旨味と魚の風味、または椎茸本来の味
裏白焼き 鶏肉 白味噌、山芋などをベースにした合わせ調味料 焼く 鶏肉の香ばしさと白味噌の甘辛さ

裏白椎茸の作り方

裏白椎茸の作り方

裏白椎茸は、その名の通り、椎茸の白い裏側を活かした、見た目にも美しい料理です。お祝い事など特別な席に供されることが多いですが、家庭でも意外と簡単に作ることができます。少しの手間で食卓が華やかになりますので、ぜひ挑戦してみてください。

まず、肉厚で大きめの椎茸を用意します。椎茸は軸を切り落とし、傘の部分だけを使います。軸は捨てずに、刻んで詰め物の材料にしたり、だしを取ったりと活用できます。次に、詰め物の準備です。白身魚のすり身を使うのが一般的ですが、鶏ひき肉や豆腐などを混ぜても美味しく仕上がります。すり身に、水気を切った豆腐、すりおろした山芋、みじん切りにしたネギや生姜などを加え、粘りが出るまでよく混ぜ合わせます。味付けは、塩、醤油、酒、みりんなどで、素材本来のうま味を引き立てるように薄味に仕上げるのがポイントです。

椎茸の傘の裏側に、こんもりと詰め物を詰めていきます。詰め物が多すぎると焼いている途中でこぼれてしまうため、傘の縁から少し内側までを目安に詰めましょう。詰め終わったら、形を整え、表面を滑らかにします。フライパンに油をひき、弱火でじっくりと焼いていきます。初めは蓋をして蒸し焼きにすることで、詰め物にしっかりと火を通し、ふっくらと仕上げることができます。焼き色がついたら蓋を取り、ひっくり返して反対側も同様に焼きます。両面に美味しそうな焼き色がつき、詰め物がふっくらとしたら完成です。

焼きあがった裏白椎茸は、そのままでも十分美味しいですが、醤油やポン酢、大根おろしなどを添えると、さらに美味しくいただけます。また、柚子胡椒や紅葉おろしなどを添えても、風味が増してお祝いの席にふさわしい一品になります。お正月のおせち料理としてはもちろん、普段の食卓にも彩りを添える一品として、ぜひお試しください。

材料 手順 ポイント
・肉厚で大きめの椎茸
・白身魚のすり身(鶏ひき肉、豆腐などでも可)
・豆腐
・山芋
・ネギ
・生姜
・塩
・醤油
・酒
・みりん
1. 椎茸の軸を切り落とし、傘の部分を用意する。
2. 詰め物の材料を混ぜ合わせる。
3. 椎茸の傘の裏側に詰め物を詰める。
4. フライパンに油をひき、弱火で蓋をして蒸し焼きにする。
5. 焼き色がついたらひっくり返し、反対側も焼く。
6. 醤油やポン酢、大根おろしなどを添える。
・椎茸の軸は捨てずに活用する。
・詰め物は薄味にする。
・詰め物を詰めすぎない。
・蓋をして蒸し焼きにすることで、詰め物に火を通し、ふっくらと仕上げる。
・柚子胡椒や紅葉おろしを添えると、風味が増す。

様々な裏白料理

様々な裏白料理

「裏白」と聞いて、まず思い浮かぶのは椎茸の裏側の白いひだの部分でしょう。確かに、椎茸の裏側の白い部分を「裏白」と呼ぶことが一般的ですが、料理の世界では、白い食材を使った料理や、白い調味料を使った料理も「裏白」と呼ぶことがあります。その名前の由来は、まさに椎茸の裏側の白さからきており、白く清らかな印象を与える料理に、この名が冠せられます。

代表的な裏白料理の一つに「裏白焼き」があります。白身魚に白味噌を塗って焼くこの料理は、白味噌の淡い色合いと上品な甘みが、白身魚の繊細な味わいを引き立てます。焼き上がった白味噌の香ばしい香りが食欲をそそり、白いご飯との相性も抜群です。魚の種類は鯛や鱈など、淡白な白身魚がよく用いられます。白味噌は西京味噌を使うことが多く、味噌の甘みと魚の旨みが溶け合った、まろやかな味わいが特徴です。

