料理の基本、晒すを極める
料理を知りたい
先生、「晒す」ってどういう意味ですか?料理の本でよく見かけるんですが、よくわからないんです。
料理研究家
いい質問だね。「晒す」とは、食材を水にさらして、アクや臭み、余分な塩分などを除く調理法のことだよ。例えば、大根の苦味を和らげたり、こんにゃくの臭みを取ったりする時に使うんだ。
料理を知りたい
なるほど。水に浸けるだけで、苦味や臭みが取れるんですか?
料理研究家
そうだよ。水にさらすことで、それらの成分が水に溶け出して除去されるんだ。食材によっては、流水で晒したり、熱湯をかけてから水にさらしたりする方法もあるよ。
晒すとは。
「料理」や「台所」で使う言葉「さらす」(食べ物を水にひたして、あくやにごりを除くこと)について
晒すとは
「晒す」とは、様々な料理の下ごしらえにおいて重要な技法です。熱湯に食材をさっとくぐらせる、または水に浸けることで、食材が持つ不要な成分を取り除き、味や見た目を向上させる効果があります。
熱湯で晒す場合は、沸騰した湯に食材を短時間入れることで、アクや臭み、余分な脂を取り除きます。ほうれん草を例に挙げると、熱湯にさっとくぐらせることで、鮮やかな緑色を保ちつつ、えぐみを取り除くことができます。小松菜や春菊などにも応用でき、彩り豊かで食べやすい仕上がりになります。肉類では、鶏肉や豚肉を熱湯で晒すと、余分な脂や臭みが落ち、さっぱりとした味わいになります。
水に晒す場合は、切った野菜などを水に浸けることで、アク抜きを行います。ごぼうやれんこんなどアクの強い根菜類は、水に晒すことでえぐみが軽減され、食べやすくなります。また、玉ねぎを水に晒すと辛みが和らぎ、サラダなど生で食べる際に適した状態になります。
晒す時間は食材によって異なり、長く晒しすぎると風味や栄養が損なわれるため、適切な時間を見極めることが大切です。ほうれん草のような葉物野菜は数十秒、ごぼうなどの根菜類は数十分程度が目安です。それぞれの食材に合った晒し時間を守ることで、素材本来の味を引き出し、より美味しく料理を仕上げることができます。熱湯で晒す際は、その後冷水に取ることで、加熱を止め、色止め効果を高めることも覚えておきましょう。
このように、「晒す」という調理法は、和食だけでなく中華料理や西洋料理など、様々な料理において食材の持ち味を最大限に引き出すために欠かせない工程と言えるでしょう。
晒し方 | 目的 | 食材例 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
熱湯 | アク、臭み、余分な脂除去、色止め | ほうれん草、小松菜、春菊、鶏肉、豚肉 | 数十秒 | 冷水に取る |
水 | アク抜き、辛み抜き | ごぼう、れんこん、玉ねぎ | 数十分 | – |
晒す方法
食材をおいしく、安全に調理するために欠かせないのが「晒す」という下ごしらえです。大きく分けて二つの方法があり、それぞれに合った食材と効果があります。
一つ目は「湯通し」です。これは、沸騰したお湯に食材をさっとくぐらせ、すぐに冷水に取る方法です。お湯にくぐらせる時間は短く、数秒から数十秒ほどで十分です。こうすることで、食材の鮮やかな緑色を保ったり、青臭さやえぐみなどのアクを抑えたりすることができます。ほうれん草や小松菜といった葉物野菜、ブロッコリーやカリフラワーといった花野菜に用いると、より彩り豊かに仕上がります。また、湯通しすることで野菜がしんなりとするため、和え物などにも使いやすくなります。
二つ目は「水晒し」です。こちらは、切った食材を水にさらす方法です。水にさらす時間は食材によって異なりますが、数分から数十分程度です。水晒しをすることで、玉ねぎの辛味や、じゃがいもの変色のもととなる成分、れんこんのアクなどを洗い流すことができます。ただし、水にさらす時間が長すぎると、食材の栄養分が水に溶け出してしまうため、注意が必要です。それぞれの食材に合った適切な時間を守ることが大切です。
