捨てるなんてもったいない!アバティ活用術

捨てるなんてもったいない!アバティ活用術

料理を知りたい

先生、「アバティ」って言葉、初めて聞きました。料理用語ですか?どういう意味でしょうか?

料理研究家

はい、料理用語です。フランス語で、鶏や鴨などの鳥の頭や手羽先、砂肝、レバーといった、いわゆる『もつ』にあたる部分をまとめて指す言葉です。

料理を知りたい

なるほど。『もつ』のようなものなんですね。じゃあ、アバティを使った料理もあるんですか?

料理研究家

もちろんです。例えば、アバティを香味野菜と一緒に煮込んで作るソースや、パテの材料として使ったりします。コクや風味を豊かにする効果がありますよ。

abattisアバティとは。

「料理」や「台所」に関する言葉である『アバティ』について。アバティとは、鳥の頭や羽、砂肝、レバーなど、肉以外の部分のことです。

アバティとは

アバティとは

アバティとは、鶏や鴨などの家禽を処理した際に出る、普段はあまり食用とされない部位の総称です。具体的には、頭、足、首、手羽先、砂肝、レバー、ハツ、鶏冠(とさか)などが含まれます。一見すると、馴染みのない見た目で、食欲をそそられない方もいるかもしれません。しかし、世界各地の食文化を探ってみると、これらの部位は貴重な食材として、古くから様々な料理に活用されてきました。

西洋料理、特にフランス料理では、アバティは定番の食材です。鶏ガラや香味野菜と共にじっくりと煮込んで作るフォン・ド・ヴォライユは、アバティの持つ独特の風味とコクが、ソースやスープに深みを与えます。また、パテやテリーヌなどのシャルキュトリにも欠かせない材料であり、アバティを加えることで、複雑な味わいと奥行きが生まれます。

日本では、焼き鳥の砂肝やレバーなどは広く食されていますが、他のアバティはあまり馴染みがありません。しかし、アバティは栄養価の高い部位でもあります。例えばレバーは鉄分やビタミンAが豊富で、砂肝はタンパク質やコラーゲンを含んでいます。鶏冠はコラーゲンが豊富で、美容にも良いとされています。

近年、食品ロス削減の観点からも、アバティに注目が集まっています。捨てるにはもったいない栄養豊富な食材として、様々なレシピが開発されています。例えば、アバティを香味野菜と煮込んで作るスープや、醤油とみりんで甘辛く煮付けたもの、唐揚げなど、家庭でも簡単に調理できます。今まで敬遠していた方も、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。

部位 特徴 調理例
頭、足、首、手羽先、砂肝、レバー、ハツ、鶏冠(とさか)など 独特の風味とコク
栄養価が高い(鉄分、ビタミンA、タンパク質、コラーゲンなど)
フォン・ド・ヴォライユ、パテ、テリーヌ、焼き鳥、スープ、甘辛煮、唐揚げ

下処理のコツ

下処理のコツ

美味しい料理を作るための第一歩は、素材の持ち味を最大限に引き出すための下準備です。今回は、鶏肉を使った料理によく使われる部位、アバティ(レバー、砂肝、手羽先)の下処理について、詳しく説明します。

まず、どの部位にも共通する大切な作業は、流水で丁寧に洗うことです。流水で洗うことで、表面に付着した血や汚れを取り除き、臭みの原因となる雑菌の繁殖を抑えることができます。

レバーは、特に血抜きを念入りに行うことが肝心です。流水で洗うだけでなく、ボウルに水を張り、レバーを浸して、さらに水を取り替える作業を数回繰り返すことで、より効果的に血抜きができます。レバー特有の臭みが気になる方は、牛乳に30分ほど浸けておくのも良いでしょう。牛乳に含まれる成分が臭みを吸収し、よりまろやかな風味に仕上がります。

砂肝は、銀皮と呼ばれる硬く白い薄皮を丁寧に取り除く必要があります。銀皮が付いたまま調理すると、硬くて食べにくく、せっかくの美味しさが半減してしまいます。包丁の先を使って、砂肝の表面を軽く削るようにして銀皮を剥がすと、綺麗に取れます

手羽先は、関節部分で切り分けると食べやすくなります。関節部分に包丁を入れ、関節を外すようにして切り離します。二つの関節があるので、大きく三つの部分に切り分けるのが一般的です。切り分けることで、火の通りも均一になり、食べやすくなるだけでなく、見た目も美しくなります。