また、「裏白鶏」と呼ばれる料理もあります。こちらは鶏肉にすりおろした山芋を付けて焼いたもので、山芋の白色が鶏肉を包み込み、ふっくらと柔らかな食感に仕上がります。山芋のとろみと鶏肉のジューシーさが口の中で一体となり、滋味深い味わいが広がります。鶏肉はもも肉を使うことが多く、皮はパリッと、中はふっくらと焼き上げます。山芋は、鶏肉を柔らかくするだけでなく、独特の粘り気が鶏肉の旨みを閉じ込める役割も果たしています。

このように、裏白料理は白い食材を使うことで、見た目にも美しく、上品な仕上がりになります。白い食材は素材の味を引き立て、風味豊かな料理に仕上げる効果があります。裏白料理は、日本の食文化における美意識と、食材を最大限に活かす知恵が詰まった料理と言えるでしょう。また、白い食材は、料理に彩りを添えるだけでなく、健康的なイメージも与えます。古くから日本で親しまれてきた裏白料理は、季節の食材を活かし、見た目にも美しい、日本料理の真髄と言えるでしょう。

料理名 食材 特徴
裏白焼き 白身魚(鯛、鱈など)、白味噌(西京味噌) 白味噌の淡い色合いと上品な甘みが白身魚の繊細な味わいを引き立てる。味噌の甘みと魚の旨みが溶け合ったまろやかな味わい。
裏白鶏 鶏肉(もも肉)、山芋 山芋の白色が鶏肉を包み込み、ふっくらと柔らかな食感。山芋のとろみと鶏肉のジューシーさが一体となり、滋味深い味わい。山芋の粘り気が鶏肉の旨みを閉じ込める。

裏白に見る日本の心

裏白に見る日本の心

裏白は、日本人の心に深く根付いた植物です。古くから神事と結びつき、その清浄な白さは神聖さを象徴するものとして、様々な場面で用いられてきました。お正月のしめ飾りや鏡餅に添えられるのも、新しい年を清らかに迎えたいという願いの表れです。裏白の葉の白い裏面が、神の世界と私たちの世界を繋ぐ道だと考えられていたという言い伝えも残っています。この白い色は、単なる色ではなく、日本人が大切にしてきた美意識の象徴でもあります。華美ではない、静かで奥ゆかしい美しさ。それは、わびさびに通じるものと言えるでしょう。

裏白は、飾りとしてだけでなく、料理にも用いられます。例えば、お餅を包んで蒸したり、ご飯に添えたりすることで、ほのかな香りと彩りを加えます。また、殺菌効果もあるとされ、食材の保存にも役立てられてきました。現代では、裏白を用いた料理は、ハレの日の食卓を彩る特別な一品となっています。お祝い事や季節の行事など、大切な日に裏白料理を食べることで、日本古来の伝統や文化を体感できるのではないでしょうか。

裏白を通して見えるのは、自然への畏敬の念と、食への深いこだわりです。自然の恵みに感謝し、その恵みを最大限に活かす知恵は、日本人の生活の中に脈々と受け継がれてきました。裏白を飾る、裏白料理を味わう。こうした日々の暮らしの中に、日本の心、日本の文化が息づいているのです。現代社会の慌ただしさの中で、少し立ち止まり、裏白に触れることで、忘れかけていた大切なものに気づくことができるかもしれません。

項目 説明
文化的意義 神聖さの象徴、清浄、美意識(わびさび)、伝統・文化の継承
利用方法 飾り(しめ飾り、鏡餅)、料理(餅を包む、ご飯に添える、食材の保存)
特性 白い裏面、ほのかな香り、殺菌効果
現代での役割 ハレの日の料理、伝統・文化の体験