食材によって、湯通しと水晒しのどちらの方法が適しているかが異なります。葉物野菜や花野菜には湯通しを、根菜類や玉ねぎには水晒しを用いるのが一般的です。それぞれの食材の特徴を理解し、適切な方法を選ぶことで、よりおいしく、安全に料理を楽しむことができます。また、水温にも注意が必要です。水晒しは冷水で行うのが基本ですが、冬場など水温が低い場合は、流水で行うことで、食材の温度が下がりすぎるのを防ぐことができます。それぞれの食材に合った方法で下ごしらえをし、料理をより一層味わい深く仕上げましょう。
方法 | 説明 | 効果 | 適した食材 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
湯通し | 沸騰したお湯に食材をさっとくぐらせ、すぐに冷水に取る | 鮮やかな緑色を保つ、青臭さやえぐみなどのアクを抑える、野菜がしんなりする | ほうれん草、小松菜などの葉物野菜、ブロッコリー、カリフラワーなどの花野菜 | 長時間行わない |
水晒し | 切った食材を水にさらす | 玉ねぎの辛味、じゃがいもの変色のもととなる成分、れんこんのアクなどを洗い流す | 玉ねぎ、じゃがいも、れんこんなどの根菜類 | 水にさらす時間が長すぎると栄養分が水に溶け出してしまう |
食材別の晒し方
食材によって、最適な下ごしらえの方法があります。その一つである「晒し」は、野菜のアクやぬめり、臭みなどを除き、味を良くしたり、変色を防いだりする大切な作業です。ここでは、いくつかの食材に合わせた晒し方をご紹介します。
ほうれん草は、鮮やかな緑色とシャキッとした食感が魅力です。この食感を保つためには、沸騰した湯に塩を少々加えるのがポイントです。塩を加えることで、ほうれん草の色素が安定し、鮮やかな緑色が保たれます。また、短時間で茹で上げることで、栄養素の流出も防ぎます。根元の方から湯に入れ、さっと茹でたらすぐに冷水に取ります。こうすることで、余熱で火が通り過ぎるのを防ぎ、食感も損ないません。
ごぼうは、独特の風味と香りが特徴ですが、アクが強い食材です。アクを抜くことで、えぐみが軽減され、食べやすくなります。ごぼうは、ささがきや薄切りにした後、水にさらすのが一般的です。水にさらす時間は、ごぼうの種類や切り方によって調整しましょう。流水でさらすと、より早くアクが抜けます。酢水にさらすと、変色を防ぐ効果もあります。
里芋は、独特のぬめりが特徴です。このぬめりは、里芋特有の風味を生み出していますが、人によっては気になる場合もあります。里芋のぬめりを取るには、皮を剥いた後、塩で揉むのが効果的です。塩で揉むことで、ぬめりの原因となる成分が除去され、つるりとした食感が楽しめます。その後、水で洗い流せば、下ごしらえは完了です。
これらの他にも、様々な食材に適した晒し方があります。それぞれの食材の特性を理解し、適切な方法で晒すことで、料理の味が格段に向上します。料理本やインターネットで情報収集をして、色々な食材に挑戦してみてください。きっと、料理の幅が広がり、食事がより楽しくなるでしょう。
食材 | 晒し方 | 効果 |
---|---|---|
ほうれん草 | 沸騰した湯に塩を少々加え、根元から湯に入れ、さっと茹でたらすぐに冷水に取る。 | 色素を安定させ鮮やかな緑色を保ち、栄養素の流出を防ぎ、食感を保つ。 |
ごぼう | ささがきや薄切りにした後、水にさらす。流水だと早くアクが抜け、酢水だと変色を防ぐ。 | アクを抜いてえぐみを軽減し、食べやすくする。 |
里芋 | 皮を剥いた後、塩で揉み、水で洗い流す。 | ぬめりを取る。 |
晒す際の注意点
食材を晒す作業は、料理の下ごしらえとして重要な工程です。仕上がりの味や見た目に大きく影響するため、いくつかの点に注意が必要です。まず、熱湯で食材を短時間茹でる「湯通し」では、たっぷりの熱湯を使うことが大切です。少ないお湯で茹でると、食材を入れた途端に温度が急激に下がり、食材の色が悪くなったり、えぐみなどのアクが十分に抜けなかったりします。そのため、お湯はふんだんに用意しましょう。また、湯通しした後は、冷水に取ることで、変色を防ぎ、歯ごたえの良い仕上がりになります。特に、青菜などを鮮やかな緑色に仕上げたい場合は、氷水を使うのがおすすめです。
