料理の秘訣:あく取りの重要性
料理を知りたい
先生、「エキュメ」ってどういう意味ですか?料理の授業で出てきたんですけど、よく分からなくて。
料理研究家
良い質問だね。「エキュメ」は、料理を作っている時に鍋の表面に浮いてくる灰汁(あく)や泡をすくい取ることを言うんだよ。
料理を知りたい
灰汁や泡を取るんですね。どうしてそれを取り除く必要があるんですか?
料理研究家
灰汁や泡には、料理の風味を悪くしたり、見た目を損なったりする雑味や不純物が含まれていることが多いからなんだ。エキュメすることで、より美味しく、美しい料理に仕上がるんだよ。
écumerエキュメとは。
料理や台所で使われる言葉である『エキュメ』について。エキュメとは、料理の際に煮汁などに浮かぶあくを取り除いたり、泡をすくうといった調理方法のことです。
あくとは何か
煮物や汁物を作るとき、鍋やフライパンの表面に灰色の泡のようなもの、いわゆる「あく」が浮いてくることがあります。このあくは一体何なのでしょうか。あくの正体は、食材に含まれる様々な成分が加熱によって変化し、水に溶け出さずに浮かび上がってきたものです。食材に含まれるたんぱく質は熱を加えることで固まり、灰汁の主な成分となります。また、野菜に含まれるミネラルや、肉や魚に含まれる脂肪や血液なども、加熱によって変化しあくとなります。
あくの種類や量は、食材によって様々です。例えば、肉を茹でるときに出るあくは、主に血液や肉のたんぱく質が変化したもので、灰色っぽい色をしています。このあくには独特の臭みがあり、そのままにしておくと料理全体の風味を損ねてしまいます。一方、野菜から出るあくは、種類によって白っぽいものや緑っぽいものなど、色も様々です。ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜のあくには、シュウ酸と呼ばれる成分が含まれており、えぐみや苦味の原因となります。また、ごぼうや里芋などの根菜類のあくには、ポリフェノールの一種であるタンニンが含まれており、渋みや苦味を感じさせます。
あくは必ずしも全て取り除く必要はありません。あくの中には、食材のうま味成分も含まれているからです。例えば、きのこ類のあくには、独特の風味や香りが含まれており、料理に深みを与えます。しかし、あくの苦味やえぐみ、渋み、臭みは料理の味を損なう場合が多いため、あくの性質を見極め、適切な処理をすることが大切です。あくを取る方法としては、網じゃくしなどで丁寧にすくい取ったり、キッチンペーパーなどで吸い取ったりする方法が一般的です。また、下茹でをすることであくをある程度除去することもできます。あくを適切に処理することで、料理の風味を良くし、より美味しく仕上げることができます。
食材 | あくの色 | あくの成分 | 味への影響 |
---|---|---|---|
肉 | 灰色っぽい | 血液、肉のタンパク質 | 臭み |
緑黄色野菜 (ほうれん草、小松菜など) | 白っぽい、緑っぽい | シュウ酸 | えぐみ、苦味 |
根菜類 (ごぼう、里芋など) | 様々 | タンニン | 渋み、苦味 |
きのこ類 | 様々 | 独特の風味、香り | 深み |
あく取りの目的
料理を作る上で欠かせない工程の一つにあく取りがあります。一見すると手間のかかる作業に思えますが、あくを取ることで料理の味わいは格段に向上します。では、なぜあくを取る必要があるのでしょうか?