一見面倒に思える下処理ですが、このひと手間が、料理の美味しさを大きく左右します。丁寧に下処理をすることで、臭みが抑えられ、素材本来の旨味を存分に味わうことができます。ぜひ、今回の下処理のコツを参考に、美味しい料理作りに挑戦してみてください。

部位 下処理
レバー
  • 流水で丁寧に洗う
  • ボウルに水を張り、レバーを浸して、さらに水を取り替える作業を数回繰り返す
  • 牛乳に30分ほど浸けておく
砂肝
  • 流水で丁寧に洗う
  • 銀皮と呼ばれる硬く白い薄皮を丁寧に取り除く
手羽先
  • 流水で丁寧に洗う
  • 関節部分で切り分ける

定番の調理法

定番の調理法

いわゆるもつ、つまり内臓を使った料理は、昔から親しまれてきた定番料理と言えるでしょう。その調理法は実に様々で、家庭料理から高級料理まで幅広く使われています。中でもフランス料理では、もつをじっくりと煮込んで作るコクのあるソースが定番です。このソースは、肉のうまみが凝縮されており、肉料理や麺類との相性が抜群です。家庭料理では、もつを香味野菜と一緒に炒めることで、ご飯が進む一品になります。野菜の甘みともつのうまみが絡み合い、ご飯のおかわりが止まらなくなるでしょう。

レバーは、独特の風味と滑らかな舌触りが特徴です。薄切りにしてさっと焼いたり、ひき肉にして野菜と混ぜ合わせ焼いたりすることで、レバーの風味を存分に楽しむことができます。新鮮なレバーを使うことで、臭みが少なく美味しく仕上がります。砂肝は、こりこりとした歯ごたえが特徴です。しっかりと火を通し、炒め物や焼き物にすると、その独特の食感が楽しめます。お酒のおつまみにもぴったりです。手羽先は、様々な料理に使える万能な食材です。じっくり煮込んでだしを取ったり、香ばしく揚げたりと、調理法によって様々な味わいを楽しむことができます。手羽先から出るだしは、良い風味を料理に与えてくれます。このように、もつは様々な調理法で味わえる、魅力あふれる食材なのです。色々な料理に挑戦して、もつの奥深い世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

食材 特徴 調理法 料理例
もつ全般 様々な調理法で楽しめる 煮込み、炒め物 コクのあるソース、ご飯が進む一品
レバー 独特の風味と滑らかな舌触り 薄切りで焼く、ひき肉にして野菜と混ぜて焼く 焼き物
砂肝 こりこりとした歯ごたえ 炒め物、焼き物 お酒のおつまみ
手羽先 万能な食材 煮込み(だし)、揚げ物 だし、揚げ物

栄養価について

栄養価について

鶏肉の様々な部位は、それぞれ異なる栄養素を豊富に含み、私たちの健康維持に役立つ優れた食材です。よく食卓に上がる部位だけでも、様々な効能が期待できます。

まず、レバーは栄養の宝庫と言えるでしょう。レバーには、鉄分が豊富に含まれています。鉄分は、血液中の赤血球を作るのに欠かせない栄養素です。鉄分が不足すると貧血になりやすく、疲れやすさや息切れなどの症状が現れることがあります。レバーを食べることで、鉄分を効率的に摂取し、貧血の予防に繋がります。また、レバーにはビタミンAも豊富に含まれています。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持に役立ち、免疫力を高める効果も期待できます。さらに、ビタミンB群も豊富に含まれており、疲労回復や神経機能の維持にも効果的です。

次に、砂肝について見てみましょう。砂肝は、鶏の胃の一部で、歯ごたえのある食感が特徴です。砂肝には、鉄分に加えて、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。亜鉛は、免疫細胞の働きを活性化させるため、免疫力向上に役立ちます。また、亜鉛は、味覚を正常に保つ働きもあるため、不足すると味覚障害を引き起こす可能性があります。砂肝を食べることで、亜鉛を摂取し、健康な体を維持するサポートとなります。

最後に、手羽先についてです。手羽先は、コラーゲンが豊富に含まれていることで知られています。コラーゲンは、皮膚や骨、軟骨などを構成するタンパク質の一種です。コラーゲンを摂取することで、肌の弾力やハリを保ち、美肌効果が期待できます。また、関節の健康維持にも効果的です。

