
酸味を活かす、オゼイユの魅力
オゼイユ。初めてその名を耳にしたとき、フランス語独特の響きに何か心惹かれるものを感じました。調べてみると、日本語では「スイバ」と呼ばれる葉野菜だと分かりました。日本ではあまり見かけない食材ですが、フランスではポピュラーなようです。私はあるフランス料理店で、オゼイユを使った料理に初めて出会いました。白身魚に鮮やかな緑色のソースがかかっており、一口食べると、想像を超える酸味と爽やかな香りが口いっぱいに広がりました。まるで春の野原を吹き抜ける風のような清々しさの中に、奥深い旨みが感じられ、その絶妙な味わいにすっかり心を奪われてしまったのです。
それからというもの、オゼイユの魅力にすっかり夢中になり、色々な料理を試すようになりました。家庭でも気軽に使えると知ってからは、市場で新鮮なオゼイユを見つけるたびに購入するようになりました。生のままサラダに混ぜて、シンプルにその酸味を楽しむこともあれば、細かく刻んでスープの仕上げに加え、彩りと風味を添えることもあります。また、バターでじっくりとソテーして、肉料理の付け合わせにすると、酸味がまろやかになり、肉の旨みを引き立ててくれます。特に、鶏肉や豚肉との相性は抜群です。
オゼイユは、ジャムにしても美味しくいただけます。砂糖と一緒に煮詰めることで、酸味が和らぎ、甘酸っぱい味わいが生まれます。ヨーグルトやパンケーキに添えれば、朝食の楽しみがぐっと広がります。最近では、オゼイユを使ったソース作りにも挑戦しています。みじん切りにしたオゼイユをバターで炒め、生クリームと白ワインで煮詰めていくと、鮮やかな緑色が美しく、風味豊かなソースが出来上がります。このソースは、魚料理だけでなく、鶏肉やパスタにもよく合います。
今では、我が家の食卓に欠かせない存在となったオゼイユ。色々な料理を通して、その魅力を再発見する日々です。これからも、オゼイユを使った新しいレシピに挑戦し、その無限の可能性を探求していきたいと思っています。