あくの正体は、主に食材に含まれるタンパク質や灰汁、脂質などが加熱によって変性し、浮かび上がってきたものです。これらには、苦味、えぐ味、渋味といった雑味が含まれています。せっかく良い食材を使っても、あくが残っているとこれらの雑味が料理全体に広がり、素材本来の持ち味を損ねてしまうのです。
例えば、透き通った黄金色の出汁を作りたい時、あくが残っていると濁った茶色っぽい色になってしまいます。また、味噌汁や煮物など、汁気のある料理では、あくによって味が濁り、風味も落ちてしまいます。あくを取り除くことで、料理本来の色味を保ち、見た目にも美しい仕上がりになります。
さらに、あくは口当たりにも影響します。汁物にあくが残っていると、口にした時にザラザラとした舌触りを感じることがあります。これはあくに含まれる不純物が原因です。丁寧にあくを取り除くことで、口当たりが滑らかになり、より一層美味しく料理を味わうことができます。
また、あくには食品の変色や劣化を早める原因となる物質が含まれている場合もあります。あくを取り除くことで、料理の保存性を高めることにも繋がるのです。
このように、あく取りは単に見た目を良くするだけでなく、味、香り、食感、そして保存性まで、料理のあらゆる側面に影響を与える重要な工程です。少しの手間をかけるだけで、料理の完成度は格段に上がります。日々の料理の中で、あく取りの重要性を改めて認識し、丁寧に取り組むことで、より美味しい料理を楽しみましょう。
あく取りのメリット | 詳細 |
---|---|
味の向上 | 苦味、えぐ味、渋味といった雑味を取り除き、素材本来の味を引き出す |
見た目の向上 | 料理の色味を保ち、美しい仕上がりにする(例:出汁の黄金色) |
食感の向上 | 口当たりが滑らかになる |
保存性の向上 | 食品の変色や劣化を早める原因物質を取り除く |
あく取りの方法
料理をおいしく仕上げるためには、あく取りが重要です。あくとは、食材に含まれるタンパク質や脂肪などの不純物が加熱によって凝固したものです。あくをそのままにしておくと、料理の見た目や味が悪くなるだけでなく、雑味やえぐみの原因にもなります。そこで、今回はあくの取り方について詳しく説明します。
まず、あくを取る際に使う道具ですが、あく取り専用の杓子、お玉、網杓子などが適しています。これらの道具は、鍋の縁に沿って滑らかに動かせるように設計されているため、効率的にあくをすくい取ることができます。もし専用の道具がない場合は、普通の杓子やお玉でも代用できますが、あくをきれいに取り除くのが少し難しくなります。
あくは、加熱が始まってすぐに浮いてくるものと、時間をかけてじっくり煮込むことで出てくるものがあります。そのため、調理の過程でこまめにあくの状態を確認することが大切です。加熱し始めは強火で温度を上げますが、あくが出てきたら弱火に切り替えてじっくりと加熱することで、あくが浮き上がりやすくなります。あくは温度が低いときに浮きやすい性質があるので、ぐつぐつと沸騰させ続けるよりも、静かに加熱する方が効果的です。
あくの量が多い場合は、キッチンペーパーを使う方法も有効です。ペーパータオルを水面に浮かべ、あくを吸着させます。ペーパーが汚れたら新しいものと交換し、あくがなくなるまで繰り返します。この方法は、短時間で効率的にあくを取り除くことができるので、時間がない時や、あくの量が多い料理に最適です。
あく取りを丁寧に行うことで、料理の仕上がりは格段に向上します。澄んだだし汁や、雑味のない煮物を作るためには、こまめなあく取りを心掛けましょう。少しの手間をかけるだけで、料理の味がぐっと良くなります。
項目 | 説明 |
---|---|
あくとは | 食材に含まれるタンパク質や脂肪などの不純物が加熱によって凝固したもの |
あくの影響 | 料理の見た目や味が悪くなる、雑味やえぐみの原因 |
あく取りの道具 | あく取り専用の杓子、お玉、網杓子など |
あく取りのタイミング | 加熱が始まってすぐに浮いてくるものと、時間をかけてじっくり煮込むことで出てくるものがあるため、調理の過程でこまめに確認 |
火加減 | あくが出てきたら弱火に切り替える |
キッチンペーパーを使ったあく取り | 水面に浮かべ、あくを吸着させる。あくがなくなるまで交換を繰り返す。短時間で効率的にあくを取り除くことができる。 |
あく取りの効果 | 澄んだだし汁や、雑味のない煮物を作ることができる。料理の仕上がりを格段に向上させる。 |