このように、レバー、砂肝、手羽先はそれぞれ異なる栄養素を豊富に含んでいます。バランスの良い食事に取り入れることで、健康増進に役立ちます。これらの食材を、煮物、焼き物、揚げ物など、様々な調理法で楽しみながら、健康的な食生活を送りましょう。

鶏肉の部位 主な栄養素 効能
レバー 鉄分、ビタミンA、ビタミンB群 貧血予防、皮膚・粘膜の健康維持、免疫力向上、疲労回復、神経機能の維持
砂肝 鉄分、亜鉛 免疫力向上、味覚の正常維持
手羽先 コラーゲン 美肌効果、関節の健康維持

入手方法

入手方法

{「アバティ」をどこで手に入れるか、いくつかお伝えします。

まず、お肉屋さんです。お肉屋さんでは、新鮮なアバティが手に入ります。さらに、調理方法について相談することもできます。どのように切ったらいいのか、どんな味付けが合うのかなど、プロの助言は心強いです。

次に、近所のスーパーです。スーパーでは、パックに詰められたアバティが売られています。すぐに持ち帰れる手軽さが魅力です。値段も比較的安く、買いやすいでしょう。毎日のお買い物ついでに買えるのも便利です。

最近は、インターネットを通じて買い物をする人も増えました。色々なお店から、多様なアバティを選ぶことができます。自宅にいながら注文し、届けてもらえるので、忙しい人にもおすすめです。珍しい種類のアバティを探すこともできます。産地やブランドなど、細かい情報も比較しながら選べるのも良いところです。

それぞれの買い方には、良い点があります。新鮮さを求めるならお肉屋さん、手軽さを求めるならスーパー、色々な種類から選びたいならインターネットでの購入がおすすめです。自分の状況や好みに合わせて、一番良い方法を選びましょう。

アバティは様々な料理に使える万能な食材です。手に入りやすい場所も増えてきました。ぜひ色々な方法を試してみて、美味しいアバティを味わってみてください。

入手場所 メリット デメリット
お肉屋さん 新鮮、調理方法の相談可
スーパー 手軽、安い 種類が少ない可能性
インターネット 多様な種類、産地比較 届くまで時間がかかる

まとめ

まとめ

内臓肉であるアバティは、初めて扱う方にとっては少しハードルが高い食材に思われるかもしれません。しかし、適切な下処理を行うことで臭みが抑えられ、その独特の風味と食感が楽しめるようになります。まずは、流水で丁寧に洗い、余分な血や汚れを取り除きましょう。牛乳に浸す方法も有効です。牛乳に含まれるカゼインが臭み成分を吸着し、より食べやすい状態になります。下処理を終えたアバティは、様々な料理に活用できます。

フランス料理では定番食材として知られるアバティは、煮込み料理やパテ、テリーヌなどによく使われます。じっくりと火を通すことで、柔らかく、旨みが凝縮された味わいになります。家庭料理では、炒め物や揚げ物、カレーの具材としても美味しくいただけます。野菜との相性も良く、タマネギやニンジン、ジャガイモと一緒に炒めたり、煮込んだりすることで、より豊かな風味を楽しむことができます。

アバティは栄養価も高く、良質なタンパク質、鉄分、ビタミンB群などが豊富に含まれています。健康維持や貧血予防にも効果が期待できる食材です。特に、成長期のお子さんや妊娠中の女性には積極的に摂取することをおすすめします。

これまでアバティを敬遠していた方も、今回の説明を参考に、ぜひ一度挑戦してみてください。適切な下処理と調理法さえ覚えれば、思っている以上に簡単に、そして美味しく召し上がることができます。新しい食材に挑戦することで、食卓のバリエーションも広がり、より豊かな食生活を送ることができるでしょう。食材を無駄にすることなく、美味しく健康的な食生活を送りましょう。

項目 内容
下処理 流水で丁寧に洗い、余分な血や汚れを取り除く。牛乳に浸すと臭み成分が抑えられる。
調理法 煮込み料理、パテ、テリーヌ、炒め物、揚げ物、カレーなど。野菜との相性も良い。
特徴 独特の風味と食感。じっくり火を通すと柔らかく旨みが凝縮される。
栄養価 良質なタンパク質、鉄分、ビタミンB群豊富。健康維持や貧血予防に効果的。
その他 初めてでも適切な下処理と調理法で美味しく食べられる。