一方、「水晒し」は、食材を水に浸してアクや汚れを取り除く方法です。流水で晒すのが理想的ですが、ボウルなどに水を張って晒す場合は、こまめに水を替えることが重要です。同じ水に長時間浸けておくと、せっかくの栄養分が水に溶け出してしまうだけでなく、食材本来の風味も失われてしまいます。また、ごぼうなどの根菜類は水に長く浸けすぎると食感が悪くなるため、水晒しの時間は食材によって調整しましょう。アクの強い食材は少し長めに、アクの少ない食材は短時間で済ませるなど、臨機応変に対応することが大切です。
このように、湯通しと水晒しはそれぞれ異なる目的と方法で行われます。食材の種類や調理法に合わせて適切な方法を選び、時間や水の量を調整することで、食材の持ち味を最大限に活かすことができます。丁寧に下ごしらえをすることで、より美味しく美しい料理に仕上げることができるでしょう。
項目 | 方法 | 注意点 | 効果 |
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湯通し | たっぷりの熱湯で短時間茹でる |
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水晒し | 水に浸してアクや汚れを取り除く
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アクや汚れの除去 |
まとめ
料理をより美味しく仕上げるための大切な技法の一つに、「晒す」という工程があります。これは、食材に含まれる不要な灰汁や臭み、アクなどの成分を取り除き、素材本来の美味しさを引き出すための下準備です。晒し方には大きく分けて「湯通し」と「水晒し」の二種類があり、食材の性質や調理法に合わせて使い分けることが重要です。
湯通しは、沸騰した湯に食材を短時間くぐらせる方法です。ほうれん草などの葉物野菜や、たけのこ、こんにゃくなどに用いられます。湯通しすることで、青菜の鮮やかな緑色を保ったり、灰汁やえぐみを取り除いたり、食感を良くする効果があります。熱湯にさっとくぐらせることで、野菜の酵素の働きを止め、変色を防ぐとともに、歯触りも良く仕上がります。
一方、水晒しは、食材を水にさらす方法です。大根やごぼうなどの根菜類、玉ねぎなどの香味野菜に用いられます。水にさらすことで、辛味や苦味、えぐみなどの unwanted な風味を取り除き、素材本来の甘みや旨味を引き立てることができます。また、切った野菜の切り口からでんぷん質などの成分が流れ出すのを防ぎ、煮崩れを防ぐ効果も期待できます。
食材によって適切な晒し時間や水温は異なります。例えば、ごぼうは水にさらすことで変色を防ぎますが、長時間さらすと風味も失われてしまうため、適切な時間管理が重要です。また、水晒しの際に流水を用いることで、より効率的にアクや雑味を取り除くことができます。
このように、食材の特性を理解し、湯通しと水晒しを適切に使い分けることで、料理の味は格段に向上します。毎日の食事に「晒す」という一手間を加えることで、素材本来の味を最大限に引き出し、より美味しく、見た目も美しい料理を楽しむことができるでしょう。
晒し技法 | 方法 | 対象食材 | 効果 | ポイント |
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湯通し | 沸騰した湯に短時間くぐらせる | ほうれん草などの葉物野菜、たけのこ、こんにゃくなど |
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熱湯にさっとくぐらせる |
水晒し | 水にさらす | 大根やごぼうなどの根菜類、玉ねぎなどの香味野菜 |
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