あく取りの注意点
料理をおいしく仕上げるためには、あく取りは欠かせない作業です。あくは、食材を加熱調理する過程で出てくる灰汁色の泡や浮遊物のことで、主にタンパク質や脂肪などが変化したもの、野菜のアク、灰汁などです。あくの種類や料理によっては、全てを取り除く必要がない場合もあります。
例えば、肉のあく。肉を煮たり焼いたりすると、灰汁色の泡が出てきます。これは肉のタンパク質や脂肪が変化したもので、独特の臭みがあります。このあくを丁寧に取り除くことで、肉の臭みを抑え、よりおいしく食べられます。しかし、肉のあくの中には、肉の旨味成分も含まれています。そのため、全て取り除いてしまうと、せっかくの風味が薄くなってしまうことがあるのです。あくの量や色、においなどをよく観察し、どの程度取り除くべきかを判断することが大切です。灰汁色の泡だけでなく、煮汁の表面に浮かぶ灰汁や、鍋底に沈殿する灰汁にも気を配りましょう。
野菜のあくは、ほうれん草などに含まれるシュウ酸などが原因で、えぐみや苦味があります。このあくは、下茹でなどの方法で取り除くことができます。
あく取りに使用する道具にも気を配りましょう。網じゃくしを使うのが一般的ですが、お玉を使う方法もあります。いずれの場合も、清潔なものを使いましょう。また、あくと一緒に料理の具材をすくい取らないように注意が必要です。具材をすくい取ってしまうと、せっかくの旨味まで逃してしまうことになります。
あく取りの作業は、一見地味な作業ですが、料理の味を左右する重要な工程です。どのあくを取り除き、どのあくを残すのか、丁寧に観察し、判断することが大切です。適切なあく取りを行うことで、料理の雑味がなくなり、素材本来の味をより引き出すことができます。少しの手間を惜しまず、丁寧な作業を心がけることで、より一層美味しい料理に仕上がります。
種類 | 成分 | 影響 | 処理 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
肉のあく | タンパク質、脂肪 | 臭み | 丁寧に取り除く | 旨味成分も含まれるため、全て取り除かない |
野菜のあく | シュウ酸など | えぐみ、苦味 | 下茹で | – |
道具 | 注意点 |
---|---|
網じゃくし、お玉 | 清潔なものを使用、具材を一緒にすくい取らない |
様々な料理におけるあく取り
美味しい料理を作る上で、欠かせない工程の一つがあく取りです。汁気の多い料理では特に重要で、出汁やスープ、煮物、おでん、カレーなど、様々な料理で丁寧にあくを取ることで、仕上がりの味が格段に向上します。
和食では、澄んだ美しい出汁を取るために、あく取りは欠かせません。昆布や鰹節からとる一番出汁、煮干しや干し椎茸からとる二番出汁など、出汁の種類を問わず、あくを丁寧に取ることで雑味のない繊細な味わいを引き出すことができます。素材本来の旨味を存分に味わえる、上品な吸い物やお椀に仕上がります。
洋食においても、あく取りは重要です。ブイヨンやコンソメを作る際には、肉や野菜から出るあくをこまめに取り除くことで、透明感のある美しいスープに仕上がります。また、シチューやポトフなどの煮込み料理でも、あくを取ることで、味が濁らず、素材本来の風味を活かすことができます。丁寧に作られたコンソメスープは、それだけで完成された一品と言えるでしょう。
中華料理でも、様々な場面であく取りが行われています。鶏ガラや豚骨で作る澄んだスープはもちろん、炒め物など、油を使う料理でも、食材から出るあくをしっかりと取り除くことで、油っぽさを抑え、風味豊かな仕上がりになります。
このように、あく取りは、和食、洋食、中華料理など、国籍や料理の種類を問わず、美味しい料理を作るための基本と言えるでしょう。それぞれの料理に合わせて適切なあく取りを行うことで、素材の旨味を最大限に引き出し、より一層料理の美味しさを高めることができます。灰汁の種類や量、火加減を見ながら、適切な道具を用いて丁寧にあくを取り除くことが大切です。
料理の種類 | あく取りの効果 | 具体例 |
---|---|---|
和食 | 澄んだ美しい出汁、雑味のない繊細な味わい | 一番出汁、二番出汁、吸い物、お椀 |
洋食 | 透明感のある美しいスープ、味が濁らない、素材本来の風味 | ブイヨン、コンソメ、シチュー、ポトフ |
中華料理 | 澄んだスープ、油っぽさを抑える、風味豊かな仕上がり | 鶏ガラや豚骨スープ、炒め物 |